なら行かない。

　安倍改造内閣の目玉として入閣した小泉進次郎環境大臣が、急速に商品価値を下げてます。例の「育休とります」で物議をかもして「？」と思ってたところに、国連での会合で「気候変動の問題はセクシーだ」と語るなど、どうも意味不明の発言が続き、各方面から「ひょっとしたらこいつ、ただのアホなんとちゃうか」との声が上がってるのです。あながち間違ってないような気がします。少なくとも巷間言われかけた将来の首相候補なんかでは断じてありません。野党は敵失にほくそ笑み、安倍さん、またぞろ頭痛の種を抱え込んだ模様です。

　さて、そんな中わがふるさと奈良県の荒井知事が定例記者会見で、奈良公園周辺で渋滞が深刻化していることに関連して「問題の根本は大仏殿だけ見て帰る人たち。来なくていい」と発言したそうです。ここにもバカ現る。

　最近とんと訪れる機会もなくなりましたが、確かに奈良公園周辺道路の渋滞は昔からひどい。ジモティーは決してクルマでは近づきません。最近はインバウンドが進みさらにひどくなってるらしい。知事は発言について「道が混むだけじゃ困るし、大仏だけ見て帰るなら奈良の経済のためにもならない。できるだけ滞在してほしいということ」と釈明したそうですが、ちょっと何言ってるか分からない。

　もし本当に奈良の経済を考えているとするならば、古都奈良という世界遺産てんこ盛り日本有数の好条件に恵まれながらなぜお金を落としてもらえないのかを真摯に検討し、地元首長として経済振興策を講ずるべきです。ほかの観光地は観光客を呼び込むために知恵を絞って工夫してますがな。渋滞とは何の関係もありません。

　つまり、経済うんぬんの話は、口が滑ったことの後付けで考えた言い訳にすぎません。率直に「観光客なんか大勢来るからこんなに渋滞する。来んときゃええんや」という意味で発言したと考えるのが自然です。普段からそう思ってたから、アタマを通さずについ本音を喋ってしもたわけです。

　渋滞緩和に関してこれまで何の手立ても講じず、やってたとしても全く効果が上がらないという背景はあったのでしょう。だったら、「受け入れ側の対策が不十分で、迷惑かけてます。」と発すべきところ、自らの無能を棚に上げて、世界中からわざわざ来てくれてる観光客を悪者扱いするとは、なんという浅慮か。

　そのあげく「修正し、取り消します。書かないように」ですと。吐いた唾は飲めません。しっかり書かれました。これで観光客は減りますよ。ある意味知事の思惑どおりに渋滞は緩和されるかもしれません。

　こんなおっさんがわがふるさと奈良県を代表する首長であることを心底恥ずかしく、情けなく思います。小泉大臣より先に、とっととやめてしまいなさい。