2014年8月アーカイブ

源流の森

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P8304847.jpg 奈良検定1級受検に際しては、奈良商工会議所が主催する「体験学習プログラム」を受講することが要件とされてます。奈良のよさを知るための実に多くのプログラムが用意されており、わたしは昨年1級受検のために「榛原と大宇陀・阿騎野を訪ねる」というプログラムに参加して受検資格を得ました。同時に「源流の森を歩く」というプログラムにも申請したのですが、こちらは台風の襲来であえなく中止となりました。

 昨年1級合格したので学習プログラムへの参加はもう必要ないのですが、吉野川源流への思い断ちがたく今年リベンジすることとし、ふたたび申請したのです。で、昨日行ってきました。

 1名のみ同伴可能とのことなんで、川上村ゆかりの親しい友人を誘ったところ一緒に来てくれることになり、わくわく倍増です。

 近鉄大和上市駅から集合場所の川上村「森と水の源流館」までバスに乗って、さあここから歩くのかなと思ってたところ、スタート地点はそこからさらにさらにマイクロバスに揺られて登りつめたところでした。そら、そうですわな。源流地は深い深い森の奥です。P8304893.jpg

 川上村は林業の村です。というより林業以外に産業がありません。田んぼ1枚もない。1日ガイドしていただいた源流館の先生のお話、村の面積270㎡やから大阪市よりちょっと広い。その95%が森林で残りの5%が道路。民家などはほんのゴマ粒状に点在するのみとのこと。人口1,600人。少なっ(^^)。

 さて、参加者は10数人、遠く東京から来はった人もありました。さあ出発というとき先生が全員の靴にヤマビル除けの薬剤を吹きかけてくれました。私も買って持ってったのと同じのんです。皆さんズボンの裾を靴下の中に入れています。そう、今回のイベント最大の強敵は「森の吸血鬼」ヤマビルなのです。恐ろしいことに、足にとりついヤマビルは15秒で首まで昇ってくるとか。

P8304878.jpg 出発してしばらくは植林された民有林を行きます。整然と並ぶ吉野杉が見事です。谷に降りて沢を渡ったところからが原生林です。開発を阻止するために村が買い取ったとか。今回はその森の中には足を踏み入れず、沢沿いにいけるところまでさかのぼって源流地を目指します。地面に足跡を残すとその下の微生物たちに影響が及ぶのです。素人が入ってはいけないエリアです。

 道々、周囲に生える植物や森の成り立ちなどについて先生の興味深い解説を聴きながらゆっくりと上流に進んで行きます。やや開けた河原で昼食をとったのちいよいよ源流地帯へ。さっきまで歩いてた民有林のうちは実に貧弱ながらもまだ道らしきものがありましたが、普段立ち入れない原生林には当然ながら道がない。思えば、道のないところを歩くなど実に珍しいことです。人が通ることを想定していない地面はかくも歩きにくいものか。足の裏にしっかりと地面や岩を感じて体重を移して一歩を進めないと足首に容赦ないダメージを与えてきます。登山やハイキングなど日頃「歩く」といっても整備された道のみ辿っているわたしなど現代人にとっては、何とも過酷な道行といえます。距離にするとほんの3~4㎞でしょうか、しかし相当に足に負担がかかるトレッキングでした。

 われわれ素人が行けるところまで行きました。本当の源流となるともっともっと登っていく必要があるのでしょうけど、とても無理です。このあたりが源流の一帯ということで、ゴールであります。IMG_2688.jpg

 ペットボトルに貴重な源流水を入れます。帰って珈琲で味わうこととしましょう。

 久しぶりに超自然の中に身を置きました。道々出会った貴重な樹木や小さな虫にとっては人間の襲来などはさぞ迷惑やったでしょう。昔聞いた「風景は果たして人間が出現以前からもあったのか」なんていう哲学的な話を思い出しました。古来人間は森に神や精霊を見出してきました。先生の話によると川上村には昔、ガタロウ(河童)が住んでいたそうです。村人に悪戯するという、人とのコミュニケーションが成り立っていたのです。

 しかし、科学の進歩に連れて人間がいつのまにか、自分たちが自然を支配しているという幻想に取りつかれた結果、河童もその他の生き物も、もう人間と遊んでくれなくなったのです。なんとも悲しいことです。

