2019年7月アーカイブ

ドタバタ喜劇

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 梅雨が明けたと思ったら突然台風が発生して上陸しました。被害が少なかったのはなによりですが、南海上から連れてきた湿気が居座り屋外は猛烈な蒸し暑さとなってます。きのう仕事で帰宅が遅くなったこともあり、今日は自宅で休養日といたします。

 さて、「ドタバタ喜劇」といえば、かつてはチャーリー・チャップリンやバスター・キートンなど無声映画時代の活劇的喜劇映画のことを言ってましたが、昨今は端的に吉本新喜劇のことを指す傾向があります。

 現代ほど娯楽の選択肢が多くなかったわれわれ世代の幼少時代、週末のテレビの定番が吉本新喜劇で、関西(といっても山間部の田舎ですが)ということもありもの心付いた頃から親しんでました。岡八郎、花紀京、原哲男、船場太郎、平参平、桑原和男、山田スミ子...そうそうたる顔ぶれで今思うとまさに黄金時代でした。かたや藤山寛美率いる松竹新喜劇とのデッドヒートで大阪の芸能界をけん引してました。tetsuo.jpg

 松竹が寛美さんの演技力と人情劇が持ち味やったのに対して「コテコテ」が吉本の代名詞で、これは現代でも変わることがない。大阪人の気質を研ぎ澄まし濃縮して抽出した「ボケとつっこみ」がその身上で、人間が本能的に反射する笑いの中枢に的確に打撃を加える手法を極めています。単なるナンセンスを超越したワンパターンのネタを連発し、ばかばかしさも次元を超えると素直に笑えるという開き直りが「コテコテ」の醍醐味です。安心して観てられるところが、長く愛され成長を続けてきた理由の一つでしょう。今では喜劇のみならず漫才、コントを中心に多くの芸人を抱え、テレビ、ラジオでタレント業をこなす芸人を多く輩出してます。傘下に6,000人抱えているといいますから、芸能事務所としてもわが国の中心的存在を占めるに至ってます。

 そんな吉本が揺れてます。なんだか、社長が記者会見して1年間報酬を半額に減らされるとか。それでも許してもらえず、社長辞めろとか追及されてるらしい。いったい何があったのか。

 一連の闇営業問題で、複数のお笑い芸人が会社に内緒で振り込み詐欺の悪党集団の宴会に出演し、ギャラを得たのに「貰ってない」とウソついてたことがばれたと。普通ならここで当の芸人が会社クビになって謝罪会見して、会社も「かかえてる芸人たち、しっかり綱紀粛正します」と発表してチョンです。しかしそうはならなかった。

 問題の芸人が、会見して謝らせてくれと会社に頼んだときに、「会見をやったら全員クビな」とパワハラを受けた、というのが芸人たちの言い分やそうです。そして結局会見やってそれを訴えたところ、なぜか社会の非難の矛先が反社会的勢力と関わった芸人から会社の体質へと変わってきました。そして、所属の芸人たちが一斉に「悪いのはうちの経営陣」と声を上げ、有力芸人が口をきいた形で社長が会見したらまあこれがまったくグダグダで、火に油を注いだ体になってしまいました。oka.jpg

 いちばん悪いのは問題の発端となった芸人たちで、いまさら何を言っても言い訳に過ぎません。とっとと引退して次の仕事を探すべきでしょう。それが、なぜか会社を攻撃しはじめてメディアの主張もそれに同調していきます。「経営陣が退陣しなければ吉本辞める!」なんて、辞めても自分は大して痛くもない大物芸人が現れて会社に圧力をかけ始めました。どうもおかしい。

 確かにパワハラは悪い。あってはいけないことです。しかし、芸人の今回の会見はそれをあげつらう場ではなかったはず。これはおかしい。

 パワハラはある意味被害者の言いたい放題の部分があります。社長から同様のパワハラ被害を受けていた芸人たちはおそらく他にもいたのでしょう。彼ら彼女らは組織力に抗えず沈黙を続けてるけど、辞めると決めた連中はもう怖いもの無し。言いたいことを全部言ってやる、という構図です。

