みっともないぞ

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 ここ数日寒さが強まり、本格的な冬の趣きが増してきました。暖冬がいわれてましたがやはり帳尻はあってくるもんです。昨夜の帰宅は日付が替わってからでしたので、底冷えが一段と身に沁みました。
 
 さて、北朝鮮による国家テロ、日本人拉致問題の解決はわが国にとって非常に大きな外交課題であって、国民の一人としてその進展を切実に望むものであります。この憎むべき国家犯罪が明らかになってからもう何十年も経ちますが、一向に解決の気配がなく、被害者およびそのご家族の心情を拝察するに暗澹たる思いを抱くとともに、かの国の金王朝に対する怒りが沸々とこみ上げるのを禁じえません。
 
 唐突に、いまさらのようにこんなことを書き始めたのは、先週の衆院予算委員会において、じゃっかん捨て置けないやりとりがあったからです。
 
abe2.jpg 民主党の緒方林太郎という衆議院議員が安倍総理に対する質問の中で「首相は拉致問題を使ってのしあがったのではないか」と言い放ちました。これに対して安倍首相は激怒し「議論する気すら起きない。」と真っ向から否定しました。当然の対応です。
 
 国会では本会議でも委員会でも、質問とは自身の主張を国民に示す最大のチャンスであるわけです。この議員も疑問点の答えを知りたくて首相に質したのではなく、本人を前にし、国民に対して「この人物はそういう人なのです」ということを喧伝するがために行った行為です。下品ないいいがかりであって、名誉棄損に相当する言辞です。
 
 緒方議員は、拉致被害者家族の蓮池透氏が書いた、拉致問題が政治利用されているという主旨の本を取り上げて首相に迫ったわけです。しかし蓮池氏のこの考え方は被害者家族の会の中でも批判されてて、被害者の一致した思いではありません。問題解決のための方策はたくさんあるやろし、どうするのが一番よいのかという意見も人によってさまざまです。蓮池氏は、北朝鮮に対して制裁を強化したりせずに戦後補償・賠償もからめてバーターで進めればよいという立場であって、どうも安倍さんの今の方針が気に入らないらしい。従ってあんな刺激的な本を書いて政府を批判したのです。当事者の発信ということでそれなりにインパクトがあります。
 
 かつて、5人の拉致被害者が先行して帰国したとき、政府の思惑は平壌宣言に従っていったん彼らを北朝鮮に戻すという流れでした。これに断固として反対したのは当時官房副長官で拉致問題交渉の先頭に立っていた安倍首相だとされてます。蓮池氏はここに噛みつき「返すなといったのは安倍さんではなく私だ」と書いてます。そして「したがって安倍さんは問題を政治利用している」という論理なわけですが、これはちょっとどうかと思います。あの当時「返すな」という主張は、誰が言いだしたとかいう話ではなく、怒りに燃えた日本国民ほぼ全員の素直な気持ちではなかったでしょうか。
 
 結果的に何十年も経っていまだ解決に至っていないことは事実であり、被害者救出のためにひょっとしたらもっといい方法があったのではないか、と言われればそのとおりやと思います。しかもそれは被害者のご家族の一人としての率直な気持ちであって、そのことを「違う」というつもりはありません。いろんな考え方があっていいのです。誰もが被害者全員の無事と一刻も早い帰国を願っていることに違いはありません。
 
 が、しかし、今回の緒方議員の質問は、そんな被害者の率直な気持ちを利用して「被害者がこんなこと言ってるぞ」と追及したわけです。安倍さんが言ったとおり、そんな質問をすること自体がこの問題を政治利用している、政争の道具にしているわけで、これでは対北朝鮮で一致結束していこうとするわが国の対応をカクランしようとする北朝鮮の思うツボです。金正恩がこの質疑のことを知ったら笑いがとまらないことでしょう。
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 翌日、産経新聞は「民主党にはこんなバカがいる」と一面トップで詳しく伝えました。一方朝日新聞はさすがにまずいなぁと思ったのでしょう、このやりとり見て見ぬふりして、単に拉致問題について緒方議員が質問し首相が「解決に全力を尽くしたい」と答えた、とのみ書いています。いろんなことがわかり易くて困ります。
 
 国会の論戦というのは、国民にとって何が一番よいのかということを話し合う場です。時の政権に対する批判はよいとしても、代案も示さず、ただ嫌がらせのための質問に時間を費やし、そしてその卑しい心根を国民に見透かされては大恥をかく。何とも情けない。その昔、自民党が金権金満体質と批判されましたが、スカタンばっかりやって醜態を晒すのがどうも民主党の体質のようです。過去、小泉政権時代に時の自民党幹事長に関する根も葉もない不正事実を予算委員会で朗々と指摘したバカ代議士が、あとでウソと分かって結局議員辞職したいわゆる「堀江メール事件」や、最近ではTPP交渉にからんで、同じく衆院予算委員会で担当大臣に対する勘違い質疑で勉強不足を露呈して大恥かいた議員など、とにかく何というか、不細工なんです。
 
 思うにこれは、国会議員として本当に国民のためにどういう政策がいいのかという素直な思い、いわば選良の使命感から出た行動ではなく、とにかく目の前の相手をやっつける、なんとか揚げ足をとってギャフンといわせることのみを企んでいるからこんなことになるんです。
 
 あなたたちの仕事はそんなことではないはずです。ウソでもいっときは政権を担った政党の、これがあるべき姿でしょうか。こんなことを繰り返してるようでは、自民党の長期政権はいよいよ盤石なものとなってしまいますよっと。

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