 スタート地点の源流館まで戻って解散となったとき、先生のお話「森からの恵みは経済効果にして年間25兆円、森を大事にしましょう。」実際に歩いてみて保護の大切さを実感するとともに、それを実践している川上村の取組には素直に敬意を感じた次第です。

 実に貴重な体験でした。都会の日常へと帰っていく近鉄特急に揺られ、同行してくれた友人に感謝しながら、川上村に限らず日本中の大自然が永劫失われることなくいずれ河童が帰ってきたらいいな、とかしみじみ思ってました。

はじめての歌舞伎

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img023.jpgのサムネイル画像 昨日行ってきました。歌舞伎座ではなくミナミの国立文楽劇場で行われた「上方歌舞伎会」というイベントです。

 これまで、観たい観たいと焦がれつつ機会がなかったホンマもんの歌舞伎、やっと成就しました。生まれて初めてです。演目は「義経千本桜」から「下市村椎の木の場」「下市村竹藪小金吾討死の場」そして「下市村釣瓶鮨屋の場」。

 つまり、長年機会あればと思ってた歌舞伎、それが今回、故郷下市ゆかりの「義経千本桜 鮨屋の場」の公演を知るところとなったことから、ここしかないと思い立ったわけです。
 結果、期待どおり大いに満足、大いに感動して帰ってきました。

 「義経千本桜」は平家に追われる義経を扇の要のように、様々なドラマが展開されていきますが、昨日の下市村の場では義経のヨの字も現れず、源氏に追われる平維盛と「いがみの権太」という下市村のチンピラを中心とした物語です。この三段だけでいちおう話が完結するので近年ではよく上演されるんやとか。千本桜全編やと初段から五段目まであって、下市村のくだりは三段目です。全段通すと丸いちにちかかってしまいます。かつてはそうやって上演されてたんでしょ。

 舞台になってる「つるべ鮨 弥助」実は、今も下市に実在するお店なのです。わたしも子供のころからその存在は知ってまgonta.gifしたが、「なんか、歌舞伎と関係あるらしい」ぐらいの認識でした。今回実際に観て、ふるさとが全国に誇るべきことがらのひとつをやっと理解したという気がします。ちなみに下市町のゆるキャラは「ごんたくん」です。

 現代では実に様々な劇団が公演を打ち、ひっくるめて「お芝居」と言ってますが、かつてわが国で「芝居」といえば歌舞伎のことでした。江戸の昔、出雲の阿国がルーツとされるこの伝統芸能、観客はかかる演目の筋書なんかすでに百も承知であって、映画のようにスト―リーの展開を楽しむわけではなく純粋に役者の芸を観たいわけなのです。独特の所作、独特の台詞、観る者は舞台の役者が次にどういう台詞を吐くかをすべて知った上でなお芝居を鑑賞します。芸を楽しむのです。落語やなんかと同じですよね。

IMG_2664.jpg 歌舞伎の魅力は「様式美」です。リアリティのかけらもない。物語のツジツマもところどころ「?」突っ込みどころがたくさんある。しかしそんなものは何の障りにもならない。舞台・客席一体となってわが国の伝統としての様式美にひたる。それが歌舞伎の楽しみ方なんやなあと、いまさらながらに思いました。

 まず、衣装がすごい。メイクがすごい。衣装のせいで舞台や花道に立つ役者さん、皆一様に大きく見えます。実際にこんな重たい格好で旅に出たり決闘したりはでけんわけです。舞台に登場する役者さんのいでたちを眺めるだけで値打ちがあります。高そ~とか思ってしまいます。

 鮨屋の場のクライマックスに向かう場面、権太役の役者さんが花道で寄り目がちに遠くを見据えて見得を切った瞬間、背筋がぞくっとする感動を覚えました。歌舞伎初めてのまったくの素人であるわたしに芸の良し悪しなんておよそわかるはずもありません。そのわたしが素直に「スゴイ」と思う。しかも、片岡松十郎。すんませんが全く名前知らない、今日初めてみた役者さんです。稽古を積んで素晴らしい演技の域に達しているのでしょう。しかし、この感動は400年間わが国において追求されてきた日本人が求める様式美の集大成に、わたしが初めて触れたことによります。理屈抜きでDNAがすなおに反応した。そんな感じでした。

