2020年1月アーカイブ

ヤジの行方

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 国会が始まりました。補正予算、憲法改正、自衛隊派遣、IRなど問題が山積、しっかり議論してほしい。野党は相変わらず「桜」を最重要課題と位置付けてるようです。さすがに「モリ・カケ」はもうダメだと悟ったようですが、国民と同じ目線とは到底思えません。

 そんな今国会の序盤戦で、ある「ヤジ」が注目されてます。

 国民民主党の議員が代表質問に立ち、選択的夫婦別姓に関する質問を行った際に、自民党議員から「それなら結婚しなくていい」とヤジがあったと。野党は色めき立ち、誰が言ったと大騒ぎし、マスコミもこのイベントに乗っかって連日犯人捜しと容疑者の追及を続けてます。

 なんかおかしい。

kokkai.jpg 選択的夫婦別性は、近年議論が進んできた賛成、反対それぞれの立場で主張が対立している、ホットで難しい課題です。このブログでもやや主旨が違いますが書いたことがあります。

 世界中で夫婦同姓を法律で規定して別姓を認めていない国は日本だけです。別姓の実現は、ジェンダーフリーと女性活躍社会の実現に向けて肯定的に世論が形成されてきました。それに対抗する保守勢力のよりどころは、日本の伝統的家族制度の堅持のみです。現時点では最高裁も夫婦別姓合憲判断をしていますが、その理由は「旧姓使用も広まってっし...」というあやふやなもので、一方で下級審が旧姓使用を認めない判決出したりと、司法判断も迷走気味です。

 さらに、完全別姓とするのではなく選択制にすることで、同姓でいい人はこれまでどおり同姓にすることも可能なんやから不利益、不都合は無いとする主張はかなり正鵠を射ています。選択的夫婦別姓はいずれ実現すると、わたしも思います。

 しかし、多くの保守的な国民が「夫婦は同姓。これはこれまでどおり法律できっちり規定すべき」と考えていることも厳然たる事実であって、この意見を強制的に封じ込めることはするべきではありません。

 今回のヤジ問題でわたしが「おかしい」というのは、このヤジだけがことさらに糾弾されているからです。本会議では他の与野党多くの議員が、下品にもいろんなヤジを飛ばしています。ところがこれまで、膨大なヤジのひとつひとつについて、誰が言ったなんて犯人捜しはいちいちやってません。マスコミが今回のヤジだけ取り上げるのはなぜですか。ヤジの内容によって差別されるんですか。言っていいヤジと悪いヤジがあるということですか。「夫婦同姓が嫌なら結婚するな」という意見があってもええやないですか。私はこんな考え方にはくみしませんが、そういう意見を主張する権利は尊重されるべきやということです。

 さらに言えば、そもそもヤジは慎むべきです。国会本会議でのヤジはこれまでもいろいろと批判されてきましたが、一向に減りません。ヤジは憲法が保障する言論の自由の範囲には含まれません。むしろ言論の自由を妨害する唾棄すべき卑劣な行為であって、単なる言葉の暴力なのです。

 よとうの人もやとうの人も、かいぎ場では、もっとおぎょうぎよくしなければだめですよ。

下巻の悲劇

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 昨日、今日と大学入試センター試験が行われています。来年から「大学入学共通テスト」に移行するため、この制度の試験は今年が最後です。幸いにして今日はいいお天気になりました。いろいろと批判もありますが、大学入試はいくつかある人生の関門のひとつであることは歴然とした現実です。受験生の皆さんは悔いの残らないように最大限の力を発揮してほしいと思います。

 さて、前にも書いたことがあるように思いますがわたしは、文庫や新書をみさかいなくホイホイ買ってしまうほうで、出張なんかの際にも時間があれば駅や街の本屋さんに入って、ぶらぶらしてるうちに衝動買いしてしまうことがよくあります。

 先日、新大阪駅で新幹線の待ち時間に書店に入ったところ、まだ読んでないミステリーがあったので、つい手に取ってレジに持ってったところ、店員さんが「下巻でよろしいんですね」と。

 「え、下巻?ちょ、ちょっと待って。」

 本があったところに戻ってみると、上下巻並んで平積みされてた上巻の上に違う本が置きっぱにされてたのです。そいでわたしは1冊完結と勘違いしたと。よくみれば表紙タイトルの下に「下巻」て書いてあったのに見落としてました。

