青春のBACH

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 ひさしぶりにコンサート、ひとりで出かけました。2010E2023.jpg

 バッハの「ミサ曲ロ短調」の演奏会です。

 イェール大学スコラ・カントールム合唱団、ジュリア-ド音楽院古楽オーケストラ、指揮は鈴木雅明とゆう人です。

 鈴木氏はバロック専門の楽団「バッハ・コレギウム・ジャパン」の主宰、その筋の第一人者です。

 オケとコーラスはいずれもアメリカ東部イスタブリッシュメントの名門大学。名門ではありますが、オーディションで選ばれた学生たちです。内容のわりにお値打ち料金となっている事情はその辺りかも。しかも私、新聞広告見て応募して割引招待券をもらい、何と2,000円也の超リーズナブル価格で入場しました。これはラッキーでした。

 西洋の音楽は教会で演奏するためのものとして、宗教の隆盛とともに発展してきたという一面があり、その結果として宗教曲には古よりきわめてすぐれた作品が多く現代に伝わっています。

 中学校の時のある先生の言葉を覚えてます。「俺は純和風人間で浄土真宗の信者やけど、キリスト教の聖歌やミサ曲をじっくり聞いてると、妙な気分になってくる」つまりそれほど人の心を動かすものがある、ということです。音楽が宗教の発展に果たした役割は大きいといえます。

 われらがニッポンの仏教でも「声明(しょうみょう)」というお経の合唱があります。読経は仏教の基本的な儀式ですが、大勢のお坊さんたちが一斉に唱える経文の合唱は迫力があり、CDもたくさん出ています。五木寛之の「親鸞」には、その昔いい声で読経する坊様は多くのファンを獲得して信者を増やしていったという当時の布教の様子が描かれてます。まさに現代でいえば歌手、アーティスト活動をやってたわけで、ことほどさように宗教と音楽は切り離せないのです。精神の安らぎをもたらすというところで、相通ずるものがあるんでしょね。

 「ロ短調ミサ」は、よくバッハの集大成とか最高峰とか様々に賞される傑作です。マタイ受難曲、ヨハネ受難曲、そしてクリスマスオラトリオとともにバッハの4大宗教曲ともいわれます。

 この4曲は大学のサークルなどの合唱団ではなじみ深く、いろんな「レクイエム」やヘンデルの「メサイア」なんかとともに演奏会で掛ける演目としては究極の、あこがれの大曲です。実は私も大学時代合唱団の経験があり、当時は仲間が集まって「ロ短調はいいよなぁ…」だの「やっぱクリ・オラだね…」などと知ったかぶって論じてたもんです。

 そんな経緯もあってこの曲、上演されることは少ないのですがこれまで機会があれば聞いてきました。思い出すのは学生時代、同じくロ短調ミサを上野の東京文化会館で聞いた際、オーケストラが学習院の学生で浩宮殿下(現皇太子)が出演しておられ、なんと客席には皇太子ご夫妻(現 両陛下)が! 演奏終わってロビーでも間近に。今上陛下のお姿を直接拝見した人生これっきりの経験でした。

 さて、今回の演奏会ですが、30人ほどのコーラス、男声はみなさん「しゅっ」とした長身小顔で、もしうちの奥さんが一緒にいたら間違いなく両目ハートの形にして「カッコよろしなぁ~」とか言うてたことでしょう。ソロパートを交代で歌ってましたが、さすがにソリストとしては「これから」という感じがしました。一方、肝心の合唱は素晴らしかった。

 慌ただしい日々が続く中でいっとき非日常を堪能し、こころの休息を感じた夜でありました。

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katsuhiko

男 

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奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

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雨の日と夜中はクラシック音楽聴いてます。

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