 歌舞伎は伝統芸能とか言われ、あちこちに保存会やなんかもあって、ややもするともはやオワコンのように扱われてる感もあります。しかし、日本人がいる限りその魅力は廃れることなどなく、将来も連綿と隆盛をきわめていくに違いない。帰路、降り出した雨に打たれながらも興奮冷めやらず、そんなことを思ってました。

つくづく吉野

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 昨日、日帰り帰省しました。故郷吉野は大阪からもわりと近いので、たまに帰ってるのです。したがって別にお盆やからといってことさらに訪れることもないわけなんですけど、やはり日本人のサガと世の風潮に抗うことはせず、電車乗って帰ってきました。

 普段はクルマなんやけど、昨日は夏休み恒例中学校同級生のあつまりなどあり、往復電車にしました。

 吉野へは大阪阿部野橋駅から近鉄特急に乗ります。アベノといえば新名所あべのハルカスですが、展望台「ハルカス300」の人気はいよいよ高まり、昨日も当日券を求める長蛇の行列が通路まではみ出しているのが対面の天王寺駅からも見えてました。のぼってみたいけど時間がありません。また今度の楽しみとしましょう。IMG_2640.JPG

 ところで、ハルカスの展望台にのぼる場合は「昇る」「登る」どっちでしょ。普通のビルの最上階や屋上なら間違いなく「昇る」でしょう。しかし展望台として日本最高所、要する時間も最長となれば登頂の苦労を含めて「登る」でも間違いではないような気もします。「上る」もあります。日本語のあいまいで面白いところです。

 車窓から眺める吉野川、先日の台風11号の際には著しく増水しました。昨日は平時に比べるとまだ少し水位高く水も濁ってますが、広い河原には多くのクルマが乗り入れ、水泳やBBQなど楽しんでます。見慣れた吉野川の夏の光景です。水際にテント張ってる人もいる。どうかお気をつけて。

 おかげさまで高齢の両親ともに息災で、いつもながらに縷々世間話などしたのち、目的の宴席に参加すべく街中へと向かいました。

 何故か今年の夏は、甲子園開幕以降すっきりした好天に恵まれていません。きのうなんかはその最たるもんで、終日曇り空、ときおりスコールのような豪雨に見舞われ、やんだ!と思ったらしばらくしてまた土砂降り。なんとも不安定なお天気やったので、予約したビアホールはあきらめ、綺麗なワインバーに場所を移しての開催となりました。それはそれでいつもながらの実に楽しいひとときを過ごし、うちに泊まってもっと飲んでいけという、仲間のありがたい言葉にすがりたい誘惑に打ち勝ち、後ろ髪をひかれながら夜半過ぎに帰宅したという次第です。

 今年のお盆休み、先週半ばには、下賀茂神社糺の森で開催された恒例の下賀茂納涼古本まつりに出かけたのです。こちらもお天気がすっきりせず、ときおり強い雨が降るなかの古書散策となりましたが、2時間ほどうろうろしているうちに雨はあがり、人出も増えてきました。露店のワゴンもブルーシートが取り除かれ、並べられた文庫や新書もじっくりと探すことができました。

IMG_2638.jpg この日求めたのが写真の4冊。結果的に奈良・吉野関連の書籍が多くなりました。故郷下市の誇るべき歌人、前登志夫氏のことは以前にも書きました。お盆の帰省をひかえた日に目についたのもご縁と思って思わず手に取ってしまいました。故郷と物理的な距離が変わるわけではないけれど、心情的に故郷に呼ばれているのでしょう。果たして帰ってきたご先祖様のなせる技でしょうか。

 さて、長いお盆休みもいよいよ明日で終わり、仕事が再開されます。故郷に癒された心情と、友人との楽しい時間の代償としていささかダメージを受けた肝臓を抱えて、気力が満ちた状態でいきなりフル回転の日常へと戻ってまいります。

朝日新聞よ

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 台風11号が接近し、強い雨が降っているというのに、明日から1泊でゴルフコンペに出かけます。大阪と広島に事業展開するわが学園職員の親睦行事で、ちょうど真ん中あたりの岡山県のゴルフリゾートに集合するのです。しかし台風が抜けていく明後日はいいとして明日はどうも無理っぽい。それでも夜の宴会は決行するからとにかく集合すべしと号令かかってます。したがって明日は早朝の旅立つので、久しぶりに土曜日のブログ更新となりました。

