2017年5月アーカイブ

蜜蜂と遠雷

| コメント(0) | トラックバック(0)

 読みました。

 恩田陸は好きな作家のひとりで、文庫になってるのんはほぼ全て読んでます。話のつじつまやストーリー構成よりも、作品全体のファンタジックな雰囲気が秀逸で、そっちの方が印象に残る作家さんです。名作の誉れ高い「夜のピクニック」がやっぱりいちばん好きでした、これまでは。そう、トップの座を今回の受賞作に譲ったというわけです。enrai.jpg

 今年の直木賞と本屋大賞ダブル受賞という快挙のベストセラーです。これは読んでおかねばなるまいと思って、文庫化前に買い込んで読み始めたところ、よかった。面白かった。すごい作品です。審査員さん、グッジョブ。

 クラシック音楽がモチーフです。ピアノコンクールを舞台にした、コンテスタント(コンクールの出場者のとこ)を描いた作品です。

 と書くと、登場する人物のいろんな人生やエピソードをふんだんに盛り込み、愛憎からめて人間模様を描いていく...というのがとおり相場です。確かにそんな要素もあるにはありますが、あくまでエピソードです。この小説の主人公は各コンテスタントによって演奏されるクラシック音楽そのものなのです。

 あらすじ言っちゃうと、

 「ピアノのコンクールがありました。予選、本選と選考は進みます。〇〇さんが優勝し、2位3位以下選考結果はごらんのとおりです。」

 以上、これだけです。ストーリーとしてはこれ以上書きようがない。

 もちろん登場人物の心理描写や、人物の描き方など、必要な要素は盛り込まれてますが、この長い小説の多くを占めるのは、演奏の描写です。演奏者の心理面も表現しながら、どんな音楽が表現されているか、演奏がどのように聴衆に伝わっているか、その詳細を超絶の文章でもって巧みに表現し、演奏の場面場面、コンクールの様子を劇的に綴っていきます。なんという筆力、すごいのひと言に尽きます。まるでページの中から玲瓏たるピアノの音が溢れ出てくるがごとく、鮮やかに読者に伝わってきます。

kenban.jpg それぞれの章ごとに、有名な曲のタイトルがつけられてます。はじめ「この章ではその曲がでてくるのかな」と思いましたが、さにあらず。関係ない。クラシックの曲名ですらない。「仁義なき戦いのテーマ」なんてのもあります。つまり、その場面のストーリーの展開を曲の雰囲気で暗示しているのです。なかなかうまい。

 わたしもピアノ曲は大好きなんで、作中に出てくる膨大な数の名曲のうち、よく知ってる曲、聞いたことある曲がたくさんあります。知らない曲をこの機会にチェックしてみるのもなかなか楽しめました。演奏の場面では、その曲のCDかけながら読んでみました。CD持ってなくても、昨今youtubeに行けばたいがいの曲は揃ってて、たちまち高音質で再生可能なのです。

 ほぼすべて、コンクール開催期間だけが舞台です。その間に出場者たちが、何を考え、それをどのように演奏で表現していくか。ただそれだけで物語が進んでいきます。劇的な展開があるわけではない、どんでん返しもなければ、納得のオチもない。それでいて読者はずんずん引き込まれて途中でやめられないのです。

 これが湊かなえの小説やったら、そろそろこのあたりで陰謀によって主人公が思わぬ怪我をするとか、あるいは出場者同士が恋に落ちたところ、実は一方が過去の恨みから復讐のチャンスをつけねらってて、コンクール本選のステージ上でその惨劇が繰り広げられる...火サスの台本かと見まごう、安っぽい展開となることでしょう。

 感動があとに残ります。それこそラフマニノフの長大なコンチェルトを聴き終えたかのような爽やかな感動が。読み進めて終わりに近づくにつれて、ああ、もう終わってしまうのか、残念、もっともっと読み続けていたい、と思える作品でした。

 脱帽です。

 テロ等準備罪法案が衆院法務委員会で採決されました。野党は「強行採決反対」と騒いでますが、民主党政権時代にその政権期間の短さに比して極めて頻繁に法案を強行採決し、国民の生活を破壊してきた旧民主党の議員たちが何を言っても、まったく説得力に欠けます。