 この際、レジの店員さんのひとことで事なきを得たわけです。

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 思い出すのは、もう30年も前になりますかなあ、シドニィ・シェルダンの超訳シリーズの小説を買ったときのこと、上下巻買うべきところ、間違えて下巻を2冊買ってしまったという事件がありました。間違えたとしても、上巻を2冊ならまだ読み始めることができます。しかし「両方とも下巻」は最悪です。

 「レジの人、言ってよお、普通わかるやろ」と、みずからの不注意を棚に上げて愚痴ってみてもあとの祭りです。レシート持って交換に行く手間と時間を考えたら、最寄りの書店で買い直した方がいいと判断したことを覚えてます。書架には上巻1冊と下巻が2冊、いまだに鎮座しています。

 客が意図とは違う買い物をしようとしている可能性がある場合、売る側は念入りに確認すべきです。ほんの少しの気遣いで顧客満足は高まり、店は後のクレーム対応を避けることができます。電器量販店などではこの点、徹底されてます。

 似た話で先日友人が、ネット通販で2019年版の手帳を買ってしもたと泣き叫んでました。ポチった際の本人の不注意なんで、しかたないっちゃない。けど、今年になってから買ったということで、これはもう、そもそも売ってはいけない商品ではなかったかとも思います。

 ひょっとして勘違い購入を意図して、あえて売れ残りを出品してたのでしょうか。だとしたら悪質。

コンビニ哀歌

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 朝からどんより雨模様です。お正月明けて昨日までフル回転やったんで、今日、明日はどこにも出かけず休養するんで、ちょうどいいです。外出する日に晴れるようにとっておいてください。

 さて、某セブン-イレブンのオーナーが本社から契約解除されて、地位確認の仮処分申請を行うとニュースになってます。

 このオーナー、以前セブン本社の許可なく時短営業を始めたところ、高額な違約金が発生すると告げられたことを公表して社会問題化しました。おりしも多くのコンビニオーナーの過重労働が叫ばれる中、さらに働き方改革の時流に乗ってオーナーの肩を持つ世論が形成されていきました。そして今回、セブンの本社から「客からのクレームが多い」という理由で契約解除されたのです。

 クレームが多い店なんてほかにもあるやろに本社がいきなり契約打ち切ったホントの理由は多分、本社の言うこと聞かずに勝手なことやってるからやろと思います。

 時短営業を求めた件でコンビニオーナーの過重労働がことさらに注目され、当初世間はオーナーに同情的でセブン本社が悪者にされてた感があります。しかし、少し考えてみればセブン社は何ら法律違反していないし、粛々と契約に基づいて事業を進めてきたのです。オーナーは当初から条件について合意の上やったわけで、嫌になったなら自分が退場すれば済むだけの話です。

seven.jpg それを、契約内容に不満があるからといって、それを無視して自分の要求に従うよう相手に迫る今回のオーナーの行動は、法治国家日本の契約社会にあっては無茶な訴えです。

 中央労働委員会は昨年、セブン-イレブン・ジャパンとファミリーマート本部が団体交渉に応じるように求めたオーナーたちの救済申し立てを却下しました。この決定で「オーナーは労働組合法上の労働者に当たらない」としており、労働者側に有利な判断をする傾向が強い労働委員会が、そもそもオーナーは賃金労働者ではなくて事業者だと判断したのです。過重労働の排除が叫ばれる世情に乗ることで、立場の弱い側が無茶な振る舞いをしても許容される、世論も裁判所も自分の見方と勘違いしたのです。おそらく今回の仮処分申請も認められることはないでしょう。

 ただし、今回の件で本社のオーナーに対する要求が厳しすぎるのではないかという疑問が炙り出されたことは確かです。立場が弱いオーナーに対して「いやならやめたら。代わりはいくらでもいる」という姿勢に批判が集まったことは、セブン社のみならずコンビニ各社としても教訓としてほしいところです。

