2013年9月アーカイブ

増えていく空き家

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 先週のある日、家に帰ると「住宅・土地統計調査票」なるものが置いてありました。

 聞くと、昼間に役所から調査員さんが来て「お宅が対象となりましたのでお願いします」ということらしい。

 国勢調査みたいなもんで5年に1回やってるそうです。国勢調査は人の状況を調べるのに対して、この調査は土地と建物の実態を調べるためのものやとか。総務省の統計局の仕事で、このお役所はほかにも家計調査やら消費者物価やら科学技術研究やらいろいろなテーマについて、わが国の実態を調査して統計をつくることをもっぱらに行ってます。

 国勢調査は忘れた頃に必ずやってくるけど、今回の調査は聞いたことがない。初めてです。何十件に一件抽出して対象にするのやとか。当たった。

 紙の調査票に記入して調査員さんに渡すか、ネットでオンライン回答するか、どっちでもいいとのことやったので、当然ネットで。先ほどちょいちょいと入力して送信しました。便利な世の中になりました。

 なぜか大島優子が表紙で微笑むパンフレットに前回までの調査結果の一部が載ってます。それによると大阪府では空き家の増加が続いているとか。これは全国的な傾向ということです。戦後まもなくのわが国では住宅難が社会問題化してたので「空き家」なんておよそ珍しかったのに、5年前のこの調査結果では全国の空き家率13.1%。7~8軒のうち1軒は空き家になってる計算です。とくに地方で顕著で、都道府県別トップの山梨県では20.53%。5軒に1軒以上が空き家。富士山を眺めるリゾートにある多くの別荘も含まれるという影響もあるんやろけど、やっぱり多い気がします。もったいない。

 欧米の築数百年の石の住居と違って、わが国の民家は基本的に木造で耐久性がない。「古民家」と呼べる体裁が整ってれば違った需要が発生しますが、そんなのは希有な例です。大半はアンティークではなくて単なる中古となって、解体・撤去するにも費用がかかる。空き家が増えていくわけですな。

 リタイヤしたら田舎暮らししたいというビジネスマンが多いとかいいます。そんな希望に応えると同時に過疎化解消のために地方行政は「空き家バンク」なんてやってますが、わたしはまだそんなことしたいとは思いません。故郷への郷愁と感謝の念はだんだんと募ってはきてますが、スリリングな都会でもっと仕事したいという思いの方が強いし、だいたい、この歳で引っ込んじゃったら食べていけんやないですか(^^)

 今回の調査、抽出で対象者に当たったわけですが、うちの奥さん「そんなんより、裁判員さんがやりたい。当たるんやったらそっち当てて」 無茶いうなよ…。

台風一過

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  IMG_0988.jpg 台風18号が列島を縦断したことにより、各地で大きな被害が生じました。

 またも自然災害により尊い人命が失われたたのです。なんとも残念なことです。クルマを駆ってUSJに向かう途中の母子が遭難し、クルマごとダム湖に沈んだとか。楽しいはずの1日が最悪の事態に暗転というこんなニュースを聞くと、なんとも悔しさと悲しさがつのってきます。

 わが学園が日頃使っている淀川河川敷の広大なグラウンドも、今回は甚大な被害に見舞われました。サッカーゴール、ラグビーのゴールポストやバッティングゲージなどの体育施設はあえなく流失するか破壊され、グラウンドの表土も大きくえぐられた上に、流れてきたゴミが堆積しています。復旧には莫大な費用と時間がかかりますが、学生、生徒が一刻も早く安心して使えるように、最優先で取り組まなければなりません。

 わが国は災害が多い。中でも地震と台風は自然災害の東西横綱でしょう。古来、記録に残るだけで幾多の巨大地震に襲われてきました。近代になってからでも関東大震災、阪神・淡路ときて2年前の東日本です。そして東海、東南海、南海と意識して踏ん張ってたところがなかなか起こらないもんやから、こいつはどうもいっぺんにきそうやってことで最近は南海トラフ巨大地震とか呼ぶようになりました。過去からの周期考えるともう、いつ起こっても不思議やないとか。それ以外にも阪神大震災の野島断層みたいな活断層があっちこっちにあって、およそ予告もなしに大暴れする。まったく困ったもんです。

