コロナのどさくさで

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 コロナのどさくさに紛れて検察庁法の改正が内閣委員会で採決されようとしてます。本会議でも例によって強硬採決、自公の賛成で可決成立の運びとなるでしょう。検事総長の定年や検事長など検察幹部の役職定年を、内閣が恣意的に延ばせることになります。

 検察は一見司法機関のようですが、実は行政府の一部です。でもロッキード事件で元総理をしょっぴいたこともあったように、政府とは一線を画し、政治からの独立と中立性を保ってきたのがわが国の制度であり、それは良識、正義でした。それを今回ドガチャガにして検察トップの人事権を内閣が握ったということは、内閣にとって都合のいい人が検察トップにいるあいだは「この人がいい」ということでどんどん定年を延長できるわけです。masako.jpg

 いうまでもなくトップの影響力は絶大です。政治家が凶悪な犯罪をやってて、検察が立件しようとしても、親分が「やめとけ」と言えば捜査はできません。刑事ドラマでは、上からの捜査打ち切りの命令に若い刑事が「ちくしょー!」と叫び、「署長に迷惑はかけません」と拳銃と手帳を所轄署に返してから黒幕のお屋敷に単身乗り込んでいくのがクライマックスです。しかし、実際にはそんな捜査官がいるはずもなく「やめとけ」「はい」でおしまいとなります。かくして巨悪ははびこり、われわれ善良な市民が不当に迫害されるのです。

 話が妙な方向に逸れましたが、今安倍総理と与党がやろうとしてるのは結局それと同じことで、自分たちが何やっても逮捕・起訴されないように、息のかかった検察トップを末永く君臨させるためというのが、法改正の目的なのです。

 折しも前の法務大臣が選挙違反で立件されようかという瀬戸際です。有権者の買収に使うための巨額の実弾は自民党から流れてたわけで、検察はその自民党の親分である安倍総裁を、実際に有罪となるかどうか別にして、訴追しようと思ったらできるわけです。そんなことされたらたまらんと、今回の法改正に先立って、国家公務員法の解釈変更ということで自分の息のかかった検事総長の定年延長をごり押しして決めてしまいました。法改正は、後出しの「無茶の正当化」のためであることは誰の目にも明らかです。

 与党は「検察官も公務員なんやから、定年延長も同様に扱うべき」と論点をすり替えて説明しますが、定年の延長は誰もが賛成しており問題はそこではない。検察の特殊性を考慮すれば、これまでどおり検察官の人事に関する権限を内閣に持たせることはあってはならないという話なんです。安倍総理は「人事権が内閣にあっても、内閣の恣意的な人事が行われることはない」と説明してますが、これがいかにマヌケなウソであるかは小学生でも分かります。行われることが無いなら、そもそも法律改正する必要無いやないですか。

 最近、安倍首相一強の国会において、集団的自衛権の強行採決や、その後の「モリ・カケ・桜」など、おりにふれて烏合の野党がぎゃあぎゃあ騒いできましたが、いずれも政策的に自民党の勝ちであるか、または安倍憎しで大したことない瑣事を大仰に喧伝しているにすぎないかのいずれかでした。しかし、今回の法改正は違います。安倍さん、やっちゃいかんことをやりましたよ。

 何言い出すか分からないから隠しておいたポンコツ法務大臣がようやく出席した衆院内閣委員会で、壊れたレコードみたいに意味のない日本語を繰り返す答弁を聞いてて良心が痛まないとしたら、与党議員たちは人として問題があります。公明党もいったい何やってるんですか。改正案賛成と引き換えに何を貰ったんですか。与党内の良識の見せ所ですよ。

 しかし、それでも次の選挙では安倍自民党が勝つのです。多少議席を減らしても政権は揺るぎもしません。つまりは野党がふがいないわけです。今回も、質問に立った野党議員は「大勢の芸能人がツイッターで反対してる」なんて、まるで親に言い訳する小学生みたい。誰が反対してるからではなく、改正案の本質的におかしい点を徹底追及するべきです。朝日はじめ反政府系メディアも程度の差こそあれ同じ論調です。実に情けない。これでは自民党の思うがままの政治がこれからも続いていくことでしょう。

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katsuhiko

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