2020年5月アーカイブ

黄色いペンキ再び

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 どんよりと雨模様の日曜日の朝です。もう降り出してるかも知れません。九州南部が梅雨入りしたとか。コロナ禍の最中にあっても自然は着実にその営みを粛々と進めていきます。今回のコロナ騒動、原発事故と同様に、意図的ではなかったとしても人間が引き起こした災厄であることは確かであって、自然に歯向かう人類の愚かさを感じてしまいます。しかし、起こしたのが人間であるならば、その収束もまた人間によって達成できることは確かであって、そこは人類の叡智に期待しましょう。

 さて、ふと気づけば昨今このブログ毎週のエントリーは、お出かけやイベント参加の記録がめっきり減ってしまいました。コロナの自粛期間が続いてて、当然ちゃ当然なんですが淋しい話です。今日も前回エントリーの話の続きになってしまいます。

 賭け麻雀がバレて検事長の座を追われた黒川某ですが、退職金が規定通り支給されたということで、社会のざわつきは収まりそうもありません。安倍首相が「訓告処分で減額された」と言ったことから、なるほどと思ったのもつかの間、なんのことはない、定年退職と比べて額が少ないというだけことで、ペナルティで減額されたのでも何でもないということが露見しました。辞任に追い込まれて晩節を汚し、定年退職ではなく自己都合退職となったことによる、ルールどおりの処遇に過ぎなかったわけです。

 「訓告」は懲戒処分ですらありません。つまり、まったくのおとがめなしです。これでまたぞろ批判が噴出してます。そらそうですわね。

 そもそも、悪い奴らを捕まえるわが国の検察機構のトップに近い立場にある人物が常習賭博罪という刑法上の犯罪を犯したのです。逮捕・起訴されないのはどう考えてもおかしい。そう考える国民は多い、というかほぼ大多数ではないでしょうか。

 多分、あちこちから告発する動きが拡がるやろなと思ってたら、案の定そうなりました。弁護士さんや市民団体などが、わらわらと告発状を検察に出し始めました。penki.jpg

 告発とは「こんな悪い奴がいます。捕まえて懲らしめてください」とお上に訴える手続きで、誰でもできます。まったく利害関係が無い人や団体であってもOK。

 思い出すのはバブルの頃、東京佐川急便事件で5億円のヤミ献金を受け取った自民党の金丸信という政治家が、逮捕も起訴もされず略式起訴でたった20万円の罰金刑で済まされたことがありました。今は無き「日債銀のワリシン」という形で不正蓄財し、のちに脱税でも逮捕起訴されました。いったいどこの発展途上国の話かと見まごう、政治家による醜い犯罪でしたが、このときにも全国から告発状が東京地検に何百件も殺到したと記憶しています。きわめつけが、検察の不作為に抗議するため、検察庁の銘板に黄色いペンキがかけられました。やった人はキッチリ逮捕され、検察は大きく国民の信頼を失くしました。悪が栄えることは、誰も納得できません。

 点ピンのレートなら賭け麻雀も罪にはならないことを実証してくれた黒川を顕彰するため、「黒川記念レート麻雀大会」の開催も画策されてるとか。検察庁の建物前でやろうと呼び掛けてます。ホントにやれば道交法で検挙されることになりますが、じゃあネット上でやって中継すればいい、など盛り上がりを見せてます。

 地検特捜部といえば、かつては、ロッキード事件で脚光を浴びたように時の政府や巨大権力にもまったく容赦せず、敢然と立ち向かう正義の味方、ヒーローであったのです。それが例の「郵便不正冤罪事件」で大きくその名を汚し、国民の信頼回復もまだまだ道半ばかとういう中で起こった今回の不祥事。検察という組織がかつてのように国民の負託を担うに足る資格があるか、はたまた再びペンキをぶっかけられることになるのか。今後の展開に注目したいと思います。

 先週のエントリーで、検察庁法の改正法案、本会議で可決成立の運びとなるでしょうと書きましたが、今国会では審議見送りとなりました。予想は外れましたが、ことはあらぬ方向へと進みました。誰がこんな面白い展開を予想できたでしょうか。事実は小説よりも格段に面白い。

