週刊文春の情報収集能力はもはや諜報機関なみではないか、と感心してしまいます。
イクメン議員ということで時の人となりかけた宮崎健介とかいう自民党の衆議院議員が不倫疑惑をスクープされて議員辞めちゃった醜聞で日本中大騒ぎです。この男、過去に加藤紘一自民党幹事長というビッグネームの三女（二世議員）と結婚したものの女性問題が原因で３年で離婚したとかで、もともと女性関係にだらしなかった様子。
いったい何を考えてるんだか。育休騒ぎがなかったら週刊誌も全く見向きもしなかったであろうに、救いようがないみごとなバカッぷりです。京都三区（伏見区、長岡京市、向日市、大山崎町）の皆さん、お気の毒です。あななたちが選んだ代議士様ですよ。
自民党はひとりやふたり減ったって大勢に影響はない。だからこそ「育休とりたい」なんて言い出したときも余裕やったわけで、これが泡沫政党の議員やったとしたら当然、「採決で不利になるから勘弁して」ということになるはずでした。つまりはいてもいなくても、どっちでもいい存在やったわけで、育休だろうがなんだろうが勝手にしたら？ということやったのです。ある意味、今回、自民党が数の力の驕りによって、足をすくわれたと言えなくもありません。
さて、そもそも国会議員が育休なんていいのか、という議論がまずあったわけですが、結論から言って議員センセイたちは男女問わず育休などとるべきではありません。
そもそも、育児のために仕事ができなくなるような人は、議員になるべきではないのです。国会議員は労働法で守られた単なる労働者ではなく、有権者の負託を受けて国民の声をしっかりと国会に届け国政に反映していく義務がある公人です。国会議員に育休制度がないのも、このような当然の前提があるからであって、そこで労働者の権利を主張することが、まず勘違いしてます。
さらに今回のこの議員はフェミニストを気取って、女性の社会進出のために国会議員が育児休業を取得することで、男性が育児休業を取得できることを認知させる活動を推進すると公言してたわけですが、これもとんだ思い違いです。
大きな企業など、法令をムリなく遵守できて福利厚生がしっかりしているところでは男性の育休などもはや珍しくもありません。私の職場でも、そんなに多くはありませんが例があります。必要があれば取得できる環境は整っているのです。国全体の取得率が上がらない原因は、法令上の規制や努力義務があることは分かっているけれど、会社の経営に余裕がなくてそこまで手がまわらないという企業が多いことにあります。仕事の中心となっている男性社員に休まれると本当に困ってしまう企業が依然として多数なのです。女性の進出大いに結構。しかし、政府のいうとおりにやってたらとてもやないけど仕事がまわらない、法令の主旨に沿って男に育休とらせて、その結果会社潰れちゃったら国が責任とってくれるのか、そんなことは余裕のある大企業に言ってよ、というのが本音のところなのです。
そんな状況にあって、男性国会議員が率先して育休とったからって、いったいどうなるのよって話です。
国会議員として本当にイクメンを推進したいのなら、正攻法の議員活動として男性の育休取得によって失われる企業利益相当の補助金を拡充するとか、効果のある関連法令の整備を政策として進めていくべきでしょう。それが議員の仕事というもんです。自分だけ育休とって議員歳費は丸々もらいながら堂々と仕事サボっておいて、「率先して育休とって範を示します」なんて、完全にピントがずれてます。議員の歳費は言うまでもなく税金から支払われます。われわれはこんなバカヤローの子育てのために税金を払っているわけではありません。
そこへもってきて、今回の不倫騒ぎです。
国民はこれまで、さまざまなバカ議員が現れては消えていく様を見せられていますが、今回はひときわヒドイ。こいつのせいで今後しばらくは、職場の男子社員が「育休とります」と申し出たら、上司に「ほう、おまえも不倫するつもりなんか」なんてことになりかねません。女性の社会進出を促進しようと国を挙げて取り組んでいる中で、みごとにそれを妨げる行為を行った国会議員がいたことが、長く後世に伝えられていくことでしょう。
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