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 さて、私はものごころついて以来、朝日以外の新聞を購読したことがありません。一貫して護憲・リベラルを旨とする主張と、美しい日本語を大事にする紙面に共感し、心情的にいちばん素直に読めるからです。人の思想信条はそう簡単に変わるものではありません。今後も朝日の購読をやめることはまずないでしょう。

 わが国の二大紙として双璧をなすのは世界最大部数を誇る読売新聞ですが、実は読売の記事も好きで職場ではよく読んでます。「編集手帳」は朝日の「天声人語」をしのぐ素晴らしいコラムで、しばしばこんな文章を書いてみたいと思わせるし「人生相談」ではときにちゃちなドラマに負けない人間模様が展開され大いに楽しんでいます。しかし阪神ファンの私が読売新聞を購読することは悪魔に魂を売り渡す所業であって、金輪際ありえないと断言できます。

 その朝日新聞が窮地に追い込まれています。

 ネット上や右派から「反日的」と攻撃されながらも独自取材に基づいていわゆる従軍慰安婦問題を伝え、内外で「日本の良心」と評されてきた朝日ですが、このたび「慰安婦問題を考える」という特集を組みました。「慰安婦問題 どう伝えたか 読者の疑問に答えます」という大きな見出しを掲げ、問題提起の発端となった吉田清治なる人物の証言が虚偽であったことを紙上で正式に認め、記事を訂正しました。

IMG_2622.jpg 人であっても組織であっても間違いを犯すと信頼なくすので、誰も自分の間違いは認めたくないもんです。しかし、しょせん人間は間違うようにできてます。大切なのは間違ったあとの対応です。「やっちゃったかなぁ」と思ったときは、いかに早く間違いを認め善後策を講ずるかが大事なんです。謝るのはそのあとでもかまいません。

 世論形成に影響が大きい大新聞が間違いを認めることは、なかなかに大変なことです。それを今回やってのけたことは評価できます。しかし、しかし、あまりにも遅すぎた。

 吉田の話はどうもおかしい、ウソとちゃうか、なんてことはずっと以前から言われてきたことなんです。もちろん朝日も気がついていた。ところが朝日、証言を根拠のひとつとして長期間にわたって慰安婦に謝れの大キャンペーンを張ってしもた手前、いまさら「間違いでした」とは言えなくなってしまった。そのうちに「天下の朝日が言うのなら」ってことで虚偽がいつのまにか真実として内外に浸透していき、気が付けば「日本は人権を無視するひどい国」ということで国際世論が固まってしまいました。もっと早くに誤りを認めて訂正していれば、こんな事態に至らなかったであろうことは容易に想像できます。IMG_2623.jpg

 過去の報道で知る限り、主体や規模はさて置き慰安婦の強制連行はどうもあったらしい。これはたとえ戦争時であっても許されない人権侵害として真摯に受け止め、二度と繰り返さないという決意は当然必要です。長らく埋もれたままになっていた事実を発掘し世論にうったえ続けた朝日の姿勢はさすがやと思うし、報道機関としてあるべき姿やと評価できます。

 しかし、その過程において調子にのって間違いを犯し、その結果日本の国益を大きく損なう事態を招いてしもた。なぜ影響が少ないうちに真実に向き合って、正すべきを正さなかったのか。結果の深刻さをを考えると残念でなりません。

 何年か前に当時の東京都知事が「尖閣諸島は東京都が買うど~」なんて言い出したことから、政府が中国に配慮してこれを阻止するために国有化したところ、何故か中国が騒ぎ出してわが国にとんでもない言いがかりをつけ始めました。挑発行為を先鋭化し、防空識別圏を勝手に設定するわ、領海侵犯を繰り返すわ、もうやりたい放題です。その結果当然ながら、日韓関係同様に日中関係も国交回復以来最悪となっています。ひとりヒトラーの出来損ないみたいな男の浅はかな言動が、海洋進出とアジアの覇権を狙う共産中国に妄動の口実を与え、結果的に国益を損ないました。近年の朝日の姿勢も結果的にこれと同じ構図であって、厳しく指弾されるべきです。

 今回の朝日新聞の特集では、結論として「それでも慰安婦の強制連行はあったし、許されないこと」であるとの論調で終わってます。そうやないでしょ。朝日が読者に対して検証すべきは、その報道の過程で犯した過ちを放置したことでわが国と国民の尊厳を傷つける事態を招いたことについて、何か言うことはないのかということです。書いたものとしてその責任をどう考えているのかということなのです。