 結局、はじめの闇営業に対する非難はどっかに行ってしまって、発端となった芸人たちはクビも免れそうな様子です。やっぱりおかしい。

 結局は、吉本興業という会社の危機管理意識がお粗末でした、と総括されることになります。管理のヘボさという点で、まさにコテコテのドタバタ喜劇でした。闇営業を禁止するのもいいですが、今後、いろんな意味で芸人のシツケをしっかりとやっていってくださいな。

Tポイントと色彩雫

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 今日は参議院議員選挙の投票日です。ブログの更新を終えたら早速投票に出かけることとします。

 自民・公明の与党優位は揺るぎなく、勝敗の見えた盛り上がりに欠ける戦いではありますが、改憲勢力が発議可能な3分の2の議席を獲得できるかという点にひとつの見どころはあると、無理にでも理解して楽しむことといたしましょう。

 さて、近年、庶民の消費行動にはいわゆる「ポイント」が常に付いてまわります。現金値引きと違って、買い物の際すぐに得するわけではないけれども、ポイントが貯まれば次に何か買うときに効果があります。お店にしてみれば、ポイントを付けることで客が他の店に流れるのを防げてwin-winというわけです。通販サイトのみならず近所のスーパーでも、本屋さんでも、ひとたびひとつのお店でカードを作れば、いろんなお店で買い物するよりも専らそのお店と決めて買う方が、効率よくポイントが貯まるってもんです。t.jpg

 ところが近年、航空会社のマイルのように、特定の店ではなくいろんなところで同じポイントが付与されるようになりました。もはや顧客の囲い込みなど関係なし。どこで買っても同じポイントが付与されます。いちばん幅を利かしているのがTSUTAYAの「T-POINT」でしょう。リアルのお店でもネット上でもいろんなところでポイント貯まるし使えるし状態です。

 私の場合、普段あまり気にもせず買い物してるわけですが、ちょっと調べてみると、Yahooプレミアムの会員なのでYahoo! JAPANのサービスの利用でTポイントが5倍になったり、電話のキャリアがソフトバンクなのでTポイントが10倍、長期間契約してるだけでタダでもらえたりと、知らないうちにどんどんポイントが貯まっていきます。んで、いっぱい貯めて高額商品を買えるのかというと、どっこいこれら勝手に貯まる系のポイントは消費期限があります。ヨドバシのポイントのように際限なくため続けることができず、少し貯まったらとっとと使わなければ消えてしまう仕組みになってて、巧みに新たな消費行動に誘導しているわけです。

 前置きが長くなりました。今日はその貯まったポイントで何を買ったのかというお話です。

 だいぶ前に、パイロットの万年筆用インキ(パイロットはインクではなくインキと呼びます)の「色彩雫(いろしずく)」のことを書きました。万年筆といえば黒かブルーブラックという概念を打破し、もっといろんな色を楽しもうというコンセプトで登場したシリーズで全部で24色。日本の自然や生活に題材をとり、なるほどと思わせる粋なネーミングをしてます。

 20190712_120533000_iOS.jpg以前買ったのを使い切ったわけではないのですが、ポイント消費のために今回新たに購入しました。見事に業者の策謀に陥ったわけです。まいいか。どうせほっといたら消えてしまうポイントなんやし。

 前に買った大きな瓶、ひとつ1,500円という定価はややお高め。気分が嵩じて24色揃えたりすると38,800円(税込)とちょっと厳しい。そんなあなたにお勧めということで、ミニ瓶3色セットというのんがあり、今回買ったのはこちらの方です。24色のうちから好きな3色選べるのです。これはいい。すごくいい。「霧雨」「松露」「土筆」を選びました。

