これまでにも何回か書いたことがありますが、わたしが自宅書斎で今使っているパソコンは今風のスタイリッシュな製品ではなく、もう何年も前に組み上げたゴッツイ自作機です。
最近になってmacbook proを買ったわけですが、使用頻度は圧倒的にメインの母艦機の方が多い。仕事半分遊び半分で、ネット、Office、音楽、写真の管理、買い物などはば広く使ってて、ここ数年はブログの更新も楽しみな時間となってます。ゲームなどはやりません。のめりこみやすい性格なので、貴重な時間が非生産的な作業に費やされることは避けたいのです。
長く使ってると、なんだかんだで維持費がかかってます。特に消耗品であるHDD(ハードディスク・ドライブ)はかなりの数こわしては付け替えを繰り返してきました。経験から「このストレージはそろそろ死期が近い」ことを察知したときは、書類や写真、音楽など、いろんなデータを頻繁に、かつ慎重にバックアップします。そして、予想通りクラッシュしたHDDの残骸が溜まっていくのです。
また、PCの進化、扱うデータ量の増大に伴って、壊れてはいないけど新しいドライブに交換する必要が生じます。初めて買ったパソコンのHDD容量は450MBでしたが、現在の総容量は約5TB。実に1万倍以上です。この間わずか20年。扱えるデータ量が等比級数的に増大しており、すさまじい技術革新といえるでしょう。大型自作機なので筐体内部の空間には余裕があり、古いHDDをデータ保存用にこれまでどおりにつないでおくこともできますが、使わない部位にまで通電しておくことはエコではありません。その結果、壊れてはないけども取り外して引退するHDDもまた溜まっていくことになります。
そんなことを繰り返してきた中で、ひとつ困ったことが生じました。記憶にある、あるデジカメの写真データが、PC内の膨大な空間のどこを探しても見つからないのです。とりはずして置いてある古いHDDにもデータは残っていない。これは悔しい。
消去した覚えはないので、どうやら壊れたHDDに残っているのではないかと思い始めました。破損したHDDからのデータサルベージ(抽出・復元)は、素人にはおよそ不可能な領域です。かといって、専門業者に頼めば数万円から数十万円の費用がかかるし、しかも今回は求めるデータが必ずそこにあるという確証がないのです。
そこで、われながら無謀とは思いましたが、そのデータが残っているのではと思われる動かなくなったHDDを、ダメもとで自分で修理してみることにしました。
ネットでHDDが動かなくなった場合の対処をあちこち検索しました。当然のことながら、圧倒的に多くのサイトで「専門業者に任せるしかない」という一般的な通説が主張されてますが、わずかに「自分でチャレンジする」方法を詳しく紹介するところがありましたので、そこで修理の手順を勉強しました。
HDDは、超精密機器ではあるけれど、構造自体は実にシンプルな機械です。手順を間違わなければ、やるべきことはプロでも素人でも同じ。諦めるのはできることをすべて試してから、という正常化バイアスに背中を押され、果敢にチャレンジ開始。
通電してもモーターが回転しない場合に考えられ原因は、モーターそのものか回路基板の不具合のどちらかで、モーターが壊れてる場合は万事休す。内部からディスクのみをとりだして別の同じ機種に移植してという作業はクリーンルームもない素人には歯がたちません。しかし、回路の不具合であるならば、基盤のみを交換することはそんなに難しい作業ではありません。この方法に賭けてみます。
古い製品なので同じ機種の新品は売ってません。Y!オークションで手に入れました。ネットで教わったとおりに壊れたHDDの基盤とモーター部分との結線をはずし、基盤の特殊形状のビスをはずし、替りに新しい(中古やけど)機種からはずした同じ基盤を取り付けました。
電源につないでPC立ち上げます。さあ、モーターは回ってくれるのでしょうか。ワクワク・・・
ダメでした。やはり文系人間には、ここいらが限界です。無くしたと思しきデータはきっぱりと諦めて、前向きに生きていくことにします。やれやれ。
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