2018年10月アーカイブ

 シリアでテロリスト集団に拉致されたジャーナリストの安田純平さんが、3年以上経って解放されて帰国したことがニュースになっています。

 シリアといえば今、絶賛内戦中で、地球上で最も危険な地域の筆頭です。当初はアサド大統領率いる政府軍と反政府軍の戦いでしたが、だんだんとISみたいな純粋テロ組織やクルド人の武装組織などの民族自決系の集団など各方面から関係者入り乱れてきて、わけが分からなくなってます。さらに、例によってアメリカとロシアが介入し引くに引けなくなって、紛争収束の目途は立たず絶望的な状態に陥っています。ゴラン高原に派遣されていた日本の自衛隊も、戦闘が激しくなってきたんでさっさと帰ってきました。つまりは、こんなところに関係のない者がわざわざ行ってはいけないのです。20181027_110428349_iOS.jpg

 よく分からないことが多い事件です。安田さん、いったい何しに行ったのか。誰に捕まったのか。なぜ殺されなかったのか。ネットに流れた映像で「韓国人です」って言ったのはなぜか。本人が帰国途上にボソボソ説明してますが、要領を得ずさっぱり分からない。マスコミも「本人はこう言ってます」と伝えるだけで、納得のいく説明ができていません。

 日本人が中東やなんかの危険な国に渡航して捕われたり殺されたりといった、こんなことがまれにあります。今回も例によってマスコミやネットでは、「英雄として迎えよう」という論調と「自分勝手なふるまいであちこち迷惑かけたとんでもないやつ」という意見が交錯してます。

 英雄派の主張は、「現地の状況を世界に伝えねばというジャーナリストの使命に燃えて現地に赴いたところ不運にも悪者たちに捕まったもので、いわば災害の被災地で逃げ遅れた人と同じ。ひどい目にあったのに苦難を乗り越えてよくぞ無事に帰ってきた。ヒーローとして迎えるべきである。」というもの。

 一方非難派は、「日本政府はシリアへは渡航自粛するようしきりに言ってるのに、また、過去にも何度か捕まって危ないめに遭ってるのに懲りもせず、ジャーナリストとしての金儲け目的で現地入りし、案の定また捕まった。詳細は伝わってこないけど、救出のために誰かがお金出してるのは間違いないしそれって税金とちゃうの。帰ってくるなとまでは言わないけど、周りにとんでもない迷惑かけたって自覚あるんかい。」といったところ。

 わたしはどっちかというと、非難派です。

 無事に帰ってきたことはよかったけど、ほんと迷惑極まりない。こんなヤカラをヒーロー扱いしてはいけません。災害で不幸にして逃げ遅れた犠牲者とは絶対に同じではない。それを言うなら、「おー、津波来たスゲー」ってわざわざ海岸に写真撮りに行って巻き込まれたバカと同じというべきでしょう。

 ただし、勘違いしてはいけないのは、国の警告を無視して行ったからといって「日本政府は、こんなバカは放っておけばいい」ということにはならない、という点です。どんなバカであっても日本国民である以上、政府は他の善良な国民と同様の権利を保障し日本以外の地域においてその生命・身体・財産を保護する義務があります。凶悪犯が怪我した状態で逮捕された場合、一応は治療した上で刑事手続きを始めるのと同じ理屈です。どうせ死刑になんのやから治療なんてせずに放っておいたらいい、というわけにはいかない。

 安田氏、これからどっかの役所で「おまえ、いったい何考えてるんや」ってとっちめられるんやろけど、どうかせいぜい反省して今後は世間の目を避けてひっそりと大人しくしていてください。

 3カ月ほど前のこと、ちょっと体調を崩して馴染みの内科クリニックで受診したところ、おかげ様で不調は改善したのですが、その治療の過程で血液検査したもんやから、さあ大変。

 女医さん「ところでおまえ、脂質の方がやばいな」ということで、そっちの方の指導を受けることになりました。

 情けないことに近年、中性脂肪とコレステロールの値が高くて、いつも職場の健康診断が近づくとお酒と脂っこいものをほんの少し控えてはいたのですが、そんな小手先の誤魔化しが効くはずもありません。毎年必ず指摘されるのです。保健室で「病院で診てもらってね」と言われても華麗にスルーしてきたところが、今回思わぬかたちで病院のお医者様にバレてしもたわけです。かつて大相撲で野球賭博の調査のために力士のメール確認したら八百長が発覚した、なんて騒ぎがありましたが、ちょっと似てます。20181020_121336305_iOS.jpg

 コレステロールを下げる薬を処方されました。

 食習慣をちょっと改善すれば、おそらくは改善するのでしょうけど、とうとうお薬の世話になるとは、トホホ...