 しかし、古来われわれ日本人はこんなやっかいな災害も自然の一部として受容してきました。八百万の神を崇める日本人のこころの為せるわざです。

 最近妙に納得できる、こんなジョークがあります。

 神が天地を創造された時のこと。

   神 「日本という国を創ろう。この地に世界一素晴らしい自然
      世界一素晴らしい文化と、世界一勤勉な人間を与えよう。」
  大天使「父よ。それでは日本だけが恵まれすぎています。」
   神 「我が子よ、案ずるな。隣に韓国をつくっておいた。

 わが国の文化や自然が世界中で一番か、二番か、何番かなんて誰にも決められないし、また、そんなことはどうでもいいことなんですが、世界に誇るべき素晴らしいものであることは間違いありません。そしてわれわれ日本人は悠久の歴史の中で先人が連綿と築いてきた精神性、アイデンティティーに高い誇りを持って世界に対峙していることもまた確かであろうと思います。その精神を育んできた大きな要因は間違いなく日本の気候、風土など、すなわち自然です。

 神様が日本を創った場所は、この上なく豊かで美しい自然と引き替えに、毎年必ずいくつかの台風がやって来る導線上にあり、また、地球の「何とかプレート」がいくつも激しく衝突してる真上にあって繰り返し巨大地震が起こるという、どうもあまり条件がよいとはいえないところです。

 上記の「隣に韓国」のところにこれらの条件を入れ替えればおさまりがよろしい。もはやジョークではなくなりますが。

 しかぁし、われわれ日本人はその悪条件を頑張って克服してきました。異様に勤勉でストイックで情にあふれた国民性によって、励まし合い助け合い、こつこつと努力を積み重ね今日の繁栄を築いてきたのです。地震が来るのなら地震でも倒れない建物を造ればよろしい。台風が来るのなら水害に負けない街づくりをすればよろしい。そのための叡智はわれわれのDNAにきっちり刻まれています。淀川の増水で冠水したぐらい、へいちゃらですわ。

 しかし… それにしても神様、派手にやってくれたもんです。とほほ…(^^;)

 

IMG_0633.jpg ひさりぶりに万年筆のことを書きます。

 モンブラン社製 「マイスターシュテュック 144」 というモデルで、記憶している限り生まれて初めて自分で買った万年筆です。

 デパートで買ったとき、うちの奥さんが一緒にいたから、おそらく20年ほど前、当時はネットの通販なんてなかったか、あってもまだ私は使う習慣はありませんでした。

 既に何本も万年筆持ってたのに、何故にこの一本買ったかということですが、単に「太字の万年筆が欲しい」という実務的な事情からでした。

 それまでの人生で入手した万年筆は、これまでにも書いたとおりすべていただきものやったので、用途や自分の好みが反映されることもなく、一様にオーソドックスな細字か中字のものでした。一方、80年代後半頃から、オフィスでは急速なIT化が進み (当時は「OA化」なんて言ってましたが) 書類作成方法が手書きから、ワープロ、パソコンへと劇的に変化していきました。書類はプリンタ印字でも、手紙や仕事上の信書の最後には自筆で署名がしたい。どうせならインパクトのある太い文字が書きたい、けど太字の万年筆一本も持ってない…。それが購入動機でした。今思うと、署名なんか太かろうが細かろうがえーやないかと思いますが、何故かその頃はこだわってたのですね~。珍しく「買おう!」ということになったのです。

 どうせなら一生使えるブランドにしようと、モンブランの売り場で代表的なモデルを教えてもらいました。

 太字ならなんでもええけど、せっかくなら署名だけでなく日常も使えるのがいいなと希望を言ったところ、マイスターシュテュック というシリーズを「大中小」並べられました。順に「149」「146」「144」とゆうモデルやそうです。

 149は一目見てダメでした。ぶっとい!どっかの大統領が条約の調印式のときに使えばサマになるようなシロモノでした。これは、ぺーぺーのビジネスマンが普段使いするにはちょっとインパクトありすぎ。

 146はそれよりやや細め。それでもいつも使ってる他のペンやなんかに比べると、相当に太い。インクがたくさん入るための工夫なんやろか。私は手が小さいので太すぎる筆記具は長時間使いづらいという思惑から、結局いちばん細い144というのんに決めました。これなら持ち運びにもかさばらない。お値段も手頃。