 野党と一部マスコミは、過去2回廃案になった共謀罪と今回の法案をごっちゃにして反対していますが、内心の合意で罰せられる共謀罪と、具体的な準備行為に踏み込まないと罰せられないテロ等準備罪は意味がかなり異なります。ところが朝日新聞などはいまだに「共謀罪法案」と報道してます。こうなると明らかに誤報、もしくは意図的なデマの領域です。

 国会前で反対のデモなどやっているプロ市民の皆さんには申し訳ないですが、既定路線は揺るがずいずれ衆参本会議で可決成立します。メディアは反対の立場だけを報道するので、まるで国民すべてが反対しているような雰囲気ですが、サイレント・マジョリティの総意は明らかなのです。仮に今、法案の信を問うために解散総選挙やったとしても自民党が圧勝するのは間違いないわけで、無駄な国費と時間を費やす必要もなく、サクッと決めてしまってさっさと次にいくべきです。

 ところで先週、クルマにマイナスドライバー2本を正当な理由なく隠し持っていたとして自衛隊員が逮捕されたというニュースが伝わりました。容疑は、ピッキング防止法違反。driver.jpg

 ピッキング防止法という法律があることを初めて知りました。刑法の窃盗罪ではカバーしきれない構成要件を規定して検挙しやすくしてるんでしょうけど、複雑化する現代社会、まあ、いろんな法律があるものですな。

 さて、クルマにマイナスのドライバーを積んでると逮捕されるということに何らかの違和感を抱いたのは、わたしだけでしょうか。興味湧いたのでちょっと調べてみました。

 ピッキング防止法、正確には「特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律」とゆうらしい。その第3条で「何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、特殊開錠用具を所持してはならない」と規定しています。特殊開錠用具とは、シリンダー錠をカギなしで、また壊したりせずに開けられる道具やそうです。つまりプロの泥棒が使う、ピッキングに特化した特殊な道具を指すらしい。どんな道具か見当もつきません。針金の先を曲げたりして作るんでしょうか。確かにそんなものを持ち歩いてたとしたら悪事を働く意欲がムンムンで、禁止されるのは当然です。ここまではいい、問題はその次。

 第4条で「何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、指定侵入工具を隠して携帯してはならない」としています。この「指定侵入工具」がクセモノで、何かというと、ようは15cm以上のマイナスドライバー、長さ24cm以上かつ曲がった先が2cm以上のバール、そして直径1cm以上のドリルのことを指すのやそうです。プラスのドライバーはセーフ。

 ドリルやバールを日頃持ち歩くことはまずないでしょうけど、マイナスドライバーはクルマ乗ってたら運転席付近に置いとくことなんてありそうに思います。工具セットには必ず入ってますし、ちょっと使った後に箱にしまわずいっときダッシュボードに入れてた、とか。これで逮捕されるわけです。

 実際わたしも、今を去ること20数年前のバブルの頃、冬場となれば「私をスキーに連れてって」というわけで、よくクルマを駆って北陸のスキー場に出かけてました。

career.jpg 屋根にスキーキャリアを着けてたんですけど、雪の高速道路を走り続けると、装着部分のネジが緩んでくるんです。で、SA着くたびに点検して緩んでたらドライバーで締めなおして、というのんを繰り返してました。そのたびにトランクルーム開けて工具箱とりだすのもメンドいんで、ドライバーをすぐに使えるよう車内に置いてました。「めんどうくさいから」は、およそ「業務その他正当な理由」に該当するとは思えません。したがって、その時はたまたまプラスのドライバーでしたが、あれがもしマイナスで、さらに近くにお巡りさんがいたら私は逮捕されてたことになります。

 なんかおかしい。

 「めんどくさい」は論外として、所持している理由が正当か否かは結局、居合わせたお巡りさんの主観に委ねられるのです。

 似た例で、クルマのトランクに、野球のボール、グラブはいいけど、バットを入れてると検問に遭った際に軽犯罪法違反で逮捕される、とか、修学旅行の中学生が他校の生徒と対峙してトラブルになった際に、たまたまお土産で買った木刀持ってたら凶器準備集合罪でタイホされるなんてのも聞いたことがあります。