 LDL、いわゆる悪玉コレステロールの値、正常値が70~139であるところわたしは160ちょい。中性脂肪正常値が30~149であるところわたしは200前後。うむ、いわれてみれば確かにこれはマズい。いわれるままに夕食後にお薬飲み続けましたよ。

 そして、2カ月経って先週再び診てもらったら、なんということでしょう。LDLコレステロール、78まで下がったのです。お薬の効果スゴ。これなら安心してお酒飲めるやんと思ったところ、女医先生「コレステロールはええとして、尿酸値が高いな。酒やめとけ」と、こんなヒドイことを言うではありませんか。

 「薬は?」

 「うん。尿酸下げる薬もあるけど、おまえの場合はまだ飲むほどでもない。とにかく、酒を減らせ。」 

 といってもわたし、お酒はほとんど飲みません。もっぱらビールばかりなのですが、ビールにはプリン体がどうとかでやはり良くはないということなんでしょう。

 つらつら思うに、およそ動物は自らの生存に都合が悪い物事は本能的に忌避するようにできており、逆に言えば生物学的に自分の生存と種族の維持に都合がいいものを好きになるようにDNAにインプットされているはずなのです。例えばパンダは竹や笹が好きやし、コアラはユーカリの葉っぱ以外は一切食べない。好きなものイコール身体によい、が自然の姿なのです。しかるになぜに人間だけが、好きなものを好きなだけ飲み食いすることで健康を害するのでしょうか。解せんわい。

 しかし、もしそんなこと先生に言ったらまた怒られるんやろな、きっと。 

カバの気持ち

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 ずいぶんと涼しくなりました。巷のサラリーマンはネクタイ締めた人がそろそろ増えてきました。確かにこんなに涼しくなってクールビズもないもんです。思えば5月から10月まで半年間ノーネクタイで済ますようになったなんて、変われば変わるもんです。

 かつて昭和の昔「省エネルック」というのんがありました。なんと半袖のスーツですよ。一部の政治家が率先して着はじめたところ、激しい嘲笑と強烈な蔑視を浴びて一瞬で消え去っていきました。しかし平成になって、ノーネクタイのクールビズは定着しましたよね。それほどに温暖化が進んだということでしょうか。哀れなのはネクタイ屋さんで、まさに死活問題。誰がこんな事態を予想したでしょうか。そのうち誰かが起死回生、何らかの意匠を発案して、首筋が暑くない「クールビズ用ネクタイ」を創って一気に世に広まりトレンドとして定着することに......無いか。meiji.jpg

 さて、前々回、チョコレートのこと書いた後、久しぶりに食べてみたところ、やっぱり美味しいわ。健康に留意して間食はほとんどしないのに、天高く馬肥ゆる秋に癖になりそうでこれは少し困った。で、チョコ関連で最近ちょっと気づいたこと書きます。

 耳に着くテレビCMのフレーズがいろいろある中で「♪チョコレイトは、め・い・じ」は昭和の昔からの定番です。そして、この明治という会社実はお薬も作ってて、一番有名なのはかの「イソジン」うがい薬です。カバくんのキャラが目印で、わが家でもずっと愛用してて、おそらく切らしたことはなかったと思います。一年中、家に帰るとうがい手洗いは欠かしません。

P8120099.JPG イソジンをお菓子の明治が作ってるということに気がついたのは多分平成に入ってからですが、それ以降ずっとイソジンといえば明治という認識がありました。

 ところが最近ふと、いつものイソジンうがい薬に明治と書かれていないことに気がつきました。調べてみると、明治がイソジンブランドを手放したんやとか。そう、イソジンは明治の独自ブランドではなく、商標を持つ外国企業とのライセンス契約やったのです。長年にわたって築きあげてきた確固たるブランドを手放すに至った理由は分かりませんが、なんらかの大人の事情があったのでしょう。カバくんの商標は明治に残り、イソジンのブランドはよそに行ってしまいました。

