2016年3月アーカイブ

 明日の日曜日、早朝よりはるか日本海まで釣りにでかけるので、タイガースの戦いを横目に見ながら土曜夕刻のブログ更新となりました。久しぶりの釣行、晴れてほしいなあ。
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 さて、昨日、衝撃の訃報が飛び込んできました。
 
 漫画家小山田いく氏、享年59歳。
 
 わたしは1980年頃、全盛期の少年チャンピオンに連載された氏の代表作「すくらっぷ・ブック」を読んで、ファンというよりすっかりとりこになったひとりなのです。ちょうど高校を卒業し予備校に通う、人生で最も長い1年間を過ごしてた頃でした。
 
 実に爽やかな学園青春グラフィティで、氏の出身地である信州小諸、しかも出身中学校を舞台として描かれており、全編、リアルタイムの青春を過ごす若き読者に対する作者の確固たるメッセージがあふれ、しかも散りばめられた素直なギャグがツボにきて、グイグイと引っ張られていきます。なんと、初めて読んだ日のことを今でも覚えています。「これは、ただものではない」と衝撃を受けたのです。
 
 人生で最も感性豊かな年代にありながら大学受験浪人生という不安定な状態であった当時の私は、このコミックの世界観にすっかり魅せられてしまいました。おやじとなった今、あらためて読み返すと、ややくすぐったい感じもなくはない。多感で素直で理知的でしかもかわいい、まさに理想的な中学生の在り方をこれでもかと盛り込んだ、あくまでフィクションであることは百も承知です。しかし、当時は自らの中学校時代を顧みて完全にシンクロしており、大いに共感し素直に感動できました。チャンピオン誌の発売を待ちわびたもんでした。IMG_6239.jpg
 
 よくは知りませんが、最近のコミックは短期間で突然連載が終了してしまったり、大河漫画として何十年も延々続いてたりということもふつうにあるようです。しかし「すくらっぷ・ブック」は連載2年101話、単行本11巻。ちょうど作中の登場人物の成長に合わせて中学校卒業とともに完結します。これがいい。当時は相当な人気があったので、高校を舞台とした続編やろうと思えばいくらでもやれたと思います。しかし、連載打ち切りではなく、見事に作品を「完成」させた。最終話ラストシーンでは、不覚にも涙してしまいました。マンガ本読んで泣くなんて、当時のわたしったらなんて純やったのでしょう。わが人生においてコミック最高傑作のひとつです。
 
 その後、大学生となったわたしが「ぶるうピーター」「ウッド・ノート」と、同様のさわやか青春路線の小山田作品を楽しんでいた頃、大学の同じサークルで小諸出身の友人ができ、話聞くとなんと彼、小山田いく氏の弟と知り合いで「よくいじめられた」仲やったとか。これにはビックリしました。弟といえば「軽井沢シンドローム」で有名な漫画家、たがみよしひさ氏です。
 
IMG_6240.jpg 学生の頃、よくフラフラと信州に出かけたことはかなり前に書きましたが、軽井沢から小諸に足を延ばし「すくらっぷ・ブック」に出てくる小諸城址公園や千曲川の風景を求めて、今でいう「聖地巡礼」をやったこともありました。それほど心酔していたわけです。
 
 大河コミックといえば、今に至る愛読書として別冊ビッグコミックで「ゴルゴ13」を読み続けていることも以前書きました。このコミック雑誌はひとつの号にゴルゴを何篇かとともに新人の読み切り短編が掲載されるのですが、何年か前にこのコレクションのうち昭和54年発行の古い号を読んでいるときに気がつきました。掲載されている「五百羅漢」という作品の作者名が「田上勝久」。小山田いく氏の本名です。絵のタッチもまんまです。調べてみるとなんとこれ、氏のデビュー作でした。不思議なエニシを感じたもんです。
 
 社会に出ると同時に次第に少年コミックからは距離をおくようになったので、最近の作品はあまり知りませんでしたが、59歳の逝去はあまりにも早い。なんとも残念です。
 
 青春時代、素晴らしい作品を通して大きな夢と感動をいただき、ありがとうございました。ご冥福をお祈りします。

ビデオのこと

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 どうもHDDレコーダーの調子が悪い。6・7年前から使ってるSONYの製品です。2つの番組が同時に録画できるはずが、きちんと録画予約しても片方が録画されてないという事態をうちの奥さんがうったえはじめました。はじめは、予約設定を失敗したんやろと言ってたけど、繰り返し起こるので、どうやら機械か奥さんの脳ミソのどちらかに不具合が生じているらしい。しばらく検証を続けて、幸いなことにおかしいのは機械の方やと判明しました。
 
