2014年1月アーカイブ

 IMG_1306.jpg先日、いつも世話になっている親しい友人の父上が亡くなられ、弔問のために帰省しました。

 いつもクルマなのですが、この日は電車にしました。途中にたちよる訪問先が駐車しにくく、前後の動きを考えて時間的にもあまり変わらないことなどから電車を選んだのです。

 ふるさとは奈良県吉野郡下市町といいます。県南部の山峡の町で、最寄り駅は「下市口」という近鉄吉野線というローカル線の駅です。住んでる大阪からわりと近いこともあり、年に何度も帰省します。しかし、電車でというのはめっきり少なくなり、久しぶりにこの駅に降り立つとなんとも懐かしい思いが募りました。

 下市口駅は、大峰山や天川村といった奥吉野地域に向かう玄関口としてかつては大いに賑わってました。下市の隣町の大淀町に立地しながら「下市口」という駅名であることが、できた当時の状況を今に伝えています。今や両町の勢いは完全に逆転していますが、駅名は変わらないままです。

 この駅、地域産業の衰退による人口減少に伴って利用者が急激に減り、すっかり寂しくなってしまいました。駅前広場にあった土産店なども次々に姿を消し、発着するバスも減りました。

 田舎育ちの私にとって、幼いころから通学その他出かけるときには必ず利用してた行動の拠点であり、幼少の頃には駅前の商店街の喧騒に胸ときめいたものでした。しかし、久々に訪れてみると駅舎は変わらないものの、人影がめっきりと減り、商店街も多くの店がシャッターを下ろしています。人口の激減に加えて自動車の普及と郊外型大型店舗の攻勢によってすっかり衰退したのです。

 この日乗った近鉄電車の車内も、途中、橿原神宮前までの南大阪線の区間はそこそこ乗客がいたのですが、吉野線に入るとガラガラとなり、まさに空気を運んでいる状態でした。吉野線区間だけやとおそらく赤字なんやないでしょうか。もっとも、春の花見の時期には壮絶な混雑となって臨時列車も走るそうなんで、よくあるように「切り離すから自治体で面倒みてよ」という事態にはならないでしょうけど。

 思い起こせば高校時代、朝の通学時には満員やけど、それ以外の時間帯はとても空いてました。しかも単線で利用者が多い時間でも運行本数増やせないもんやから1本乗り遅れるとその日は遅刻決定、駅までは必死で自転車漕いだもんです。

 まだ、そこそこの利用者があり吉野地域の観光産業もあることから、当分は存続しそうですが、将来的にはどうなるか予断を許しません。もしこの鉄路が断たれるようなことがあると、わがふるさとは壊滅的な打撃を受けます。なんとか利用者が増えていってほしいもんです。

 ところが、そう思いながら結局この日も帰りには友人に駅までクルマで送ってもらい、取り込み中のお宅に迷惑をかける結果となりました。やっぱり、クルマで行けばよかった。

 つまり、田舎では電車の利用が減っていくのです。う~ん。

奈良検定2年目

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IMG_1279.jpg 先日、連休中日の日曜日、「奈良まほろばソムリエ検定」受検してきました。

 通称「奈良検定」は、「奈良通2級」、「奈良通1級」、最上級の「奈良まほろばソムリエ」と3段階あって、1級は2級合格者が、まほろばソムリエは1級の合格者が受験できます。毎年1回実施されます。

 ほかの多くのご当地検定同様、合格しても別に何のメリットもないのですが(ソムリエになると、ほんの少し特典がありますが)純粋に郷土愛のなせるわざです。ふるさと奈良を語るのならもっと奈良のことを知っておくべしという思いもありました。

 主催の奈良商工会議所がテキストを発刊してて、郷土の地理・歴史・文化などきわめて広く網羅されており、読んでみると知らないことだらけで、非常に興味深い。検定の問題もその多くがこの中から出題されます。したがって受検する人はまずこのテキストのお勉強から始めます。

 2級は出題の90%、1級は70%がテキストに記載されていることが出されるとのことです。試験は四択問題100点中70点で合格なので、テキストをしっかり勉強していればほぼ合格できることになります。しかし、なんせ350ページもある大部なので、これがなかなかしんどい話なのです。しかも、最難関のソムリエ級は四択問題に加えて小論文形式の問題もあり、また出題の多くはテキストにはまったく載っていない項目です。まさに奈良のすべてに関する幅広い知識と造詣、応用力が問われることになります。

 昨年の合格率は奈良通2級62.8%、奈良通1級49.5%に対して奈良まほろばソムリエ15.1%と、やはり最上級は相当に難しくなっています。

 さて私は、昨年2級を通過したので、今年は1級にチャレンジしました。

 会場の帝塚山大学に早めに到着し試験会場教室前の廊下でテキスト読み直してると、受検者のみなさん、一様にテキストや資料をにらんで最後の詰め込みを図ってます。せっかく1年間勉強した成果なんやから、何とか受かりたいですよね。頑張りましょう(^^)