 なんと渦中の黒川検事長が、あろうことかコロナの自粛期間中に産経記者、朝日新聞社員と賭けマージャンやってたという文春砲が炸裂したのです。コロナウイルスを吹き飛ばす勢いの轟轟たる非難の嵐が列島を席巻し検事長はあっという間に辞職しました。せっかく安倍首相たちが法を曲げてまで定年延長の画策したのに、パァになりました。なにやってんだか。

 法案見送りは、自民党にしてみたらちょっとやりすぎた感が募り、世論の反応見極めて無理しなくてもいいと判断したんでしょう。

 やはり改正の内容に相当無理があったということです。官邸が自信をもった法案なら、誰が反対しようがマスコミがどれだけ騒ごうが強行したはずです。集団的自衛権の安保法制の際の強行採決と比べると明らかです。あのときは安倍首相、日本の国益に叶う正しい施策であるという自信があったので、反政府勢力がいくら騒ごうが国会にデモ(主催者発表・朝日新聞報道12万人、実は3万人規模)をかけようが信念に基づき突き進めた。ところが今回は自分でも「ちょっとやばいよなあ」と思ってたわけです。

PAK25_shi-pai-1024x683.jpg 検察OBからの反対表明が一番効いたと思います。よくわかってない芸能人がなんとなくトレンドに乗って反対をツイートしたところで気にする必要はありませんが、法律の専門家であり、今回の改正で恩恵を被ったであろう検察の当事者からハシゴをはずされたかたちで、これはもうどうしようもない。哀れ白旗を上げることになりました。

 一方、じゃあ野党の勝ちかというとそうでもない。審議先送りとしたことで、一括付議としていた国家公務員の定年延長も同様に先送りとなりました。これは、自治労や日教組を支持団体にもつ立憲民主党にしてみると痛し痒しの事態です。

 労組「おい、一括審議になってる公務員の定年延長の方、大丈夫やろな」
 立憲「だいじょぶ、だいじょぶ、どうせ強行採決で可決されるし。
    とりあえず反対する、いつものパフォーマンスっす。」
 自公「審議先送り。定年延長も白紙」
 労組「枝野、どないすんねん!」
 立憲「・・・」 (今ここ)

 まあ、今の野党なんてこんなもんです。あとさき考えずとりあえず追及、攻撃してたらいつの間にか自分に跳ね返ってくる。蓮舫議員の頭に刺さった多くのブーメランが象徴してます。枝野代表、今になって「一括審議反対」を訴えてますが、そんなのはじめから分かってたことなのにね。

 それよりも、黒川ですわ。賭け麻雀、一度だけではないみたいで、常習賭博罪成立ということになります。もちろん、その夜のレート「点ピン」つまり千点100円、ハコテンで3千円は、世間広く行われてるお遊びレートではあります。これで摘発されたなんて話は聞いたことがありません。しかし、時と場合とやった人を考えると立件はありえます。ウソでもいちおう刑法典には「3年以下の懲役に処す」と書いてあるんやから。さらに、アゴ足つきで接待されたんなら、贈収賄罪でも告発できますよ。

 検察といえば、警察が捕まえた悪いやつらを裁判やって懲らしめるかどうかを決める正義の味方、法の番人です。その組織の重職にある人物が自ら犯罪に手を染めてたということで、いわば泥棒が警官やってたようなもんです。これはもうね、シャレになりません。

 野党は公務員定年延長の失敗で怒り狂い、ここぞと攻勢を強めてきます。単なる訓告処分で辞任して円満退職、退職金も満額受給では、世間も納得するとは思えません。さて。

 コロナのどさくさに紛れて検察庁法の改正が内閣委員会で採決されようとしてます。本会議でも例によって強硬採決、自公の賛成で可決成立の運びとなるでしょう。検事総長の定年や検事長など検察幹部の役職定年を、内閣が恣意的に延ばせることになります。

 検察は一見司法機関のようですが、実は行政府の一部です。でもロッキード事件で元総理をしょっぴいたこともあったように、政府とは一線を画し、政治からの独立と中立性を保ってきたのがわが国の制度であり、それは良識、正義でした。それを今回ドガチャガにして検察トップの人事権を内閣が握ったということは、内閣にとって都合のいい人が検察トップにいるあいだは「この人がいい」ということでどんどん定年を延長できるわけです。masako.jpg