 いろんな色を楽しめることはいうまでもなく、瓶がいい。シリーズ本来の瓶もいいけど、この3色セットの小瓶とそれを収めた小箱は、わたしのような文具フェチの購買意欲を大いに掻き立てていきます。色彩雫のHPには次のような一文が。

"社団法人 日本パッケージデザイン協会が主催する「日本パッケージデザイン大賞2011」におきまして、iroshizuku-色彩雫(いろしずく)が家庭用品・一般雑貨部門の金賞を受賞いたしました。" さもありなん。

 わたしの余分なポイントは、今後24色のインキへと化けていくかもしれません。

 実に梅雨らしい曇り空が続いてます。そこそこ涼しいのでまだ凌げますが、梅雨明けに向けて気温が上がってくるともうたまらない。日本古来の湿潤な気候をこの時季ほど恨めしく思うことはないのですが、それもこれも美しき日本の四季の移ろいと考えると不快指数の上昇も我慢できるってもんです。20190710_061500312_iOS.jpg

 さて、久々にというか、またまたというか朝日新聞がしでかしましたので、今日はそのこと書きます。

 ハンセン病患者の家族が隔離政策の賠償を求めた裁判で、一審熊本地裁の判決について、国は控訴しないことを決定しました。ところが朝日新聞は月曜日の朝刊で「国が控訴を決めた」とまったく正反対の記事を書いてしまったのです。言い訳の余地がない、綺麗なジャストミートの誤報です。

 その日の夕刊で、あわてて正しい内容の記事を載せ、あわせて「今朝の記事は嘘でした。ごめんなさい」とお詫びも書いてます。

 以前にも書きましたが、速報性が身上のテレビや新聞に誤報はつきもので、いかに慎重に編成しててもそこは結局人間がやること。100%の仕事なんてはっきり言って無理でどうしても間違いは生じます。大事なのは、やっちゃったその後いかにリカバリーするかということです。20190710_061603351_iOS.jpg

 朝日新聞は、例の従軍慰安婦のフェイクニュースで、間違いを間違いと認めつつもその責任を回避しています。「訂正して謝ったんやから、もういいでしょ」ということで、その後の日韓関係に及ぼした影響や、国際社会で貶められた日本と日本人の名誉回復のために何ら動くことはありませんでした。あまつさえ、記事を書いた元記者がそれを追及する人や団体を名誉棄損だ損害賠償だと逆に訴える暴挙を続けています(ちなみに、当然ながらこんな訴えはすべて棄却されてます)。近年の韓国からわが国に対する数限りない横暴に関しても微妙に韓国の肩を持ち、あたかも日本にもいくばくかの原因と責任があるかの如き論調は「いったいどこの国の新聞なのか」との思いを多くの国民に抱かせ、購読部数の急減につながっているのです。

 さすがに、今回の誤報に際しては、朝日はすぐに謝った上に、次の日の朝刊にはなぜ間違えたのかという「検証」という名の言い訳をタラタラ書いてますので、その点の対応は間違いではないと思います。ただその検証内容読むと今回のとんでもない間違いに至った経緯はお粗末そのもので、取材能力の劣化を感じます。朝日新聞に対する社会的な批判が高まり、有能な記者が入社しなくなってきたことの証左でしょう。

 それよりも、記事のおしまいに、かつてハンセン病訴訟で小泉首相が控訴断念を決めた際に内閣支持率が急上昇したことを引き合いに出し「安倍首相が控訴しないことを決めたのは参議院選挙での影響を見越したものだ」ということをシレっと書いて、反安倍の片りんをのぞかせています。コケたついでにただでは起きずにその勢いで敵の向う脛を攻撃してくるあたり、上っ面では謝りながら心の中で舌を出してる様子がよく分かります。そういう意味ではブレてないわけで大したもんやとは思いますが、反省のない集団に未来はありません。「サンゴの朝日」健在です。

