また日本中、大雪で大騒ぎです。
特に山陰は数十年ぶりの積雪に見舞われているとか。テレビのニュースではこれぞ雪国という風景が伝わり世界有数の豪雪国ニッポンの面目躍如です。わが家の雪大好き夫婦は揃って「いいな、いいなぁ」と雪国に暮らす人たちの苦労も知らず呑気なもんです。奥さんは「今年は温泉で雪見酒ができんかった」ことを思い出しご不満をのたまいだしたので、もし雪が積もったら大きな雪玉作って入浴中に放り込んでやろかと密かに思ってます。
さて、そんな奥さまがこれも最近、しきりに洗濯機の不調を訴えていたのです。なんでも乾燥機能に不具合が生じているとか。災害に備えていろんなものは備蓄してますが、さすがに洗濯機の買い置きなどありません。メーカーの人に修理の見積もりにきてもらったところ、その人が商売気があるのかないのか、修理できなくもないけど寿命過ぎてるんで買い替えたほうがいいかも、なんて勧めたもんやからどうもその気になってしもた。
で、昨日ヨドバシに行ってきました。
出かけるまでは「洗濯機プラス乾燥機、別々がいい。主婦歴何十年の知恵よ」と鼻息荒かったのに、売り場で説明聞くうちに「やっぱり一体型の方がいい」ということになり、トレンドのドラム式でということになりました。洗濯など過去何十年やったことがなくて、壊れた(らしい)洗濯機の使い方もまったく知らない私には何の決定権も、さらに発言権もなく、すべからく彼女の希望通りに決定したのです。この真四角さが気に入ったらしい。
思えばわが国の女性の歴史上のおいて洗濯機の登場は重要な出来事でした。戦前戦後の時代まで世の主婦たちは洗濯機なしで毎日の洗濯を行っていたのです。タライに水を入れ石鹸で泡だてて手でゴシゴシ洗って、その後石鹸水がきれるまで水ですすいで、思い切り絞って叩いて水をきり、物干し竿に吊るして乾いたらとり入れて…
全自動洗濯機は、そんな過酷な肉体労働から女性を解放した、とよく言われています。そして家事に費やされる時間が短縮されたぶん女性の社会進出が促進され、労働力構造の変化が高度成長を支え、男女雇用機会均等の流れの中で日本の経済成長を実現してきたのです。つまり、日本の発展は洗濯機の普及によるところが大きいといえます。
高校時代、クラスメートの女子生徒のひとりが英語の教師に「おい、washing board(笑)」といじられてたのを思い出します。昭和の時代、アバラが見えるほどの貧乳を笑う際のお約束やったわけですが、現代ではこんなの二つの意味でありえない。子たちは洗濯板なんて知らないし、今、こんなこと教師が言ったら生徒の人権侵害ってんで大騒ぎになります。
思わぬことから昭和に思いをいたす発端となった当の洗濯機は、今日の午後に配送されてくるそうです。私は出かけるんで残念ながら設置には立ち会えません。使うことないしあまり興味ないんで、別にええけど。
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