 いうまでもなくトップの影響力は絶大です。政治家が凶悪な犯罪をやってて、検察が立件しようとしても、親分が「やめとけ」と言えば捜査はできません。刑事ドラマでは、上からの捜査打ち切りの命令に若い刑事が「ちくしょー!」と叫び、「署長に迷惑はかけません」と拳銃と手帳を所轄署に返してから黒幕のお屋敷に単身乗り込んでいくのがクライマックスです。しかし、実際にはそんな捜査官がいるはずもなく「やめとけ」「はい」でおしまいとなります。かくして巨悪ははびこり、われわれ善良な市民が不当に迫害されるのです。

 話が妙な方向に逸れましたが、今安倍総理と与党がやろうとしてるのは結局それと同じことで、自分たちが何やっても逮捕・起訴されないように、息のかかった検察トップを末永く君臨させるためというのが、法改正の目的なのです。

 折しも前の法務大臣が選挙違反で立件されようかという瀬戸際です。有権者の買収に使うための巨額の実弾は自民党から流れてたわけで、検察はその自民党の親分である安倍総裁を、実際に有罪となるかどうか別にして、訴追しようと思ったらできるわけです。そんなことされたらたまらんと、今回の法改正に先立って、国家公務員法の解釈変更ということで自分の息のかかった検事総長の定年延長をごり押しして決めてしまいました。法改正は、後出しの「無茶の正当化」のためであることは誰の目にも明らかです。

 与党は「検察官も公務員なんやから、定年延長も同様に扱うべき」と論点をすり替えて説明しますが、定年の延長は誰もが賛成しており問題はそこではない。検察の特殊性を考慮すれば、これまでどおり検察官の人事に関する権限を内閣に持たせることはあってはならないという話なんです。安倍総理は「人事権が内閣にあっても、内閣の恣意的な人事が行われることはない」と説明してますが、これがいかにマヌケなウソであるかは小学生でも分かります。行われることが無いなら、そもそも法律改正する必要無いやないですか。

 最近、安倍首相一強の国会において、集団的自衛権の強行採決や、その後の「モリ・カケ・桜」など、おりにふれて烏合の野党がぎゃあぎゃあ騒いできましたが、いずれも政策的に自民党の勝ちであるか、または安倍憎しで大したことない瑣事を大仰に喧伝しているにすぎないかのいずれかでした。しかし、今回の法改正は違います。安倍さん、やっちゃいかんことをやりましたよ。

 何言い出すか分からないから隠しておいたポンコツ法務大臣がようやく出席した衆院内閣委員会で、壊れたレコードみたいに意味のない日本語を繰り返す答弁を聞いてて良心が痛まないとしたら、与党議員たちは人として問題があります。公明党もいったい何やってるんですか。改正案賛成と引き換えに何を貰ったんですか。与党内の良識の見せ所ですよ。

 しかし、それでも次の選挙では安倍自民党が勝つのです。多少議席を減らしても政権は揺るぎもしません。つまりは野党がふがいないわけです。今回も、質問に立った野党議員は「大勢の芸能人がツイッターで反対してる」なんて、まるで親に言い訳する小学生みたい。誰が反対してるからではなく、改正案の本質的におかしい点を徹底追及するべきです。朝日はじめ反政府系メディアも程度の差こそあれ同じ論調です。実に情けない。これでは自民党の思うがままの政治がこれからも続いていくことでしょう。

コロナに勝てず

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 雨模様の日曜日の朝、巣ごもりの週末も何回目になるでしょうか。昨日は嬉しいことがありました。親しい友人がマスクをど~んとお裾分けしてくれたのです。100枚!持つべきものはよい友人であります。

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 ネットで1箱3,000円で買ったストックと合わせて、秋風が吹くころまではもちそうです。きっとそのころには、もっと簡単に手に入るようになってるでしょう。従ってわが家では、いつ来るとも知れない粗悪と噂されてるアベノマスクはもはや必要ありません。