 さて、買って帰って使い始めたところ、初めての太字の筆記感覚に戸惑いながらも、モンブラン独特の毛筆にも似たヌルヌルとした書き味には満足していたのです。

 ところが、しばらく使っているうちにどうも調子が悪くなってきました。インクの供給がよろしくない。太字なので当然ペン先のインクの減りはすさまじく早い。それに合わせてコンバータからインクがどんどん送られれば問題ないのですが、どうも追いつかずに結果、字がかすれてしまう。これは万年筆としては致命的な不具合です。

 ハズレやったかなぁと思ったものの、やっぱり初めて自分で買ったアイテムですので諦めきれません。何とか使い続けたいと思って、買ってから数カ月後、心斎橋のモンブランブティックに出向いてオーバーホールしてもらいました。結果かなり調子よくなったので、以来使い続けてます。

究極の神域

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P9023870.jpg 今年は伊勢神宮の20年に1回の式年遷宮の年です。わが家は奥さんともども初詣にも行かない不信心で罰当たりなヤカラですが、その不信心を補ってあまりあるミーハー精神を持ち合わせています。「今年は20年に一度のチャンス、式年遷宮イヤーー!」という世の風潮に乗せられるのは自然な流れということで、数十年ぶりにお伊勢参りに行ってきました。

 せっかくやからと伊勢・鳥羽周辺の温泉と美味しいもの堪能も兼ねてと、何とも動機不純な神様詣でであります。

 オーソドックスに外宮→内宮というざっくりした計画のもと、とりあえずクルマで出発。おりしも台風と前線の影響で日本中大雨となった2日間、車軸を流すような土砂降りの中、高速道路を東へ東へ。

 外宮に着いた頃には小降りとなり、この日はいちにち中、降ったり止んだりの空模様でした。

 世間の子どもたちの喧噪を避けるため夏休み明けの平日としたのですが、その分大学生らしき若者たちが多い。彼ら彼女らはまだまだバケーションの最中なのです。あちこちでグループがきゃあきゃあ騒いでます。こらこら、神聖な場所やぞ。

 しかしさすがにテレビで見た初詣なみの混雑はなく、ゆっくりお参りできました。これから気候が良くなっていき、遷宮行事のクライマックスである10月の「遷御」に向けて、だんだんに大混雑となっていくことでしょう。その時のテレビの特集によると、今回の式年遷宮の行事は2005年にスタートしておりその後8年にわたって30以上の祭典や行事が行われているそうです。社殿の建て替えのほか装束や神宝などをすべて新しくするのに要する総費用は700億円以上やとか。戦後は国や地方公共団体から費用出せませんから、すべて参拝者の浄財、つまり寄付やお賽銭なんかで賄ってることになります。まあ集まるもんですな。さすが日本人の精神の根源、こころのふるさと。

P9023862.jpg 外宮のお参り済ませて、いよいよメインの内宮へ向かいます。やっぱり外宮よりも人出が多い。旧参道沿の「おはらい町」と「おかげ横町」は、伊勢観光のポイントだけあって平日、悪天候にもかかわらず大変な人出ですわ。奈良や京都の寺社門前の商店街をも凌ぐ活況です。シーズン中の混雑は想像を絶するものでしょう。

 超有名どころ赤福本店です。はるか過去に来たお伊勢参りの際は、おはらい町はこんなにキレイに整備されてなかったように思いますが、この看板は見た覚えがあります。子どもの頃から伊勢といえば赤福と刷り込まれてきました。昭和の頃、奈良県から伊勢・志摩は手頃な行楽地やったため、近所の人からやたらにお土産にいただいてたのです。最近は甘い物、食べなくなりました。最後に赤福餅食べたのはいつやったか。今回も結局買いませんでした。

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  ちょうどお昼どきというので、おかげ横町の漁師料理「海老丸」さんで天丼をいただきました。出発前にこっそりチェックしておいた逸品です。夕食の料理に勝負かけるんやから昼食は軽くしといたら、という奥さんの意見を却下し、せっかくやからと普段はあまりお目にかからない大っきなエビ天を堪能しました。これがやっぱり後で響いてくるとも知らず(^^;)