 朝日は今回、訂正はしましたが、謝罪はしていません。自らに責任はない、反省はしないという姿勢が見て取れます。これでは「読者の疑問に答え」ていません。ダメです。

IMG_2569.jpg 台風の影響でぐずついた天気が続いています。部屋のデジタル時計は気温27.4度、湿度75%。不快指数を計算すると78.1となります。「日本人の場合、不快指数が77になると不快に感じる人が出はじめ、85になると93%の人が暑さによる不快を感じると言われている」そうです。(ウィキペより)

 しかし、この程度の気温と蒸しようならばエアコンなしでも十分対応できます。扇風機にあたっているとむしろ爽やかなくらい。梅雨を乗り切った日本人のカラダは夏の湿気をもろともしない耐性を得るのやなあと感心した、今朝の目覚めであります。

IMG_2564.jpg さて、昨日のこと。職場地域の経済団体の関係で京都の貴船に行ってきました。年次総会などの行事のあとの懇親会はお約束の川床料理でした。

 実は昨年も同じ目的、同じお店で川床を堪能したのです。

 納涼床は川沿いや川の流れの上に床を設置して宴席とする京都の夏の風物詩で、鴨川へりと貴船が有名です。鴨川では「ゆか」、貴船では「かわどこ」と呼んでます。

 今年はすでに双方とも臨む機会がありました。いずれも仕事の関係ではありましたが。さらに先日の気の置けない仲間の集まりも祇園やったし、今年の夏も京都づいてます。

IMG_2498.jpg 鴨川の床は京都の中心、四条大橋の南北川沿いに並ぶお店がそれぞれ川に向かって床を設置してます。実にたくさんのお店が競っています。床は水の流れの真上というわけではありませんが、広い鴨川の水面を渡ってくる風はそれなりにヒンヤリしていて、夏の屋外にありながらそれほど暑さを感じません。祇園や河原町にも近くアクセス便利で、お気軽に寄れることから繁盛を極めてます。

 一方、貴船はアクセス不便。電車やと京阪、叡電と乗り継いで最寄りの貴船口の駅からさらに数キロ。お店から迎えの車が必要です。しかし川床の風情は圧倒的に貴船の勝ち。京都の北、鞍馬の山中に向かってとっとこ登っていくだけあって、そもそも気温が市中よりもかなり低い。床が流れの速い川面の上にあるのでそのぶん冷える。さらに周囲を山に囲まれてフィトンチッド発散とマイナスイオン効果もこれあり、いるだけで爽やか。日暮れにはさらに情緒が高まり、つまりは納涼効果抜群なのです。IMG_0719.jpg

 しかし昨日はお天気がもう一つということで、はたして床に出られるかどうかが実に微妙でした。雨が降ると当然アウトです。一時は「今日は室内で」という話も出たのですが、結果的にお天気持ってくれて宴席はつつがなく実施できました。せっかく遠路貴船まで来てるのに室内で普通の宴会では何とも味気なくなるところでした。ただし、芸舞妓さんの着物や地方さんの三味線に雨がかかると具合が悪いということで、京舞の披露を先に室内で済ませたのちに床に移動して宴会再開という段取りとなりました。まあ、よかった。

 いっそ川を覆う開閉式の屋根を造ればもっと効果的やのに、なんて話も席上出たのですが、河川法やなんかの規制でそれはできないんやとか。野暮な法令とは思いつつ、いろいろと大人の事情があるみたいです。

 無事に宴会終わり、大型バスで大阪に帰る一行と別れて私は貴船口の駅から叡電に乗ったのですが、電車走り始めて何故かすぐに急ブレーキ。警笛をブォォ~ンと鳴らし続けてます。何事かと思ったところどうやら前方線路上に鹿が1匹寝ていた模様。しばらくして走り始めると線路脇の林の中から車窓を恨めしそうに見上げる小鹿の姿が見えてました。

 さて、今日は甲子園でナイトゲーム観戦予定なのですが、台風の雲がさらに攻めてきており、こちらも雨が心配です。なんとか中止になりませんように。

WELCOME

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PROFILE

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katsuhiko

男 

血はO型

奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

生まれてから約半世紀たちました。

お休みの日は、野山を歩くことがあります。

雨の日と夜中はクラシック音楽聴いてます。

カラオケはアニソンから軍歌まで1000曲以上歌えます

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