 東京都民以外はまだ誰一人手にしていないアベノマスク。今考えてみると、このマスクのメリットは「可能な限り早く手に入る」ということ以外に無かったと記憶してます。ところが、まだ大多数の国民に届いておらず、届いても虫やゴミが入ってたり汚れてたりと散々な品質である旨伝わってます。製造と物流が整って、マスクはそろそろ出回るかもとも言われてて、だったらアベノマスクいったいなんやったんやという話です。10万円の定額給付金は辞退もできるそうですが、アベノマスクも今、「いらない」と言えたらいったいどれくらいのストックを国が抱えることになるでしょうか。結局、政府の息がかかったマスク製造業者だけがウハウハ儲けた税金の無駄遣いに終わりました。安倍さん、これは議論の余地なく失敗でしたね。言い出したマヌケな官僚が誰だか知りませんが、北朝鮮なら処刑されてるとこです。

 さて、昨日の朝日新聞の朝刊、衝撃のニュースです。

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 ビッグコミック連載中のさいとう・たかを「ゴルゴ13」が、当分の間休載するとのことです。作画の作業場が密の状態で危険と判断したとか。なんと、コロナ禍はこんなところにまで及んでいるとは。日本のコミック界に燦然と君臨する大御所といえど、自然の気まぐれによる圧倒的な脅威には勝てず。しかたないというところです。

 スタッフ分業のプロダクション方式で作品を生み出す手法を最初に確立した劇画家といわれています。組織力でもって作風の重厚な雰囲気を支えてきたのに、その形態ゆえに活動を断念せざるを得なくなったとはなんとも残念ではあります。

 ゴルゴは大変好きなコミックであることは何回か書きました。ビッグコミックを買わなくなったので、連載をタイムリーに読むことはなくなりましたが、別冊の特集は今でも買ってますので、すべての作品を読み続けてます。

 さいとう氏もすでにして83歳なんやとか。これがきっかけになって連載が終わるなんてことにならないように祈りたいと思います。

 ところで、朝刊のこの記事と同じ面に、国会議員の歳費削減の記事が出てました。こないだのエントリーで日本の国会議員は給料が高すぎるという考察をしたこともあって、注目しましました。 

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「歳費の2割削減」と聞いたので当然年間支給額の2割と思ってたところ実はそうではなくて、月額報酬の2割だそうで、ボーナスに相当する期末手当は除外なんやとか。第2の歳費ともいわれる文書通信交通費その他非課税の経費などももちろん対象外。もろもろ合わせて4,000万円ほどといわれている実際の年収のうちの、今回返上するのは300万円ほどやそうです。7%ちょっと。月給50万円のサラリーマンに換算すると月々3万5千円といったところです。返上というにはあまりに少なすぎます。

 朝日もこの点ネットなどでは風当たりが強いと書いてて、さらには結局、金額の問題ではなくて、議員と国民の信頼が失われてる現状があり、このことがせっかく返上してるのにかえって批判につながっている、と分析しています。

 確かにそのとおりです。普段から国民に「一生懸命やってるな」と評価されていれば、たとえコロナで苦しんでても誰が「給料返せ」なんて言いますかいな。信頼なんてこっから先もありません。次の選挙までにどーんと「歳費半減、経費撤廃」を決めてほしいもんです。本当に国民のために汗をかいてくれる人を国会に送るために。

コロナと9月入学

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 G.W.後半の5連休ですが、外出自粛のお達しの中、どこも閑散とした異様な情景を連日TVニュースが伝えています。5日間も続けてどこにも行かずおうちで巣ごもりなんて、今世紀ついぞ記憶がありません。部屋を片づけて掃除して、音楽聞きながら本を読んで、そして昼間からお酒を飲んでまったりと過ごしています。長い人生、こんなことがあってもいい。昨日は早速、例の定額給付金わが家2人分の申請をネットで済ませましたが、振込先をこっそりわたしのヘソクリ口座にしようとしたところが奥さんにバレてしもて鉄拳制裁を喰らったりと、特異な大型連休にあっても相変わらずのわが家の情景です。