 さあ、いざ試験始まって問題読んでみると、やっぱり知らないことがいくつも並んでます。「えぇっ!こんなんどこにも書いてなかったやんか!」と狼狽する一方で、知ってる項目があると「しめしめ ♪」てなもんです。今回8回目の実施で、過去に出題された同じ問題が多く出されるのもこの検定の特徴です。今年も知ってる問題がちらほら出てて、わりと得した気分。

 昨年の2級は9割以上の正解で、試験終わると同時に合格を確信しましたが、今回は、合格圏の7割とれたかどうか微妙な感じ。モヤモヤしながら会場を後にした次第です。

 ところが、帰ってテキスト繰ったりネットで調べたりしながら自己採点してみると、どうやら合格ラインに届いた様子。うれしい。happy02

 今日は大学入試センター試験2日目です。受験生諸君の苦労には比ぶべくもない、能天気なオッサンの道楽ではありますが、好きな奈良県についての知識が増えていき、勉強の過程ではいろんな人との交流もあり、また結果が形になる。なかなかいいもんです。

 ここに至ったからには最上級ソムリエ獲得をということになりそうですが、こちらは段違いの難関です。数年計画でぼちぼち精進することとしましょう。

rinia.jpg 今日は「奈良まほろばソムリエ検定」の受検に出かけてて、更新が遅くなりました。その奮闘の様子はいずれ書いていくとして、今日は、今話題の「リニア中央新幹線」についてです。
 
 旅が好きで、若い頃はあちこちフラフラしてました。貧乏学生やったのでもっぱら日本国内ですが。お金があったとしても海外に出かけることはなかったと思います。この美しい日本をもっと良く知りたいという思いからの彷徨でした。東京にいた学生時代は信州が好きで、適当に1、2泊の準備だけして行き先もはっきり決めずに夜行列車にとび乗ったもんです。

 なもんで、就職活動時期は旅行代理店にも会社訪問しました。訪問先で先輩から「旅が好きでも仕事にするのは全然ちがうよ」 という話を伺って、早々に諦めましたが。

 今でも旅行にはたまに出かけますが、「旅」とは別物です。旅行は行った先での観光や温泉めぐり、あるいは長逗留して保養など、目的地に到達してからの活動がイベントの中心であるのに対して、旅は移動そのものが目的です。動いている過程での体験、発見のために行くのであって、あらかじめ設えられた出来合のイベントではなく、「わからないこと」を求めて出かけるのです。既定ルートどおり、予定時間ピッタリの見物よりも、ハプニングの方が想い出に残るのものなのです。

 そう考えると、旅の過程は長い方が値打ちがあるのに、昨今はとにかくいかに早く目的地に到達できるかが売り物となってます。長く乗っていられる鈍行列車よりも、あっという間に着いてしまう超特急新幹線の方が値段が高いとは、何たる不合理であることよ。

 究極が最近話題のリニアモーターカーによる中央新幹線です。

 東京-大阪間1時間とちょっと。これはもう通勤圏内ですわ。わたしが愛してやまない桂枝雀さんは生前、旅のネタをかけるときによくリニアのことをマクラに振ってました。東京-大阪間1時間というけど、新幹線と同じように徐々に速くなって、いずれ東京-大阪10分という時代がきっとくる。そうなったら、買った駅弁はどこで食べたらいいのでしょう(^^)というやつです。リニア新幹線は旅の手段と考えてはいけないんであって、地下鉄の大っきなものと割り切ればいいんでしょうね。実際、ルートの8割方がトンネルやそうですし。

 そろそろ着工するそうですが、果たして成功するでしょうか。東京-名古屋で5.5兆円、大阪までで10兆円とか言われてる事業経費、実際にはまちがいなく大幅に膨らむでしょう。とにかく工事を早く始めるために、少なく少なく見積もって発表するのが国家プロジェクトです。かの本四架橋は完成までに当初計画の4倍以上お金がかかったそうです。ずさんな計画の尻ぬぐいには血税がジャブジャブ使われたのに、誰もその責任をとってません。始めてしまえば後のことは何とかなるという、事業を成し遂げるための計画でなく、始めるためだけの計画なのです。リニア新幹線もこのパターンになるのは間違いありません。しかも今度はこれまでの不採算事業とはケタが違います。

senro.jpg 新幹線を造ったとき、「世界三大無用の長物」として「万里の長城、ピラミッド、新幹線」なんて揶揄されたそうです。諸説あるそうですが、日本に関連して考えると 「戦艦大和、新幹線、青函トンネル」 といったところか。最近では諫早湾の堤防や本四架橋に加えて、イナカの豪華高速道路なんかも含みたいですよね。