祝 捕鯨再開

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 ほとんど何の資源ももたないアジアの小国やった日本が近代化に成功し、いったんは国際連盟の常任理事国にまで登りつめ世界の大国の仲間入りしたのもつかの間、調子こいて武力で近隣諸国を侵略した結果、太平洋戦争でボロ負けしてすべてを失い、焼野原となった国土でマイナスからのリスタートとなったわけです。

 そして、われわれの親の世代、高度経済成長期の日本国民は、敗戦のビハインドからなんとか立ち直ろうとストイックに働き続けてきました。連合国や中国朝鮮といったかつての支配下国家からの逆襲に耐えつつ今日の繁栄を築きあげるまでの日本人の努力は、それこそ筆舌に尽くしがたいものがありました。

 その過程では国際協調を旨としてきたため、諸外国に配慮して軍隊は持たないし、貿易黒字を極端に増やさないよう儲けすぎないようにとも気を使ってきました。そして、時に他国から理不尽な要求があっても耐えがたきを耐えて従ってきたのです。70年代のソ連との200海里の漁業問題もひどかったし、特に近年では韓国からの極めて理不尽な嫌がらせが激化しています。これもひとつには歴年のわが国の国際的な低姿勢が招いた事態といえます。kujira.jpg

 国際捕鯨委員会(IWC)の圧力もそのひとつでした。鯨食は日本古来の食文化で、本来ならばヨソからとやかく言われることなど無いところ、例によって国際協調のしがらみから、あろうことか捕鯨そのものが禁止されてきたのです。かつてこのブログでも「IWC脱退も視野に入れて」捕鯨を再開するべきだということを思いっきり書いたところです。

 そもそも国際捕鯨委員会という看板がウソで、その実態は「国際捕鯨禁止委員会」やったのです。こんな組織に伝統的捕鯨文化を誇るわが国が加盟していることがそも間違いやったといえます。

 そしてこのたび、とうとうめでたく脱退が成就し、日本の商業捕鯨が復活、再開しました。

 思い起こせば子供のころ、牛肉は高くて頻繁に買えなくても、鯨肉は安価でいくらでも手に入りました。ソテーでよしフライでよし鍋でよし、良質なタンパク源として実に身近な存在でした。なぜか肉屋さんではなく魚屋さんで売ってた記憶があります。それがいつのまにか店頭に並ばなくなり、いつしか食卓からは全く消えてしまいました。稀に居酒屋で供されることもありましたが、なかなかのお値段で今ではすっかり高級食材となってしまいました。ネット記事によると、捕鯨最盛期の1962年(わたしが生まれた年ですわ)約23万トンあった消費量が、2017年には約3,000トン。実に約80分の1だそうです。それもこれもすべてにっくきIWCのせいです。

harihari.jpg それがこのたび、捕鯨船が出港し近々店頭にクジラ肉が帰ってくるわけです。やったー!と喜んだのもつかの間、なんと流通業界は「需要が読みにくい」とかで販売に及び腰なんやとか。そらそうですよね。若者の多くがクジラなんてまったく食べたことがないという時代なんやから。

 しかぁし。需要はありますよ。無いというなら料理屋や居酒屋でバンバン売り出して拡大していけばよいのです。

 日本の高度経済成長をささえた、懐かしい日本人のソウルフードですよ。あればあるだけ売れるってもんです。少なくとも私は買いますよ。

 これまで日本人と日本の食文化をさんざん馬鹿にしてきた白人至上主義のIWC加盟国とグリーンピースやシーシェパードの悔しそうなマヌケづらを思い描きながら、日本酒か赤ワインで一杯やらせていただきます。一口ほおばり噛みしめると、遠い記憶の彼方から懐かしい思い出の波が押し寄せてくることでしょう。その瞬間が実に楽しみです。

WELCOME

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katsuhiko

男 

血はO型

奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

生まれてから約半世紀たちました。

お休みの日は、野山を歩くことがあります。

雨の日と夜中はクラシック音楽聴いてます。

カラオケはアニソンから軍歌まで1000曲以上歌えます

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