溢れないで

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 「淀川水防・大阪府地域防災総合演習」というのんに参加しました。

 国と府と市が共同で主催する、大規模な防災演習です。

 巨大河川、淀川の水害に備えるため、大阪市長管理下の3つの水防事務組合(淀川右岸、淀川左岸、大和川右岸)が持ち回りで実施しているそうです。だから、3年ぶりです。
 
 台風時の大雨を想定して堤防決壊に対処するのが水防管理団体で、水防事務組合もそのひとつです。正式な組織構成の根拠はよく知りませんが、火事に対応するため各地に消防団があるように、水害に立ちむかう水防組合が置かれてるみたいです。昨日の訓練は何か、そんな関係やったのでしょう。
 
 わが国のインフラ整備の実情を思うとき、台風による増水で淀川が溢れるなんて、およそ想像できません。確かに大雨のときには川面は上昇するし、河川敷グラウンドが冠水している光景は何回も見たことあるけど、この堤防を超えて流域が洪水なんてことにはならない気がします。しかし、東日本で思い知ったように、自然の所業はたびたび人間の想定を超えます。そのための訓練なのでしょう。

 大雨による洪水よりも、東日本以来、津波による水害の方が急激に現実味を帯びてきました。大阪湾に津波がやってきた場合、市内のどこがどの程度冠水するかということは、もう分かってます。
 
IMG_0592.jpg 南海トラフ巨大地震が起こる確率は、30年以内に60%~70%です。もっとも政府発表はあまり信頼してませんが。万一起こったときの言い訳が楽やから大げさに言っているキライが見え隠れするのです。「ほらね、やっぱりきた。だから言ったでしょ」。東日本の「想定外」以来、政府もバカなりに学習してるんです。しかし、来る恐れが大きいということは本当でしょう。今回は津波への対応を強化した訓練内容でした。

 訓練、超大規模です。陸上自衛隊の通信兵と思しき人たちが中継施設をあっという間に設営するし、装甲車みたいなんが来て津波によるガレキ撤去するわ、救急ヘリが淀川で溺れてる人を吊り上げるわで、なかなか見応えがありました。何でもそうですけど、鍛えられたプロの仕事は迫力があります。

IMG_0576.jpg そんな中、わたしたちが参加したのは、土のうを作って積み上げるお稽古でした。単に土を袋に入れて積み上げればよいというものではありません。土の入れ方、袋の口の縛り方、積み上げ方、ちゃんと理にかなった作法があるのです。教えてもらって、しっかりと自家薬籠中のものとしました。これでもう、いつ淀川があふれても大丈夫なのです。

 河川堤防の決壊といえば、子供のころ起こった東京の多摩川の大水害が印象に残っています。住宅が水に浸かるというよりも、土手の上に建っていたおうちが横倒しになって、ぷかぷかと流されていく衝撃的な映像が何度もテレビに流れました。その後、この光景をモチーフにしてテレビドラマ「岸辺のアルバム」が作られたとか。

 わが学園のキャンパスのひとつは、細く長~く淀川に沿って建っています。仮に津波や台風で淀川が溢れると被害の大きさは見当もつきません。災害は無いに越したことはありませんが、必ず起こるのです。「忘れた頃にやってくる」ということは、つまり「忘れないうちは来ないのだ」とポジティブに考えて、備えをしっかりとしていくことといたしましょう。

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katsuhiko

男 

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奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

生まれてから約半世紀たちました。

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雨の日と夜中はクラシック音楽聴いてます。

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