安倍首相、辞めちゃいましたね。体調すぐれない中いろいろとしんどい課題山積でなかなか成果が出せず、コロナで止めさされたって感じですね。お疲れ様でした。ゆっくりと養生してください。安倍退陣だけを党是として政治活動を展開してきた立憲民主党の税金泥棒たちは、最後まで相手にしてもらえないうちに敵がいなくなったことで、その存在意義がますます希薄になります。この際、目的果たしたってことで全員揃って議員辞職すればいかかでしょうか。
さて、今日の話題。
戦後の頃、横浜にあったいくつかの旧制専門学校が合わさって新制大学としてスタートした際に、当時の文部省が「他にも公立大学の新設があるんで『横浜大学』って名前は遠慮してほしい」といういきさつがあって「横浜国立大学」という名称になりました。たくさんある国立大学の中で、名前に「国立」なんてついてるのはここだけです。文部省が調整して、後の禍根を除いていたわけです。
突然何のはなしかとお思いでしょうが、先週出されたある判決についてです。
学校法人瓜生山学園が設置する京都造形芸術大学が、4月から京都芸術大学に名前を変えました。これに対して京都市立芸術大が、「似てて混乱するからその名前やめて」と訴えてた裁判です。なんと大阪地裁は請求を棄却し、造形大に軍配を上げました。裁判長いわく 京都市立芸術大学の名称やその略称の京都芸大は著名でないから混乱はない、とのこと。
この判決はおかしいと思いますぜ。
京都芸大は著名ですよ。有名ですよ。京都芸大と聞けば100人中100人が京都市立芸大のことと認識してきましたよ。京都造形芸大のことは「瓜芸」とか「造形大」と言って京都芸大と明確に区分してましたよ。これは学生、大学関係者のみならず社会一般に浸透してます。「著名でない」って、裁判長あんたが知らないだけです。
世情に疎い裁判官は往々にしてとんでもないお粗末な判決を出すことがあります。このボンクラ裁判官、おそらく「もし訴え認めたら、認可した文科省の責任問題も出てくっし、ややこしいよな。却下しとこ。」ということでしょう。国政選挙のたびに起こる「一票の格差裁判」で、格差は明らかに違憲なのに「違法やけど選挙のやり直しは政府が困るから勘弁してあげる」というのと同じノリです。法と正義に基づくのではなく、判決に対する批判が、原告、被告どちらがよりめんどくさいかを基準として判決を書いてるわけです。その方が自分の保身に有利だからです。
もっとバカなのは文科省です。ここで冒頭の話につながるのですが、造形大から申請あった際に「京都芸術大学ぅ? 公立の京都市立芸大が京都芸大って略称使ってるし、ややこしいからその名前はダメ」と認めてなければ何の問題も無かったのです。横浜のときの文部省はきちんと仕事できたのに、現代では役人のレベルが下がってるとはいえ、どんなバカでもダメだと分かるこんな申請をなぜ認可しちゃったのか。
背景にはおそらく京都造形芸大の学長に元の京都大学総長が天下ってるという事情があるのでしょう。高等教育界の大物からの無理強いに官僚もイヤと言えなかったわけです。その結果がこのブサイクな争いを招いたのです。
横浜国立大と横浜市立大の際には、お互いが相手を尊重し文部省の適切な指導もあって両大学は今日の発展に至っています。それが今回、造形大は競争に仁義もへったくれもあるかとばかりに既存の大学への配慮もなく、自分勝手なゴリ押しをやったのです。これはもうね、許されるものではありません。こんなことを認めてはいけない。上級審の判断が必要です。
そいや、大学名に関しては、合併する大阪府立大学と大阪市立大学の英語名称が「University of Osaka」というのはけしからんと大阪大学(英語名称 Osaka University)が文句を言ってて、こちらも成り行きが注目されます。文科省、仕事してね。