北朝鮮許すまじ

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 拉致被害者家族会初代代表の横田滋さんの訃報が伝わりました。

 めぐみさんの帰国を待ち続け、奥様の早紀江さんとともに、救出活動に半生を捧げ、その思い叶わず旅立たれました。ご冥福をお祈りいたします。

 ごく普通の当たり前の幸せな家族に突如降りかかった悲劇。北鮮政府の凶悪な犯行、人道に対する挑戦に改めて強い怒りがこみ上げます。絶対に許せません。日本国民の一致した思いであり、その象徴的な存在となってきたのが、わずか13歳にして蛮行の毒牙にかかり連れ去られた横田めぐみさんとご両親夫妻の存在でした。

 めぐみさん事件に関して思うことは、もう16年も前になりますが、ご夫妻がモンゴルで孫のキム・ウンギョンさん(当時26歳)と面会した一件です。いっときはこれで事態が進展するのではないかと、皆思ったものです。だって、北朝鮮人として成長したとはいえ、実の孫、血を分けた家族です。ご夫妻に対して真実を話してくれるのではと期待が高まりました。孫に会いたいという一途な思いの結実として実現した面会であり、お二人にとって開口一番聞きたかったのはめぐみさんの安否であったはずです。

MEGUMI.jpg しかし、北鮮政府の洗脳は酷かった。面会はあくまで家族のプライベートな面会を人道上許可したにすぎず、ウンギョンさん本人からめぐみさんの消息を聴いたり、他の拉致被害者の情報を得ることはできなかったか、実際には聞けていてもその内容が公表されることはありませんでした。今思えば、北はウンギョンさんに対して真実が伝わらない何らかの方策を講じており、その自信があったから面会に応じたのでしょう。 

 ウンギョンさんは本当にめぐみさんの娘なのかという根本的な疑問があります。日朝両政府がもっと真摯に事態を確認しようとすれば、例えば彼女のDNDを調べるなど方法はあったのに、やってません。少なくともやったとは公表されていません。日本政府に事態を進展させる強固な意思があったならば、この時点での外交戦は正念場やったと思います。結局、北の想定内のところに落ち着き、それきりとなりました。

 小泉純一郎元総理は2回訪朝し、その結果拉致問題に一定の進展がありました。実際に仕事をしたのは外務省の官僚で、たまたまその時の首相が小泉さんやっただけなんですが、確かに拉致被害者の一部が帰国できた。しかしその後の詰めがいかにも甘かった。ここで畳みかけていれば、めぐみさんの奪還はできた。万一北政府の言うとおりすでに亡くなっているとしても、その確実な証拠を得ることも可能だったのではないか。そうすればその後の横田ご夫妻の人生にとっても、北のテロリズムの対する日本や国際社会の対応にも違った展開があったのではないかと悔やまれます。

 何の進展もないまま北の王朝は世襲され、前2代にも増して訳の分からないボンクラが独裁者の椅子に座ったことで、問題解決は遠のいてしまいました。安倍首相も常々「最優先の課題」なんて言ってるくせに、モリ・カケ・桜など自身に関わる問題の対応に忙しくて優先順位は低いまま。そして起こったコロナ禍です。いまや全国民にとっても、ややもすれば拉致問題は忘れられがちとなっています。

 拉致被害者家族の高齢化が進み、問題の解決はさらに喫緊の課題になっているのに、いたずらに時間が過ぎていってます。「北朝鮮による拉致などありえない。ねつ造である」と主張していた当時の社会党の流れをくむ立憲民主党をはじめとする野党は、いまだ北に忖度しているのか政府以上に問題に対する関心が薄く、まったく期待できません。

 しかし、絶対に忘れてはいけない。被害者全員の消息が明らかにされ無事に帰国する日まで、北鮮政府の非道を訴え続けなければなりません。

 横田滋さんの遺志を実現し、問題解決に本気でとりくんでくれるヒーローの出現を願いたいものです。

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