神韻芸術團

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 列島に大寒波到来、ぐっと気温が下がりインフル大流行とめっきり冬らしくなってきました。昨夜は大坂なおみ選手の全豪オープン決勝戦、手に汗握ってテレビ観戦してました。なんとグランドスラム連覇という快挙ですよ。うれしい。サッカーのアジアカップも頑張ってほしいもんです。

20190122_092244239_iOS.jpg さて、先週、「神韻(シェンユン)芸術団」というステージ公演観てきました。

 簡単に言えば伝統的な中国舞踊の公演ということになるのでしょうけど、これまで知ってたそれとは一線を画す素晴らしいステージでした。感動しました。

 中国古典舞踊は、バレエと並ぶ人類史上最高の舞踊芸術とされてるそうです。観たあとは、なるほどなと納得しました。

 プロのステージでした。技能、技巧、完成度が極限まで高められてます。「○○高校ダンス部のみなさんでーす!」の素人芸とは比べるべくもないのは当然として、これまで観てきたいろんな舞踊のステージとはスケールが違います。完成度が違います。

 基本的に群舞ですが、全員が見事にシンクロしててわずかの狂いもありません。こんなん初めて見ました。オリンピック新体操団体やシンクロナイズド・スイミングもよく揃ってはいますが、やっぱり集団の中の誰かはちょっとだけズレてたりします。神韻のダンサーはそれが全くありません。常人にはおよそマネできないキレッキレの動きが、コピーしたデジタル映像みたいに全員完全に同じなんです。スゴイ。20190126_020132495_iOS.jpg

 ステージは、独立したそれぞれ数分の舞踊または舞踊劇の連続で、全部で20ステージありました。ひとつひとつが完成されてて妥協がありません。完璧な身のこなしに心情が投影されてて、歌やセリフがなくても演者の心中が鮮明に伝わってきます。オペラやミュージカルとはレベルが違う表現力で、舞台芸術とはこういうものという神髄を見せられました。

 全編通じての特徴として、ステージの背景がまるまる全部スクリーンになってて、リアルのダンサーと映像が連動して演舞が進行していきます。遠く空の彼方から近づいて来た人がそのままステージに現れたりといった演出が巧みに組み込まれてて、表現の幅が大きく舞踊の主題と複雑なストーリーも無理なく理解できます。このシステムは特許取ってるそうです。

 超人級の舞踊テクニックに加えて、個々の衣装がこれまた超美しい。漢服というのか、伝統的な衣装を身につけた男性、女性の一糸乱れぬ群舞はまさに溜息が出るほど。登場するだけで館内からどよめきが湧きます。

 2時間30分、あっという間の陶酔のひとときでした。

 さて、そんな素晴らしい神韻芸術団なんですが、本家の中国政府とは仲が悪い。というより完全に敵視されてるんです。実は神韻は中国ではなく祖国を離れた北米在住の「法輪功」という宗教団体の信者たちにより、2006年にニューヨークで設立された組織なのです。法輪功といえば1990年代、信者が爆発的に増えその政治的な影響力を恐れた江沢民などときの共産党指導部がひどい弾圧を行って活動を押えこんだという経緯があります。いまでも中国ではオウム真理教と同様のカルト教団であるとして完全に禁止され、ネットで「法輪功」と検索するだけで公安の取り締まりの対象となるんやとか。国家を挙げての大規模な迫害が続いているのです。

 中国共産党が人間の尊厳、人権などはおよそ意に介さない組織であることはこれまで何度も触れてますが、こと法輪功に関しては憎悪むき出しで徹底的に弾圧し、あまつさえ逮捕した信者を虐殺しその臓器を売却することがビジネスとして国家ぐるみで行われていると伝わっています。20190126_020212281_iOS.jpg

 この日の20の演目のうち、いくつかは法輪功の教義をもとに作られてます。ソプラノ歌手の独唱は宗教的なメッセージそのままの歌詞やったし、舞踊劇のひとつは、人として正しい道を歩むように訴え、信者は最終的に救済されるという内容でした。これ、おそらくは教義に従ったストーリーなのでしょう。

 また別の演目、中国国内で公安に拉致され拷問を受けて失明した信者が、神か仏か知りませんがその霊力によって回復するという舞踊劇でした。この劇では、仮面ライダーのショッカーのような分かりやすい悪者たちが出てくるのですが、お揃いの黒いジャンパーの背中に共産党の赤いマークがデカデカと書いてあったのには笑ってしまいました。確かにこれでは中国国内で上演などできるはずがない。

 ただし、この日劇場内で勧誘や布教などの宗教団体を彷彿させる動きは一切なく、したがって純粋に芸術を堪能することができました。

 いつの日か大陸の中国共産党という殺人集団勢力が一掃され、言論の自由、宗教の自由といった人類普遍の当たり前の基本的人権が保護され、神韻芸術団が本国で誰はばかることなく公演を行い、多くの中国国民に感動を届けれられることを願いたいものです。

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katsuhiko

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