 さらに、予約の際に表示される番組表がおかしくなりました。ある局の放送予定だけが表示されず空白になる。もちろんそこにあるべき番組の録画予約はできません。これは困った。
 
 マーフィーの法則によると、デジタル家電は5年間の製品保証期間が切れるのを待って故障することになっており、今回の事態もまさにそんな感じです。
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 完全に動かなくなったのではなくて番組ひとつだけなら録画できるんで、まだ使い方によっては十分使えるし大枚叩いて修理するのは得策ではない。いつか書きましたが、家電などの耐久消費財は使用期間が長いので、買い替えると新しいのんは機能、性能とも著しく進化しています。しがって今回も、買い替えるというよりも新製品を買い足すことが得策と判断しました。ひさしぶりの家電購入です。
 
 さっそくヨドバシで買ってきてセットしました。Panasonicの「全自動DIGA」BRX4000という機種です。全自動というだけあって、キャッチコピーによると「チャンネルを選ぶだけであとはすべて自動で録画できるため、番組ごとに予約することなく、見逃した番組も録り逃した番組も、過去にさかのぼって再生でき」るらしい。これはすごい。容量も大きい。機械自体は壊れたSONYよりも一回り小さくて軽いのに、ほんとにこれだけの高機能が入ってるのかと思ってしまいます。
 
 これまで見たい番組が重なったとき、テレビについてるHDDにひとつとレコーダーに2つの計3つ以上は録画できませんでした。これからは、「この番組は上(テレビ)でいれて、これとこれは下(レコーダー)でいれるからもう予約満杯。これ以上は、寝ずにリアルタイムで観て」なんて言われずに済みます。それにしてもほんの数年でこの技術革新。なんとも恐れ入ります。
 
 半分壊れた古いSONYは、寝室のテレビにつながれて余生を送ることとなります。新参機が超強力やし古い方は有料放送の契約もはずすんで、今後こちらで録画することはほぼないでしょうけど。
 
IMG_6222.jpg 思い起こせばテレビ番組を録画できるビデオデッキを初めてみたのは小学生の頃、授業の一環としてテレビ番組観るのに、放送時間帯と授業時間割が合わないからと録画で見せられたときでした。丸っこいブラウン管の白黒テレビと同じくらい大きい、オープンリールのごっつい機械でした。テープレコーダーですら珍しかった時代に、純真な少年はテレビ放送を保存しておいていつでも観ることができるということに衝撃を覚えたもんです。
 
 その後しばらく経って田舎の電機店にも家庭用のビデオデッキが登場したものの、まだまだ高価な代物でした。そして高度成長の波に乗って家庭用ビデオもいっきに普及が進み、バブルに向かう時代の流れの中で、伝説となったVHSとベータの戦争によってさらに価格が安くなって、いよいよわが家にもビデオデッキがやってきたのは、私が大学を卒業した年のことでした。山のように増えていくビデオテープの収納に困ったもんです。
 
 爾来30年以上が経過し、デジタルの世の中になってテレビとレコーダーの飛躍的な高機能、高性能化とともにソフト、コンテンツの多様化も急速に進み、今や誰もがお手軽、気軽に超絶キレイな映像・音声で、さまざまな番組を楽しめる時代となっています。
 
 テレビ周りはもう進化しつくしたのかなと思ってたら、ハイビジョン映像の4K、8Kと技術革新は未来を見つめてまだまだ進んでいくのやそうです。
 
 人類の叡智は「あったらいいな、できたらいいな」を次々と実現していきます。

紳士たれ?

