それぞれのお仕事

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 五輪まであと5日となりました。コロナ禍の真っただ中で行われる前代未聞の大会、さてどうなることでしょう。ここにきて東京の感染者数がぐんと増えてます。専門家は五輪の開催期間後半に感染者数が第3波を上回る最悪の状態に至ると脅してます。そうなったらやっぱり大会は中止するんでしょうか。政権はひやひやもんでしょうね。kaminari_rakurai_tree.png

 そんな喧騒をよそに先週、久しぶりにゴルフ行ってきました。梅雨末期の不安定な空模様で、ちょっとしたハプニングがありました。スタートして3ホール目くらいやったか徐々に空が雲に覆われていき、とうとうゴロゴロいいだし真っ黒な雲の中ではピカピカと稲妻も出始め「大丈夫かな」と思う間もなく「ウ~ウゥ~♫」とサイレンが響き渡ります。どんな土砂降りでも猛吹雪の中でも平気でプレーを続けるおっさんゴルファーたちも、雷だけはクラブを放り出して逃げる逃げる。待避所で30分ほど休憩していると、結局一滴の雨も降らず雷雲が去り青空が戻りました。やれやれということでその後は支障なくプレーを続けることができ、晴天よりもかえって暑すぎることもなく、楽しい一日でありました。

 さて、先月最高裁で夫婦別姓に関する2回目の最高裁の判断がありました。ちょっと前に「結審してから4カ月経ったのでそろそろ判決が出てもいい頃」と書いた裁判です。前回2015年の判決同様に、夫婦別姓を認めない現行民法の規定は合憲と判断し、現行制度を変更するためには「国会で論ぜられ、判断されるべき」と議論を国会に委ねた形になりました。

 前回の合憲判断以降に国内外ともに社会的状況の変化が進み、日本でもいよいよ選択的夫婦別姓制度も導入近しかと思いきややはり保守派の抵抗は極めて強く、6年経った今も法改正には至っていないことは前に書きました。

 そんじゃあってんで、そんな法律が憲法違反で不適切、という司法の方からの対応を求めて夫婦別姓を求める勢力が再チャレンジしたものの、あえなく返り討ちにあった形です。やはり、これまで連綿と機能してきた法律を憲法違反と断じることはいかに壁が厚いかということを示しています。

4691790_m.jpg しかし裁判官15人のうち4人が違憲とする反対意見を書いてて、15年判決とは雰囲気がかなり違ってます。弁護士出身のひとりの裁判官は「選択的夫婦別姓を導入することによって向上する国民の利益が大きいことは明白だ。それにもかかわらず導入しないことは、あまりにも個人の尊厳をないがしろにしている」としました。また、弁護士出身の女性裁判官と学者出身の裁判官は連名で「夫婦の名字を同じにしないと結婚を法的に認めないという制約を課すのは合理性がない。婚姻の自由と夫婦の平等を保障した憲法の趣旨に反し、不当な国家介入にあたる」として、別姓での婚姻届も受理すべきとしました。さらに、検察官出身のひとりの裁判官が「夫婦の名字を同じにする現在の制度は、現実的に女性に不利益を与えている。夫婦別姓の選択肢がないことは、婚姻の自由を不合理に制約していて、憲法に違反する」としました。つまり「現行法は、男女どっちの姓を選んでもええんやから不平等でも何でもない」という従前の考え方は現代の社会情勢において必ずしも正しくない、とはっきり言ったのです。もちろん多数意見ではないので、判決の結論に影響を与えたわけではありませんが、司法判断はゆっくりと「このままじゃダメよ」という方向に進展しています。

 朝日新聞の直近の世論調査では、選択的夫婦別姓賛成が67%、反対26%で、自民党支持層に限っても賛成61%、反対32%と世論の動向は明らかです。この数年で賛成が反対を逆転しています。しかし、国会では保守勢力の勢いは揺るがずあいかわらず反対意見が強いことから議論は進んでいません。

 ところで、今回の最高裁判決に対して別姓推進派から「司法の怠慢」だの「国会に仕事と判断を押し付けた判決」だの「裁判所は何のためにあるのか」だの、悪口雑言を述べるヤカラが湧いてでましたがこれはおかしい。法治国家のわが国において裁判所はあくまで法律に照らして事案の判断をするのがお仕事であって、正義の実現のためとはいえ条文を曲解したらあきません。「それなら法律の方をきちんとしてよ」と示唆することは怠慢でも何でもない。裁判所が法律を作ったり恣意的に解釈したりなんてことになったら、三権分立が揺らぎ、大統領の意向で判決がコロコロ変わる韓国みたいな前近代的国家になってしまいます。

 するべきお仕事はきっちりと区分し、越権行為や差し出口を控えることも大切なのです。

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katsuhiko

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