仕事の関係で広島への出張がとても多い。
先週も出かけました。就職するまではまったく無縁の土地でしたし、勤め先が彼の地に進出して事業展開するまでは、あまり訪れることもありませんでした。
それまでの広島のイメージというと、核廃絶の崇高なシンボルとして世界平和を希求する国際都市ヒロシマというもの、また、「仁義なき戦い」の舞台として日々血の雨が降っているような印象しかありませんでした。しかし、職場の一部となって頻繁に出向くにつれて、広島県という土地と人々の気質がそれまでの想像とはうらはらに実に穏やかであることに気付きました。それが瀬戸内独特の気候と歴史が育んだ県民性であるという人もいます。大阪出身の同僚には、広島愛が高まり彼の地に居を構え完全に移住した人もいますが、気持ちは分かります。
日々緊張して勤務する中でたまに広島に出張して、職場の特に若い人たちと話すと確かにホッとすることが多いのです。厳しい事業環境にあってもこの独特の気質だけは変わらずにいてほしいと思います。
ところで、よく行く職場は広島といっても最寄り駅は新幹線の東広島なのです。広島のひと駅手前。大阪-広島だと1時間半もかからないところ、ひとつ手前の東広島だと「こだま」しか停まらないので岡山か福山で乗換えとなり、たっぷり2時間以上かかるのです。もう慣れましたが実に不便です。この東広島という駅、実にローカル色たっぷりで、列車は1時間にほぼ2本。新幹線の駅でありながら、乗降客数はおそらく京阪電車の各停停車駅より少ないのやないでしょか(^^)。
ひと仕事を終えて大阪に帰るのはいつも夕暮れどき。上りホームから眺める中国地方特有のなだらかな丘陵が遠くまで夕日を浴びて、なんとものどかです。
先週の業務は呉市まで足をのばしました。ここからの帰りはJR呉線でいったん広島までバックして新幹線に乗り換えです。この呉線が単線で、また遅い。広島まで1時間以上かかります。対向待ちする停車駅で車窓から眺める瀬戸内海の夕暮れが旅情にうったえます。先週の広島は山も海も実に穏やかでした。