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 その昔「巨人軍は紳士たれ」などと言われていたことがありました。かつてのジャイアンツのオーナーでプロ野球の父といわれた読売新聞社主の正力松太郎氏の言葉やそうです。いまとなっては大笑いです。
 
 ジャイアンツの現状を「大」正力が見たらいったいどう言って嘆くことでしょうか。ここしばらくありえない不祥事を連発しているのはことごとく読売ジャイアンツです。野球賭博で投手が3人クビになって、収束したかと思ってたら、いよいよペナントレースが始まろうかというタイミングでもうひとり「僕もやってました」ジャイアンツのピッチャーです。またぞろ週刊誌記者の追及が突破口になったとか。週刊誌が食いつかなければ知らん顔して逃げおおせてたわけで、きわめて悪質です。バレてないだけでほんとはほかにもおるんやないかと思ってるのは私だけではないでしょう。がんばれ週刊文春。
 
 もう10年ほど前のこと、大学野球からの入団選手獲得に際して規定以外の裏金を渡していたことが発覚して騒ぎになりジャイアンツオーナーのナベツネが辞任しました。
 
 同じ頃、原監督が女性スキャンダルで元暴力団関係者から恐喝され、1億円を支払ってたことが発覚しました。
 
 その5・6年後、球団代表が「コンプライアンス上の重大な件」とする記者会見を開き、コーチ人事を巡って球団会長が不当に介入したと身内の恥を晒してクビになった「清武の乱」。JABIT.jpg
 
 その次の年、今度は決められた新人契約金の最高標準額(1億円プラス出来高払い5千万円)を超える契約を多数の選手と結んでたことがバレて「金権野球」と非難されました。これをスクープした朝日新聞と大喧嘩になり、去年一審で朝日が勝訴、ジャイアンツが控訴してます。
 
 そして先日、元花形選手やった清原氏が覚せい剤所持で逮捕され、日本中が大騒ぎになりました。この騒動は各方面に波及しまだしばらく続きそうです。
 
 そういや大昔「空白の一日」事件なんてのもありました。ジャイアンツに入りたかった江川投手と、江川がほしかったジャイアンツが結託してドラフト制度の盲点をつきズルして強引に入団発表した事件で、世論の猛烈なバッシングを食いました。
 
 プロ球団としてはわが阪神タイガースに次ぐ人気球団です。したがってジャイアンツがらみの不祥事がいやでも世間の耳目を引くという面はあるでしょう。しかし、それにしたって多い。醜聞の総合商社といった様相を呈してます。なぜ、こんなことになったのか。
 
 ひとえに人気球団のおごりに尽きます。日本の球界はジャイアンツが主役であり自分を中心に回っているという思いが根強かったことから、ドラフト会議でのルール無視などの狼藉を起こし、人気球団ゆえの金満体質が嵩じて札束にものを言わせて有力選手を次々に獲得するなど、プロ野球の楽しさを損なう背信を繰り返してきたのです。「リーグ再編」を唱えた際には、全プロ野球ファンを敵に回して、結局頓挫しました。「ジャイアンツ1チームだけでリーグ作ったらいい。そうすれば毎シーズン優勝できてナベツネも満足だろう」などと揶揄されたもんです。
 
IMG_6205.jpg 今回の賭博騒動、メディアも大喜びですが、さすがに読売新聞は勢いがない。各紙こぞって連日のように大きく伝え、ジャイアンツを糾弾しその体質改善と浄化を訴えるなかで、読売だけは「球界全体で取り組む必要がある」などと、自身の責任をプロ野球界全体に転嫁しようとする斜め上の主張が見られてなかなかにおもしろい。
 
 さらにこの期におよんで、ファンのコメントとして「巨人はプロ野球の模範となる必要がある」などと書いてます。これには大笑いです。誰もそんなこと思ってないって。いまやジャイアンツは球界最低の札付き、お荷物球団となり果てているのです。いまだにその自覚がなく、まだ自分が球界の中心であるかのような思いあがった認識こそ、この機会にあらためるべきです。模範になんかならなくていい。他の球団に迷惑かけない程度にはまともになりましょうや。
 
 さて、この悪の権化である読売一味の中心に君臨してきたのが言うまでもなく「ナベツネ」こと渡辺恒雄元オーナーです。先年のプロ野球初のストライキに際しては「たかが選手のくせに、分をわきまえろ」と言い放つなど、プロ野球ファンのみならず全国民から魔界のラスボスのように忌み嫌われている存在です。最近テレビで見なくなりましたが、今回は一連の問題についての追及を避けるためにとっとと球団最高顧問という役職を辞めちゃって隠遁してます。哀れなもんです。
 
