江夏豊

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 一昨日、久しぶりに甲子園球場に観戦行ってきました。球児たちが去り、阪神タイガースが本拠地に帰ってきた最初の試合。今シーズンのセ・リーグペナントレースは、秋風も吹こうかという時期になってもわがタイガースは首位をキープしており、ひょっとしたら…なんて欲も生じそうな事態になっています。試合は藤浪投手の完封で快勝し、なんとも気分よく帰ってまいりました。

img201.jpg さて、このカード「Legends Day」と銘打って、70年代の阪神タイガース、というよりプロ野球界を支えた黄金のバッテリー、江夏豊投手と田淵幸一捕手を顕彰しようという企画の試合で、試合前の練習中にはオーロラビジョンに往年の功績に関する映像が映し出されました。

 江夏投手は、シーズン401奪三振記録、オールスターでの9連続奪三振、延長11回ノーヒットノーラン(江夏自らサヨナラホームラン)など、未だ破られないさまざまな記録を残した空前にして絶後の本格派の大投手です。わたしも小学生時代にはその快投乱麻に魅了されたひとりです。甲子園球場初めて行ったときに買ったファンブック、まだ残ってます。

 ところが、です。

 江夏投手は野球殿堂入りしていません。引退後に覚醒剤で逮捕されたからやそうです。これまでにも「江夏復権、殿堂入り」の話は何度かあったそうですが、いまだに実現していません。今日はそのこと書いてみます。

 復権、殿堂入りなど必要ありません。

 プロ野球のために江夏投手の残した功績は、名選手といわれた他の多くの人たちの及ぶところではありません。記録のみならず記憶に残る素晴らしいプレーヤーでした。

 今も必ず「伝統の一戦」という形容詞が冠される阪神・巨人戦は、最高のカードと称され長くプロ野球の隆盛を支えてきましたが、それは決して王、長嶋のみで成されたわけではなく、江夏、田淵というライバルとの幾多の名勝負あったればこそでした。江夏投手なくして今日のプロ野球の隆盛はなかったと言っても過言ではありません。

 「殿堂入り」の条件が、顕著な活躍をした選手や監督・コーチであること、また野球の発展に大きく寄与したこととするならば、江夏投手ほど相応しい人物はいません。img202.jpg

 しかるに、江夏投手は引退後の犯罪を理由に不当な差別を受けてきました。なぜ野球とまったく関係ない引退後の行状によって、輝かしい記録、功績とプロ野球発展への寄与を無かったことにできるのでしょうか。殿堂入りには人格や品行などまで評価の対象となるんでしょうか。まるで横綱審議会やんか。彼の犯罪は、引退後の、それも野球と何の関係もない行為です。

 過去には、現役中に賭け麻雀で逮捕・送検されながら球団をクビにもならずプレーを続けたのみならず、あろうことかのちに監督を務めさらには殿堂入りまでした人物もいるやないですか。さらに今現役の選手、監督の中には不正な契約金の授受が取り沙汰された例もあるし、女性問題で暴力団に多額の現金を渡したのにのうのうと監督を続けてる人もいます。こんなのは、江夏投手よりもよほどタチが悪いやないですか。

 どう考えても不合理です。殿堂入りの選考にかかわる連中には、それぞれ何らかの事情もあるんやろけど、少なくとも純粋にプロ野球を愛するファンにとっては、野球の発展に寄与した人を顕彰するという殿堂の主旨を逸脱し、ことさらに江夏投手だけを排除するための恣意的な判断があると思えてなりません。

 であるならば、江夏投手の復権=殿堂入りに関して、これまでの彼に対する差別的な扱い、無礼について幾重にも深謝するので何とか殿堂に入っていただきたいとお願いされるのであればともかく、そうでない限りは、江夏投手のファンとして、プロ野球のファンとして、殿堂入りなどこちらから願い下げです。

 江夏投手の功績は、野球殿堂などというくだらない名誉とは隔絶したところで今後も輝き続け、プロ野球の魅力を後の世に伝えていくでしょう。

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