 さて、オーバーシュートってサッカーの話かと思ったら、感染の爆発的発生のことを指すそうで、他にもクラスターだのロックダウンだのレムデシビルだの、新しい単語が次々と市民権を得てくる昨今、緊急事態というよりも明らかに異常事態下にあって、もう毎度ブログもいきおいコロナ関連の話ばっかりになります。virus_corona.png

 緊急事態宣言、予想通り5月6日からひと月ばかり延びるみたいです。当然、学校の再開も先送りになります。卒業して進学したのに、また、進級して新学期始まったのに未だ教室で授業が行われてません。もうね、日本の歴史開闢以来の異常事態にして国家百年の計である教育の危機です。で、ここにきて「学校の9月入学」が取りざたされ始めました。

 いま授業やってなくて、オンライン授業も環境によってばらばらで差があるしきちんと勉強できてないからこの際、この5カ月間は無かったことにして9月からいっせーのーで、もいちどスタートしたら公平やんか、せやせや、そうしよー!という話です。

 一見、なるほどと思います。何年か前に東京大学が、わが国の科学技術競争力の強化ためのグローバル化を目指して9月入学に移行しようとしたところ、いろんな方面から反対されて失敗したことがありました。今のコロナ騒ぎに乗じてやったらできるんやないかというわけです。

 しかし、結論言ってしまえば、今やるべきではありません。9月入学問題は、必要性、メリット・デメリットの検証、影響のシミュレート、各方面の意見、意識を検証し、徹底的に慎重に議論して見極めたうえで、綿密に計画してやる必要があり、こんなどさくさに紛れて決めてしまうべきことではないのです。

 これまで言われてきた9月入学導入の理由は、多くの国が9月入学だからグローバル視点から日本もそれに合わせるべきという、この一点に尽きます。世界中4月入学なら全く議論の余地はなかった。日本の学校を卒業して留学しようとしても欧米の留学先は9月にならないと始まらない。半年損してまうやんかというわけです。しかし。

nyugakusiki.jpg 日本から毎年約10万人が海外に留学していますが、その多くは大学や高校在学中に短期でちょっと出かけてくるケースです。大学を卒業してさあ外国の大学に入学して卒業まで勉強しよう、というケースが果たして何人いるのかって話です。詳しい統計を知りませんが、感覚的には1~2万人程度ではないかと思います。同世代人口の約100人にひとりです。

 このひとりのために日本中の学校の入学を9月に移す必要があるのか、はなはだ疑問です。もし「来年からやろっか」程度のノリで簡単にできる話ならすぐにやればいい。

 しかし、実際には簡単ではありません。やるとなると明治以来150年間わが国の人材育成に連綿と貢献してきた伝統の一端を破壊するとともに、春は出会いと別れの季節という日本人の琴線に根付いた習慣を打ち捨てることになります。100人のうちのひとりのために。

 教育は社会人を育てるために行うものです。学校教育を終えた人材を受け入れる企業、社会のサイクルが春からスタートするのに、前年の夏に課程を終わってしまうと社会との接続に齟齬が生じます。100人のうちのひとりのために。

 作業も大変ですよ。学校教育法の改正、企業の会計年度をはじめとする社会のサイクルの方を変えるってのなら、会社法はじめとする膨大な数の関連法令の改正が必要です。100人のうちのひとりのために。

 それだけのメリットがあるという確信があるならば、官僚たちがしっかり準備して国民のコンセンサスを得た上で、国会の審議を経て、もちろん何年間か経過措置期間を十分にとってやるというのであれば、反対しません。たとえ100人のうちのひとりにでもメリットがあるのだから。しかし、今、このコロナのどさくさで突貫的にやることでは断じてないと言いたいわけです。

 安倍さん「前広に検討します」なんて言っちゃいましたが、これはコロナで頭ん中いっぱいの今、反対する理由をいちいち説明するのがめんどくさいからであって、本気でやるつもりなんかこれっぽっちもありませんよ。検討するって言っても官僚か審議会にやらせればいいんであって、自分の仕事は増えませんから。

WELCOME

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PROFILE

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katsuhiko

男 

血はO型

奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

生まれてから約半世紀たちました。

お休みの日は、野山を歩くことがあります。

雨の日と夜中はクラシック音楽聴いてます。

カラオケはアニソンから軍歌まで1000曲以上歌えます

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