 もう、うかうかといろんな道具持って外を歩けやしない。草野球を楽しめるのは、自宅の庭に野球場がある人だけ、ということになります。やれやれ。

旭日の憂鬱

| コメント(0) | トラックバック(0)

 先週の朝日新聞、「サッカー応援に旭日旗 日韓に火種」という記事がありました。

 韓国であった川崎フロンターレの試合で、川崎のサポーターが旭日旗を掲げたことをとがめてアジアサッカー連盟(AFC)川崎に対して何らかの処分を科したことに対して、菅官房長官が異論を唱えたことについてとりあげたものです。soccer.jpg

 韓国の旭日旗アレルギーにはつくづく閉口しますが、考えてみるとアレルギーというのは自然人に生じる医学・生理学上の概念です。韓国の旭日旗嫌いはごく最近始まった、または意図的に始められた、例によってねじ曲げられた教育の結果に基づくものです。日本に対する嫌がらせの打ち手としては従軍慰安婦もそろそろ埒があかなくなってきたし、何か他にイチャモンのネタは無いかなぁと悶々としていたところ、サッカーの日韓戦でサルの真似で日本を侮辱して怒られた韓国チームの選手が、「観客席の旭日旗が目に入って腹がたった」とついつい言い訳したところ、韓国民が「これや!」と飛びついて一斉に反旭日旗の大ネガティブキャンペーンを始めたわけです。

 旭日旗は戦争終わってから何十年も海上自衛隊の隊旗として使用されてきて国際的にも広く浸透しており、韓国軍との合同演習でもずっと掲げられてます。にもかかわらずある日突然「旭日旗は戦犯旗。使うのはけしからん」とか言い出したわけです。例によって日本では、何のことだかわけが分からない。

 AG.jpgところが、日本人はまったく人がいいというか何というか、こんな理不尽な言いがかりについても律儀に対応し「じゃ、これからは使わないようにしよう」なんてムードが広がりました。旭日旗(海上自衛隊旗)は派手で景気がいいので、サッカーなどのスポーツ競技の国際試合の応援にはもってこいなのに、何だか使っちゃ悪いような雰囲気になってしまったのです。

 その結果、韓国からのイチャモンはどんどんエスカレートし、旭日旗そのものでなくても、旭日(ライジングサン)をモチーフとした図形、模様であっても使うことまかりならぬ、とか言い出しました

 曰く、「旭日模様は軍国主義の礼賛につながる」のやとか。アホかと。

 本気で言うてんのんかいなと思ってたら、サッカーや体操の日本代表のユニフォームがライジングサンを連想させてけしからんと、主催団体に対して抗議するなんていう愚行を本当にやったのやとか。もちろん、IOCやFIFAなど国際組織は全く問題無いと相手にず、結局恥かいただけで終わったようですが。

 さて、朝日新聞。どんな論評かと読んでいくと、「ある旗屋さんが『嫌がる人がいる場では、自粛もやむなし』と言っている」だの、「スポーツジャーナリストのなんとかさんは『クラブや協会は旭日旗の意味の啓蒙に努めるべきだ』と話している」とか、なんと「やっぱり使うべきではない」というトーンで、またぞろ韓国の主張を代弁しています。shaki.jpg

 国際的な問題に関して、他国に追随しわが国の政府に異を唱え、批判しているわけです。

 では朝日新聞社は旭日をあしらった自らの社旗について、いったいどう考えているのか。記事は社旗のモチーフが旭日由来であることを認めた上で、だからどうするとはまったく書いていません。朝日新聞こそが韓国に対して「旭日旗は軍国主義の礼賛などではない」と率先して啓蒙に努めるべきではないのでしょうか。それとも、使うべきではない社旗は、近く新しいものに変更されるのでしょうか。

 いったい日本はどこまで、韓国の言いがかりに付き合っていく必要があるのでしょうか。以前にも書きましたが韓国という国は「反日」を国家存立の基本に据えています。地理的に近いもんやから何かと気にしてしまいがちですが、逐一相手になるから調子に乗るのです。相手にしないことです。

 今回の言いがかりのような、身にふりかかる火の粉は払う必要がありますが、それ以外のことは放っておけばよいのです。誰が大統領になろうと北朝鮮が軍事境界線越えて攻めてこようと「放っておくべきです」。

保守とは

| コメント(0) | トラックバック(0)

