国会が始まりました。補正予算、憲法改正、自衛隊派遣、IRなど問題が山積、しっかり議論してほしい。野党は相変わらず「桜」を最重要課題と位置付けてるようです。さすがに「モリ・カケ」はもうダメだと悟ったようですが、国民と同じ目線とは到底思えません。
そんな今国会の序盤戦で、ある「ヤジ」が注目されてます。
国民民主党の議員が代表質問に立ち、選択的夫婦別姓に関する質問を行った際に、自民党議員から「それなら結婚しなくていい」とヤジがあったと。野党は色めき立ち、誰が言ったと大騒ぎし、マスコミもこのイベントに乗っかって連日犯人捜しと容疑者の追及を続けてます。
なんかおかしい。
選択的夫婦別性は、近年議論が進んできた賛成、反対それぞれの立場で主張が対立している、ホットで難しい課題です。このブログでもやや主旨が違いますが書いたことがあります。
世界中で夫婦同姓を法律で規定して別姓を認めていない国は日本だけです。別姓の実現は、ジェンダーフリーと女性活躍社会の実現に向けて肯定的に世論が形成されてきました。それに対抗する保守勢力のよりどころは、日本の伝統的家族制度の堅持のみです。現時点では最高裁も夫婦別姓合憲判断をしていますが、その理由は「旧姓使用も広まってっし...」というあやふやなもので、一方で下級審が旧姓使用を認めない判決出したりと、司法判断も迷走気味です。
さらに、完全別姓とするのではなく選択制にすることで、同姓でいい人はこれまでどおり同姓にすることも可能なんやから不利益、不都合は無いとする主張はかなり正鵠を射ています。選択的夫婦別姓はいずれ実現すると、わたしも思います。
しかし、多くの保守的な国民が「夫婦は同姓。これはこれまでどおり法律できっちり規定すべき」と考えていることも厳然たる事実であって、この意見を強制的に封じ込めることはするべきではありません。
今回のヤジ問題でわたしが「おかしい」というのは、このヤジだけがことさらに糾弾されているからです。本会議では他の与野党多くの議員が、下品にもいろんなヤジを飛ばしています。ところがこれまで、膨大なヤジのひとつひとつについて、誰が言ったなんて犯人捜しはいちいちやってません。マスコミが今回のヤジだけ取り上げるのはなぜですか。ヤジの内容によって差別されるんですか。言っていいヤジと悪いヤジがあるということですか。「夫婦同姓が嫌なら結婚するな」という意見があってもええやないですか。私はこんな考え方にはくみしませんが、そういう意見を主張する権利は尊重されるべきやということです。
さらに言えば、そもそもヤジは慎むべきです。国会本会議でのヤジはこれまでもいろいろと批判されてきましたが、一向に減りません。ヤジは憲法が保障する言論の自由の範囲には含まれません。むしろ言論の自由を妨害する唾棄すべき卑劣な行為であって、単なる言葉の暴力なのです。
よとうの人もやとうの人も、かいぎ場では、もっとおぎょうぎよくしなければだめですよ。
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