 リニア新幹線の開業が誘因となって東京-大阪間の人の移動が大幅に増えないと建設費は賄えません。今、新幹線使ってる乗客がそのままリニアに移行しただけでは意味がないわけで、東京-大阪は新幹線廃止、リニアだけにして、運賃も今の2、3倍とらないと採算合わんのやないかと思います。果たしてそれが経済効果をもたらすやろか、という話です。高度成長期みたいに、とにかく働けば儲かっていた時代であればいいでしょう。しかし、残念ながら、新事業によってどんどん新しい仕事が増えて社会の発展につながっていく時代では、もはやありません。この低成長期、世界最大の借金国日本に、この大事業を真の意味で成功させる体力があるのか、はなはだ疑問です。

 ふるさと吉野のわりと近くに、旧国鉄が着工したけど資金が続かずに途中で頓挫した「幻の五新線」という線路跡があって、廃墟マニアや一部のテツたちの人気スポットとなっています。当時は日本中にこんなのがありました。ほかにも工事が途中で止まってしもたハコモノの話はごまんとあります。リニアもそうならないでしょうか。とにかく完成はさせたものの、そのしわ寄せが税金に跳ね返らないでしょうか。きっと、国のエラい人たちにはわれわれ凡人には思いもつかない深慮があるのや、と無理に信じないとやってられない今日この頃です。

 超高速鉄道には、確かに夢があります。夢を実現するニッポンの科学技術はスゴイと心から感心するし、日本人のひとりとして誇りを感じます。しかし、夢の実現だけのために多くの国民の幸せを犠牲にすることがないように祈ってやまないわけです。

 リニアが大阪まで延びるころには、おそらく私はこの世にいないでしょう。夢は夢として、当分、のんびりと自分なりの旅を楽しむこととしましょうか。

12月の旅人

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 あけましておめでとうございます。

 今年は全国高校ラグビーにわが学園の2高校が出場しておらず、久しぶりに花園に出かけないお正月となりました。年末の開会式には昨年の優勝旗を返還するため、主将だけが参加しました。可哀想なもんです。来年は是非とも雪辱を果たしてほしいものです。

 さて、年の瀬も押し迫った12月30日大瀧詠一氏死去のニュースが伝わりました。

 30数年前、私は1年間の大学浪人時代を終え、晴れて大学生となり希望に胸膨らませて上京したのですが、今思い出してみると、その学生生活開始の号砲となったのが、大瀧の最大ヒットであり一世を風靡した名盤 「A LONG VACATION」でありました。当時ラジオでも街中でもしょっちゅう流れていました。アルバイトしてた喫茶店でも有線放送で毎日かかってました。「君は天然色」の弾けるようなイントロを聴くと10代最後の懐かしい日々が脳裡に甦ってきます。

 アルバムの最後を飾る「さらばシベリア鉄道」ははじめ太田裕美が歌い、あとで大瀧がセルフカバーした曲です。哀愁を帯びたメロディーがなんともいいですよね。よくカラオケでも歌った大好きな曲でした。

 その後大瀧さん、ドラマの主題歌やなんか出してたそうですが、よく知りません。私が知らないだけで、いろんな音楽活動されてたのでしょうけど、やはり大瀧詠一といえば「A LONG VACATION」ですよね。青春時代の印象は強烈です。

 LPレコード持ってたような気がしてたのですが、探してもこれがない。つまり、貧乏学生生活の中ではやはり買うことができずレンタルレコード経由でカセットテープで聞いていたのでしょう。そう。その頃はCDレンタルではなく、なんとLPやEPのレコードもレンタル店があったのです。よく利用してました。発売直後の新しいレコードはいいのですが古いレコードはしだいにキズが増えていき、使用に堪えなくなるものも出てきます。返却のときに店員さんが一応チェックしますが、かたちだけやったように思います。

 音楽産業のかたちもずいぶんと変わってきました。媒体がレコードからCDへと変わり、いまではダウンロード販売が増えてきています。書籍と同じく出かけなくても好きな曲を入手できる便利な時代になりました。はたしてCDやビデオのレンタル業もこの先どうなっていくのでしょうか。

 天然色に輝いていた日々に思いを馳せ、「シベリア鉄道」あらためて聞きながらのブログはじめとなりました。

 ラグビーがなかったいつもと少し違う穏やかな正月も過ぎ去り、普段どおりの日々が戻ってきます。今日は日曜日やというのに仕事始め、経済団体恒例の賀詞交換会に出席します。

 本年もどうかよろしくおつきあいください。

WELCOME

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katsuhiko

男 

血はO型

奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

生まれてから約半世紀たちました。

お休みの日は、野山を歩くことがあります。

雨の日と夜中はクラシック音楽聴いてます。

カラオケはアニソンから軍歌まで1000曲以上歌えます

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