朝日新聞よ

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 台風11号が接近し、強い雨が降っているというのに、明日から1泊でゴルフコンペに出かけます。大阪と広島に事業展開するわが学園職員の親睦行事で、ちょうど真ん中あたりの岡山県のゴルフリゾートに集合するのです。しかし台風が抜けていく明後日はいいとして明日はどうも無理っぽい。それでも夜の宴会は決行するからとにかく集合すべしと号令かかってます。したがって明日は早朝の旅立つので、久しぶりに土曜日のブログ更新となりました。

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 さて、私はものごころついて以来、朝日以外の新聞を購読したことがありません。一貫して護憲・リベラルを旨とする主張と、美しい日本語を大事にする紙面に共感し、心情的にいちばん素直に読めるからです。人の思想信条はそう簡単に変わるものではありません。今後も朝日の購読をやめることはまずないでしょう。

 わが国の二大紙として双璧をなすのは世界最大部数を誇る読売新聞ですが、実は読売の記事も好きで職場ではよく読んでます。「編集手帳」は朝日の「天声人語」をしのぐ素晴らしいコラムで、しばしばこんな文章を書いてみたいと思わせるし「人生相談」ではときにちゃちなドラマに負けない人間模様が展開され大いに楽しんでいます。しかし阪神ファンの私が読売新聞を購読することは悪魔に魂を売り渡す所業であって、金輪際ありえないと断言できます。

 その朝日新聞が窮地に追い込まれています。

 ネット上や右派から「反日的」と攻撃されながらも独自取材に基づいていわゆる従軍慰安婦問題を伝え、内外で「日本の良心」と評されてきた朝日ですが、このたび「慰安婦問題を考える」という特集を組みました。「慰安婦問題 どう伝えたか 読者の疑問に答えます」という大きな見出しを掲げ、問題提起の発端となった吉田清治なる人物の証言が虚偽であったことを紙上で正式に認め、記事を訂正しました。

IMG_2622.jpg 人であっても組織であっても間違いを犯すと信頼なくすので、誰も自分の間違いは認めたくないもんです。しかし、しょせん人間は間違うようにできてます。大切なのは間違ったあとの対応です。「やっちゃったかなぁ」と思ったときは、いかに早く間違いを認め善後策を講ずるかが大事なんです。謝るのはそのあとでもかまいません。

 世論形成に影響が大きい大新聞が間違いを認めることは、なかなかに大変なことです。それを今回やってのけたことは評価できます。しかし、しかし、あまりにも遅すぎた。

 吉田の話はどうもおかしい、ウソとちゃうか、なんてことはずっと以前から言われてきたことなんです。もちろん朝日も気がついていた。ところが朝日、証言を根拠のひとつとして長期間にわたって慰安婦に謝れの大キャンペーンを張ってしもた手前、いまさら「間違いでした」とは言えなくなってしまった。そのうちに「天下の朝日が言うのなら」ってことで虚偽がいつのまにか真実として内外に浸透していき、気が付けば「日本は人権を無視するひどい国」ということで国際世論が固まってしまいました。もっと早くに誤りを認めて訂正していれば、こんな事態に至らなかったであろうことは容易に想像できます。IMG_2623.jpg

 過去の報道で知る限り、主体や規模はさて置き慰安婦の強制連行はどうもあったらしい。これはたとえ戦争時であっても許されない人権侵害として真摯に受け止め、二度と繰り返さないという決意は当然必要です。長らく埋もれたままになっていた事実を発掘し世論にうったえ続けた朝日の姿勢はさすがやと思うし、報道機関としてあるべき姿やと評価できます。

 しかし、その過程において調子にのって間違いを犯し、その結果日本の国益を大きく損なう事態を招いてしもた。なぜ影響が少ないうちに真実に向き合って、正すべきを正さなかったのか。結果の深刻さをを考えると残念でなりません。

 何年か前に当時の東京都知事が「尖閣諸島は東京都が買うど~」なんて言い出したことから、政府が中国に配慮してこれを阻止するために国有化したところ、何故か中国が騒ぎ出してわが国にとんでもない言いがかりをつけ始めました。挑発行為を先鋭化し、防空識別圏を勝手に設定するわ、領海侵犯を繰り返すわ、もうやりたい放題です。その結果当然ながら、日韓関係同様に日中関係も国交回復以来最悪となっています。ひとりヒトラーの出来損ないみたいな男の浅はかな言動が、海洋進出とアジアの覇権を狙う共産中国に妄動の口実を与え、結果的に国益を損ないました。近年の朝日の姿勢も結果的にこれと同じ構図であって、厳しく指弾されるべきです。

 今回の朝日新聞の特集では、結論として「それでも慰安婦の強制連行はあったし、許されないこと」であるとの論調で終わってます。そうやないでしょ。朝日が読者に対して検証すべきは、その報道の過程で犯した過ちを放置したことでわが国と国民の尊厳を傷つける事態を招いたことについて、何か言うことはないのかということです。書いたものとしてその責任をどう考えているのかということなのです。

 朝日は今回、訂正はしましたが、謝罪はしていません。自らに責任はない、反省はしないという姿勢が見て取れます。これでは「読者の疑問に答え」ていません。ダメです。

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katsuhiko

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