 長い長いゴールデン・ウィークが終わりました。マッカートニーのライブに感動し、旧友たちとの楽しい懇談のひとときあり、ボケーっと何も考えない一日あり、十分に英気を養えました。明日から再びフルスロットルで仕事に立ち向かっていくこととなります。

 大型連休という、この上ない恩恵をもたらしてくれる憲法記念日に際して、憲法についてちょっと考えてみます。

hinomaru2.jpg G.W.の始まりのテレビニュースは、毎年変わることなく行楽に出かける人の波、交通渋滞と、いろんな団体の憲法に関する集会の様子を伝えます。毎年この日は、改憲、護憲、それぞれの立場からの意見が大々的に表明されて議論になります。特に今年は現行憲法施行からちょうど70年経ったということで朝日新聞などは1面に社説を掲げ、大々的になキャンペーンを行いました。だいたいこの新聞がキャンペーンするとろくなことがないのですが、さすがに護憲リベラルの旗手として、なかなかの論陣を張っています。

 憲法、改正反対の立場の人々は「平和憲法は世界に誇る素晴らしいもので、平和日本の礎となってきた。変える必要などない」一方、変えたい人たちは「占領軍に押し付けられた代物であって、国家の根幹を定めるべき憲法は自主的に定める必要がある」と、それぞれに大いに主張します。

 さて、改憲、是か非か。

 いつも思うのですが、変えずに用が足りてるんならお金と労力かけて変える必要ないし、何か具合が悪いんなら変えればいい。自主憲法だろうと押し付けられたものだろうと関係ない、制定のいきさつはどうであれ、要は今の条文で何か不都合かあるのかということです。

 では不都合あるのか無いのかと考えると、これが色々とあるわけです。その筆頭がやっぱり自衛隊です。憲法には、国家間の紛争解決の手段としての軍隊は保持しない、日本に交戦権はない、とはっきり書いてます。にもかかわらず自衛隊という名の軍隊が厳然と存在し、世界でも10指にはいる防衛費を費やしているのがわが国の現状です。自衛隊は軍隊ではない、なんていうわけのわからない理屈は横に置いといて、明らかに憲法違反の状態が長く続いているのです。yasukuni.jpg

 かつて、自衛隊は憲法違反やから廃止すべき、などと主張する勢力がありました。しかし、いまや自衛隊は、日本の在り方と国民の意識に深く浸透し、確固たる信頼と信任を得ており、廃止なんて主張はもはや議論にすらなりません。憲法守りたいのはやまやまではあるけれど、そうは言ってられない国際情勢の現実があるわけです。だったら、きちんと憲法変えてからそれに従って自衛のための軍隊の整備を行うべきでしょう。集団的自衛権の議論の際には解釈合憲だかなんだか屁理屈こねて憲法違反の法令を通しちゃいましたが、そんな姑息なことやらずに、適正な手続き行った上で堂々とやるべきです。

 一言一句変えることはまかりならないと構えるから、窮屈になって、せっかくの憲法も使いようが難しくなるんです。必要ならばこだわらずに改正する柔軟さが必要です。「護憲」の考え方はそうあるべきです。

 ところで、現代の日本において保守派というと自民党など改憲したいほうの勢力のことで、逆に革新というと共産党など左翼暴力集団のことを指します。しかし考えてみると憲法改正して国の在り方を変えようとしているのはどちらかというと保守層で、左翼は憲法条文は一言一句変えさせてなるものかという現状堅持の主張をしています。つまり、言葉の意味があべこべになってます。ふと気づいたんですけど、これはなかなかおもしろい。

 かつて革新野党は、新しい考え方、新しい制度によって次代を切り拓こうと努めてきました。ところが今や野党といえば、与党の政策に対して何ら対案を示さず、ましてや国民に受け入れられる独自の政策など持ちようもなく、ただ政府に反対することを目的としてその身を永らえています。国民の支持を得られるはずもありません。余裕のアベちゃんの時代が当分続きそうです。

 大型連休も後半へと。前半と終盤に外出の予定があり、連休の中休みなんていうとなんだか変な感じですが今日は朝からまったりと過ごしています。するべきことも思いつかず、そや、イレギュラーやけどブログの更新してしもたろ。