 しかしこの男、ネットの情報によるともとは共産党員で、戦後中曽根元首相ともじっこんの間柄であったにもかかわらず、自身の軍隊体験から靖国神社のA級戦犯合祀には強硬に反対し今も参拝はしないとか。そんな一面もあったのかと、ちょっと見直した次第です。
 
 ともあれジャイアンツ、このまま何事もなかったかのように今年のペナントレースに臨んでいくんでしょうか。辞退しちゃうといろいろ問題あるので、例えば東京ドームでの主催試合はすべて無観客で行うとか、あるいは全一軍選手が年俸の半分を福島復興に寄付するとか、ちょっとは反省を形にしてもらいたいもんです。
 日に日に春めいてまいりました。スギの花粉飛び交うこの季節、憂鬱な人も多いそうですが、幼き頃より吉野杉の美林地帯で育ったわたしにとっては、花粉症などまったく縁のないシロモノです。アレルギーに苦しむうちの奥さんから「この野蛮人め」と罵られるのも春先の恒例となりました。代われるもんなら代わってやりたいわ、ホホホ。
 
 さて、以前、買った本を処分したことがないということを書きました。蔵書を手放せない性格が災050246072_iOS.jpgいして溜まる一方やったわけですが、このたびきっかけがあって文庫本を一斉に手放しました。
 
 職場が事業の一環として職員からも寄付金を募っており、いろいろ方法があるうちのひとつ、古書業者と連携して不用となった蔵書を売った代金を寄付に回すというキャンペーンが始まったのです。少しでも役に立つものならばと、一念発起しこの機会に処分することとしたわけです。
 
 自分で古書店などに持ち込むのは手間がかかるし、宅配便で送るにもそれなりの費用がかかりますが、これらを職場が負担してくれます。実にいい機会です。
 
 かといって、やっぱりどの蔵書もそれぞれに思い出があり、どうしても手放したくないものも多い。そこで手始めに文庫本からということで、まず家中に散在する文庫本を集めてみることにしました。
 
 押入れの中、本棚の隙間、タンスの中などあちこちからまあ、でるわでるわ。みるみる部屋の床を埋め尽くしていきます。4、5百冊はありそうです。これ全部、この狭いマンションに収まってたのか。およそ奥さんとたった二人だけで読んできたとは思えない量ですが、これまで捨てたことなかったんやから当然と言えば当然か。
 
 推理、SFから歴史、恋愛小説、実に雑多なジャンルの背表紙を眺めるに連れ、あらためて節操のない乱読ぶりが見て取れます。思えばこれだけの量の本を読むのにどれだけの充実した時間が流れていったことか。お世話になりました。中には何となくストーリー覚えているものもありますが、そうでない方が圧倒的に多い。いかに身についてないかということですわ。かといって、も一度読もうとも思わない。そんなことやりだすと、ほとんど処分できなくなります。ここは心を鬼にして、バッサリといきます。
 
 用意した段ボールに詰めてみると、9箱となりました。
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 連携してる業者に連絡したところ、クロネコさんが集荷に来てくれました。着払いの伝票には荷物一個約900円の金額が記載されてるんで、送料だけで8,000円強ということになります。箱の中身はおよそ値段がつきそうにない古い文庫本ですよ。多少のお金にはなっても送料のこと考えると多分赤字ではないやろか。こちらは、スッキリと処分するきっかけとなったことで実にメリットがあったわけですが、何とも申し訳ない次第です。
 
 学生時代、新刊書は高くてあまり買えず、もっぱら文庫本買ってました。どうしても読みたい場合は図書館で借りることもあったけど、読んだ本は手元に残したい方やったんで文庫化を待って買うことが多かった。リーズナブルなお値段は貧乏学生にはありがいもんでした。小学生の頃、新刊の薄い文庫本を80円で買ったことを覚えてます。今では文庫とはいえページ数が多いと1,000円超えるのんもあったりで、この間の物価の上昇をはるかに上回る高騰といえます。もはやそれだけの価額を設定しないと出版業がたちいかないということでしょう。
 
 ネット万能で便利この上ない世の中ではありますが、じっくりと読書に耽る贅沢な時間を大切にしたいもんです。

WELCOME

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PROFILE

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katsuhiko

男 

血はO型

奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

生まれてから約半世紀たちました。

お休みの日は、野山を歩くことがあります。

雨の日と夜中はクラシック音楽聴いてます。

カラオケはアニソンから軍歌まで1000曲以上歌えます

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