 その結果、明治は「明治うがい薬」としてカバくん描いたのんをいままでどおり売ってます。そして、イソジンブランドのんもお店に並んでます。ただし、カバくんではなくカバくんによく似たなんだかよく分からないキャラクターの絵に変わってます。結果、見た目そっくりの2種類併存ということになりました。消費者にとってはわかりにくい。どっちを買えばええねん。

 しかし、考えてみれば表示の変化にこれまで気づかなかってのは、味が変わらんからやし、多分効能にも変わりないんやろし、結局どっちでもいいということになるのでしょうか。

 以前に、新ビオフェルミンによく似たパッケージと効能のOTC薬のことについて書きましたが、メーカーにとって消費者の印象に刷り込まれたブランドの重要性を再び感じた次第です。

 ちなみに、薬におまけで付いてたカバ君のシール、今でも洗面台のガラス戸に貼ってあります。冷蔵庫にも貼ったところ奥さんに怒られたことを、合わせて思い出しました。

とっととネロ

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 本格的に秋がきて、先週は今年初めて金木犀の香りに気が付きました。運動会の香りです。しかしさっこんは春の梅雨入り前に運動会やっちゃう学校もあるとかで、季節感も世につれ変化していくわけです。

 さて、今日は「魔王」のこと書きます。といってもプレミアム焼酎ではなくて、シューベルトの歌曲のお話です。常翔学園梅田キャンパスでは毎月1回、ロビーコンサートが行われます。クラシックのピアノ、声楽、器楽曲、また邦楽(琴、尺八とか)からジャズまで幅広いジャンルの音楽を入場無料で気軽に楽しめるありがたいイベントです。毎月第2土曜日の正午が定例ですが「始まってちょうど1年おめでとー」ということで今月は2回あり、1回目昨日行ってきました。

maoh.jpg で、出演のバリトン歌手の田中勉さん独唱で、かの「魔王」を聴いたというわけです。

 音楽の教科書に載ってる、文部科学省推奨の傑作歌曲です。つらつら考えてみるにわたしはこの曲のレコード、CDを持ってないんで聴く機会がついぞ無く、実に久しぶりに聴いたとになります。

 ドイツの文豪かのゲーテの詩にシューベルトが作曲したこの曲にはストーリーがあって、登場人物は4人。ナレーション担当、お父さん、坊や、そして魔王です。お父さんが病気に侵されて発熱した坊やを馬に乗せて走っているという状況です。病気のこどもを連れ出すわけですから、おそらくはお医者さんとこに行くのでしょう。熱に浮かされた坊やが、魔王が「こっちにこい」と言ってるよ、怖いよお、とお父さんに助けを求めても、お父さんは「あれは樹が風に揺れてる音やで」と諌めるわけですよ。

 同じ具合に何度か魔王が誘い、坊やが泣いて、お父さんが宥める、を繰り返すうちに、とうとう坊やは魔王に連れて行かれた、つまりは死んじゃった、というバッドエンドのお話です。

 普通の童謡や童話ならば、魔王が正義の味方(おそらくは神様)にとっちめられて退散し、やっぱり最後に愛は勝つ。心~配ないからね、というのが通り相場であるところ、あっさり死んじゃうなんて、これはおよそありえない展開です。お話ではこどもを死なせちゃいけないのが鉄則です。救いがない。往年の傑作アニメ「フランダースの犬」で最後、ネロとパトラッシュが死んでしまう展開が欧米では顰蹙をかい、ハッピーエンドに改ざんされたとか。まあ、ありそう。

 魔王では、世の中ハッピーエンドばかりではないということ、病気(=魔王)は怖い、気を付けよう、というような含みがあったんやろと思います。歌曲としては高度なテクニックを要する名曲ですが、小学生が聴いたら下手するとトラウマになりかねません。

 ちなみにわが家では、夜が更けてリビングでこっくりこっくり船を漕いでいる奥さんに「ちゃんとベッドで寝なさい」と声をかけると必ず、「パトラッシュ、なんだかとっても眠いんだ...」と返してくるのがお約束になってます。

WELCOME

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katsuhiko

男 

血はO型

奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

生まれてから約半世紀たちました。

お休みの日は、野山を歩くことがあります。

雨の日と夜中はクラシック音楽聴いてます。

カラオケはアニソンから軍歌まで1000曲以上歌えます

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