 フランチャイズ契約は、本部にロイヤリティーを納めなければなりません。収益の何パーセント、というところが多いみたいです。これはなかなか厳しい。しかし、手っ取り早く店舗のオーナーになりたい起業家にとっては便利な制度です。有名ブランドを自由に名乗れて経営のノウハウも指導して貰える。宣伝費はタダ。仕入先の開発、確保も不要。アルバイト店員の調達さえうまくいけば、あとは売り上げが伸びれば伸びただけ収入アップです。誰だってやってみたくなりますよ。

 コンビニやカフェ、ハンバーガーショップ、クリーニング店、不動産屋、学習塾など、多くの商店等がフランチャイズ方式で事業を展開しています。こんな仕組みを知らなかった子供の頃は、単に大きなお店が次々と支店を出しているものと思ってました。

 フランチャイズ界は「5年後生存率70%」と言われてるそうです。そいや、こないだまであったコンビニが突然コイン駐車場に、なんてこともよくあります。最近ではわたしのような素人目にも「こんな場所でやってけるんかいな」と思ってたら、案の上しばらくたって無くなってたことも何度かありました。

 一国一城の主になることは魅力的ではありますが、好事魔多し。起業は大胆かつ繊細な計画のもとに行い、なお敏感な嗅覚と地道な努力が必要です。

 結論、わたしには無理です(笑)。

ノーサイド

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 あけましておめでとうございます。

 さあ、令和2年のスタート。今年はなんといっても東京オリンピックイヤーです。1964年、前回の東京五輪が高度経済成長の象徴となったように、今回の大会もぜひとも日本再浮上のきっかけとなることを願ってやみません。かつて世界中を席巻したライジング・サン日本よふたたびの思いが募ります。

 ところが、出鼻をくじくように今年はカルロス・ゴーンのトンズラ劇から始まってしまいました。まったく、入管も検察もいったい何をやっているのか。スパイ天国といわれて久しい日本ですが、これではさらに世界中からなめられてしまいます。しっかりと落とし前つけてほしいもんです。

 そんな中、お正月恒例全国高校ラグビー大会の熱戦が花園ラグビー場で続いています。わたしも年末から欠かさず観戦に出かけています。こちらはゴーンの恥知らずでうす汚い振る舞いとは対極をなす、実に爽やかな青春賛歌でもって一戦一戦感動のドラマが生まれています。大阪勢3校のうち2校が姿を消しましたが、常翔学園いよいよ明日は準決勝、ここまできたからには頂点を極めてほしいものです。

 準決勝対戦相手は、ふるさと奈良県代表の御所実業高校。強豪です。かつてラグビーの奈良県代表といえば天理高校の独壇場でした。6回も全国制覇しています。かのユーミンの名曲"ノーサイド"は1984年、花園での天理高校対大分舞鶴高校の決勝戦をモチーフにして誕生したことは有名な話です。試合終了直前に大分舞鶴がトライを決め2点差にしたものの、コンバージョンキックがはずれて同点両校優勝を逃しました。伝説の名勝負として今に語りつがれてます。その天理高校を凌駕し、近年は御所実業高校が名監督の指導により頭角を現し全国的な強豪に成長したのです。20190104.jpg

 この「ノーサイド」の精神は昨年のラグビーワールドカップで日本に大きく浸透したのではないかと思います。ラグビーの競技場では野球やサッカーのようにサポーター応援席の区分がありません。どちらのチームの選手に対しても等しく健闘を称え、試合終了時には一つになるという、他の競技にはないラグビーならではの至高のスポーツマンシップです。高校ラグビーも学校の課外活動であるからには教育の一環なんやから、この際ノーサイド精神をリスペクトし、いっそ応援団も入り乱れて観戦したらどうでしょ。ムリか。

 熱戦が期待されますが、わたしは新春互例会に参加するため明日日曜日から仕事はじめとなり、残念ながら観戦できません。きっと試合が行われている間は気が気でなく、仕事はうわの空となることでしょう。

 そんなこんな、ばたばたと始まった今年ではありますが、皆様、どうか今年もよろしくお願いをいたします。

WELCOME

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PROFILE

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katsuhiko

男 

血はO型

奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

生まれてから約半世紀たちました。

お休みの日は、野山を歩くことがあります。

雨の日と夜中はクラシック音楽聴いてます。

カラオケはアニソンから軍歌まで1000曲以上歌えます

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