P9023871.jpg 真新しい白木の一の鳥居を抜け、ミンミンゼミの鳴き声が響き渡る参道を辿っていくと左手に工事中の新御敷地が見えてきました。正宮屋根に神明造の特徴である鰹木(かつおぎ)が並んでいるのが見えます。内宮は10本で外宮は9本やそうです。知らんかったわ。

 一般に伊勢神宮と呼んでますが、本当の名前は単に「神宮」やそうです。神宮を名乗るところは明治神宮、橿原神宮、熱田神宮などいくつかありますが、社名のない神宮はここだけやとか。日本中の神社の頂点に立つ唯一至高の存在ということです。

 あらためて日本人の宗教観を思います。仏教と神道は日本人に深く浸透してます。というより神道は国そのものであって神道があるところに日本人が生まれてきたわけやから浸透はおかしいか。仏教はあとから入ってきて根付いたのやから浸透でよろしい。P9023882.jpg

 近代になっていろいろあったので、政治が特定の宗教をえこひいきしちゃダメということになりました。その結果、神道も今は政府の庇護から外れてしまってますが、そもそも神道が宗教かということは難しい問題です。何をバカなと言われそうですが、見方を変えるとそうとも言い切れないのではと思います。

 仏教やキリスト教なんかには教祖様がいて、教義があって、信者はお坊さんや牧師さんからいろんなことを教わります。布教も行います。しかし神道にはこれらが一切ない。教祖もなければ教えも何もない。神社の宮司さんは祭司は行うけど説教や布教はしない。宗教というにはあまりにもヘンです。

 日本人はよく自分は無宗教と言います。初詣は神社へ。お葬式にはお坊さんが来て仕切るけど、結婚式は教会で。クリスマスにバレンタイン・デー。もう、めちゃくちゃです。本当の信者であるとしたら、ありえないとんでもない狼藉であって、これでは結局「無宗教」といわざるを得ないわけです。しかし本当に敬虔な浄土真宗の門徒であっても神社にもお参りするし、多くの家には仏壇と神棚が祭られてます。これはつまり日本古来の神道に仏教を受け入れる余地が充分にあったからです。仮に神道ではなくキリスト教であったとしたら、こんなことは絶対にあり得ない。「神道は宗教か?」との命題が現れる所以です。現代的な宗教の定義にあてはめれば確かに宗教と言わざるをえないのですが、日本の悠久の歴史と日本人の精神の成り立ちに思いをいたすと、理屈を超えたところで神道は宗教とは別次元のものであるような気がしてきます。かつて国家神道によって道を誤った日本の近代史を思うと、これは非常に危険な考え方やと指弾されそうです。しかし、ごく最近に起こした、いっときの過ちによって、悠久の古来より受けつがれてきた日本人の日本人たる精神の在り方を変えてしまうことはあってはならないとも思うのです。

 ともあれ、ミーハーふたりはお宿にとうちゃく。温泉を楽しみいざお食事となって、やっぱり昼間の天丼がたたってきました。伊勢エビやアワビを贅沢にたくさん使った豪華海鮮懐石、いつものようにたくさん残してしまう結果とあいなりました。奥さんから「まったく学習しないやつ」とさんざバカにされたのも、いつものことです。

 お土産に買って帰った地ビールが思いのほか美味しかったので、早速ネット通販で1ケース発注してしまいました。「量」はこなせないくせに、美味しいものにはどこまでも貪欲なのです。

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 今、配送が来たので、追加アップ。 

IMG_0859.jpg しょっちゅうというわけではないですが、よく海外旅行に行く友人がいて、嬉しいことにその都度たくさんお土産をもらいます。時期によっては長期休暇がわりと取りやすい職場環境の恩恵もあって、彼女、これまでにもうかれこれ数えきれないほどの国を旅してます。ヨーロッパ、アジア、アメリカ、オーソドックスな旅先はすべて行き尽くして、最近では、今年はどこ行くの?と聴いたときに、 一瞬 「それ、どこやったかな」 と考えるような国名が返ってくるようになりました。往年のテレビ番組「兼高かをる世界の旅」を地でいってます。

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 今回の夏休みはメキシコやったそうです。かろうじてよく知っている国です。もちろん行ったことはありませんが。