 というわけで、先週土曜日、ポール・マッカートニーのライブに行っ20170501_111050868_iOS.jpgてきました。「ワン・オン・ワン/ジャパン・ツアー2017」というやつで、2年ぶりの来日です。

 よかった。感動した。

 チケット発売と同時にエントリーして、幸い希望の日に希望の席をゲットできたのです。待ちわびて、満を持していそいそと出かけましたよ。仕事抜きで上京するのはひさしぶりです。開演は18時30分。お昼頃に東京に着き、国立新美術館開館の「ミュシャ展」見物したあと、いざ会場の東京ドームへ。

 実は東京ドームに入るのは、なんとこれが初めてなのです。東京で学生時代を過ごし、阪神の試合をたまに観戦してたのはまだ後楽園球場の時代でした。当時タイガースは弱くて、後楽園での勝ちゲームほとんど見たことなかった。

 水道橋駅から続くデッキには、にっくきジャイアンツの主力たちの大きな看板が出ています。普段ならなんとも気分を害するところですが、今日は気もそぞろでそれどころではありません。よほどのことがない限り敵の本拠地に乗り込むことなどないわけですが、今日はその、よほどのことがあったわけです。

 定刻30分ほど前に席に着くと場内早くもすごい熱気です。今回のツアーは武道館1日と東京ドーム3日間で16万人を動員したとか。相変わらずのすごい人気です。プロ野球の試合やなんかでは「満員御礼」出てても行ってみると実際にはたくさん空席があるもんですが、この日はビッシリ文字通りの超満員です。みんな苦労してチケット手に入れて楽しみにして来たんやろなあ。ご同慶の至りです。周りを見渡すと、いかにもビートルズ世代、熟年のおじさんからどうみても中学生やろという女の子たちまで、ファンの層が幅広いのもポールの特徴です。20170429_125217391_iOS.jpg

 現役時代の姿を知らない世代を含めて、ポールが、ビートルズがこれほどまでに世界中で愛されるのには、ロックシーンの先駆者としてのカリスマ性のなせるところがあると思います。なにごとも始めた人は偉いのです。

 待つこと1時間弱、とうとう始まりました。生ポールの登場で場内の興奮は最高潮に達しました。これぞライブの醍醐味。A Hard Day's Nightで始まり、ビートルズ時代、ウィングス時代、そしてソロとそれぞれの時代のナンバーが次々と続き、アンコールあわせて約40曲、場内壮絶な盛り上がりのうちに終演となりました。

 ビートルズのナンバーが多かったのが嬉しい限りでした。わたしがものごころついた頃にはすでにビートルズは解散しており、リアルタイムの活動はまったく知りません。これがかえってよかったのかも。初めてその存在を知ったときすでに実体がなく伝説化していたため、もはや色褪せることはなかったのです。世界中が再結成を待ちわびる中ジョン・レノンが暗殺されたのはわたしが予備校に通ってた年でした。その後もポール独自の活躍により多くの名曲が生まれますが、やはりビートルズの曲がなじみ深く、しみじみ、いいのです。

 これまでの人生のいろんなシーンでビートルズナン20170429_124017876_iOS.jpgバーが流れてました。世界中の誰もがそれぞれに、ビートルズとともに自分の人生を刻んできたのです。ライブの後半、ポールが日本語で「イッショニ、ウタオウヨ」と始まった Ob-La-Di, Ob-La-Da、その後の Let It Be しかり、そして再び Hey Jude の大合唱、不覚にも泣けて泣けて、隣の席の嫁さんに笑われる始末でした。

 以前オペラ鑑賞に行った際に、「今、テレビや街角で流れている曲のうち、100年後、200年後にもコンスタントに演奏されるものが果たしてどれだけあるでしょうか。」と書きましたが、クラシック音楽ならずとも、ポール・マッカートニーの楽曲は100年後も間違いなく受け継がれていくことでしょう。

WELCOME

CALENDAR

PROFILE

IMG_0227_2.jpgのサムネール画像のサムネール画像

katsuhiko

男 

血はO型

奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

生まれてから約半世紀たちました。

お休みの日は、野山を歩くことがあります。

雨の日と夜中はクラシック音楽聴いてます。

カラオケはアニソンから軍歌まで1000曲以上歌えます

月別 アーカイブ