  彼女、チチェン・イッツァとゆうところにかねて行きたかったのやとか。調べてみるとマヤ文明の遺跡やそうです。何か、見たことある。

  お土産はチョコレートひと袋、トマトブイヨン1箱、そして何だか辛そうなスパイスソース1瓶。太陽の国メキシコの雰囲気たっぷりのラインナップでした。うしろにある飲みかけの山﨑ウイスキーや電話の子機なんかは、もちろん関係ありません。

 メキシコといえば、1968年、私がものごころついて以来はじめてのオリンピックがあった国です。小学校1年生のみぎり。リアルタイムでテレビで見た記憶があります。その4年前の東京オリンピック当時はまだ2歳やったのでまったく覚えてません。そして、その56年後となる2020年のオリンピック開催都市が明日の未明に決まるそうです。様々な憶測が伝えられてますが、果たして東京は当選するでしょうか。招致の賛否や反対運動などいろいろありましたが、ここまで来たからには何とか悲願を達成したいもんです。1964年、前回の東京五輪は日本の高度成長期のハシリに開催されて、戦争でボロ負けした日本人が自信を取り戻していく中で、シンボリックな一大イベントとなりました。

 その後の驚異的な日本の発展も今や昔。今では政治の体たらくに加えて、近隣諸外国からはイジメのような理不尽な圧力、さらには度重なる未曾有の自然災害と東京電力による亡国の所業により、すっかり元気がなくなってしまってます。再びわが国が希望と活力をとりもどすために、何としても今回のオリンピック招致、成功することを願ってやみません。

甦る二胡の調べ

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IMG_0903.jpg 職場の同僚にSというのがいます。

 彼と先日行きつけの居酒屋で飲んでいるうちに、訳あって新しくカセットデッキを買った話をしたところ、「では、カセットのミュージックテープを進呈しよう」と言い出しました。

 音楽聴きたくてデッキを買ったわけではないし、捨てられずにいる古いテープも腐るほどあるから、新しいテープなど欲しくはないと断ったのに、なんとか貰ってくれと言いはる。

 理由を聴くと、昔仕事で中国に行ったときに中国民謡や歌謡の演奏テープをなんと20巻以上勢いで買ってしまって、そのまま残ってる。彼の地の店頭に並んでいたテープ 「ここからここまで全部くれ」 と、みさかいなく大人買いしたとか。当時のレートで日本円にして1巻10円ほどやったらしい。

 持って帰る手間とか帰ってからの保管やなんか考えると、旅行先でのテンションの為せるワザとはいえ、何ともバカな買い物したもんです。結局、帰国してから使うこともなく、新品のままで何十年も置いてあるのやとか。

 その後時代は流れ、いつか誰の手元からもカセットテープを再生できる機器が消えていき、彼の家でも封も切ってない大量の中国ミュージックテープのみが残された。そこで今回、私がカセットデッキの話をしたところ思い出して、渡りに船と思って言い出したという次第やそうです。

 酒を飲みながらのそんな話のことすっかり忘れた先週になって、職場で 「ちょっとこい」 と呼び出され 「さあ、持って帰れ」 と20数巻のミュージック・テープの入った箱を渡されました。曰く 「悲しいかな、俺はもう聴きたくても聴けない、あとはよろしく」 と、彼は実に嬉しそう。

 どうするのよ、これ。

 とりあえず全部はとてもムリなんで試しにそのうちの2巻を家に持って帰りました。セロハンの包装破ってみると、新品のはずなのにカセットのケースにはあちこちキズと汚れなんかついてて使用感満載。さすがの中国クオリティです。ケースからテープ取り出しておそるおそるデッキで再生してみると、新品とはいえやっぱり古いテープ、ところどころ音がふにゃふにゃと揺れますが、なんとか鑑賞に堪える音質ではあります。

 内容はいかにもといった感じの中華メロディー。二胡や月琴といった楽器の音色にもの珍しさはありますが、この先繰り返して聴くことはまずないでしょう。

 職場に置いたままの残り20数巻、さあどうするよ。

WELCOME

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PROFILE

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katsuhiko

男 

血はO型

奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

生まれてから約半世紀たちました。

お休みの日は、野山を歩くことがあります。

雨の日と夜中はクラシック音楽聴いてます。

カラオケはアニソンから軍歌まで1000曲以上歌えます

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