2012年10月アーカイブ

ホンモノの迫力

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 信貴山に登ってきました。
 
 先週半ばに職場の職員研修の一環、体力鍛錬で摩耶山に登ったのに続いてのハイキングですが、実はその前の日曜日にも摩耶山の練習しようと近所の飯森山に登ったので、週3連チャンの山歩きです。カラダあちこち痛みはありますが、年間で最も気候がよい時期、休日家にいるのがもったいない。
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 近鉄大阪線の恩智駅スタートで、同じく生駒線の信貴山下駅がゴール。大阪から登って奈良に下ります。途中山腹の朝護孫子寺に目指す国宝があります。

 恩智神社から「恩智越」峠を越え信貴生駒スカイラインに至る整備されたハイキングコースは、思いの外高度差があってしんどかった。 

←なんだかいろんなものが出てくるそうで、微妙にワイルドな感じでした(^^)。

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 今日の目当ては信貴山の朝護孫子寺(信貴山寺)にある国宝の「信貴山縁起絵巻」です。
 
 以前、浮世絵のことを書きました。切手少年だったわたしは最初「浮世絵」といえば記念切手の「国際文通週間シリーズ」の原画として知識を得たというお話ですが、国宝やなんかの文化財についても同じことがいえます。

 昭和の高度成長期、切手蒐集がブームだった頃「国宝シリーズ」は一世を風靡した超人気の記念切手で、第3次まで企画されました。その第1次シリーズの第3集「平安時代」に取り上げられたのが「信貴山縁起絵巻」で、他の素材と同様に「切手になった国宝」として少年の頭脳にインプットされました。

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 ところが今に至るまでホンモノは観たことがなかった。で、今日から2週間特別公開されるってことなんで、思い立って行ってきたわけです。
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 初めて訪れた朝護孫子寺は思ったよりもずっと大きなお寺でした。

 今昔物語によると、命蓮という坊さんがこの寺を中興したと伝えられ、このとき「朝廟安穏、守護国土、子孫長久」を願い、後醍醐天皇の病気平癒を祈願し、天皇の病気が治ったので朝護孫子寺の寺名が起こったらしい。ややこしい名前だこと。

 境内には何の法要か読経の声が拡声されて響き渡ってます。いろんなことを祈願するのにお布施を納めたり寄進したりで、人々はそのときだけ信者になり、お寺は潤います。

 こと宗教に関して日本人は実に節操がない。初詣は神社、結婚式は教会、お葬式は仏式。なんでもあり。で、聞いてみると多くの人が「わたし無宗教です」と答える。八百万(やおよろず)の神々を崇めてきたDNAの為せるワザでしょうか。

 この朝護孫子寺塔頭にも小さなお寺や神社がいくつかあります。神仏習合で「お寺に鳥居」はあちこちで見ますが、宗教に対して寛大であることは人類の平和にとって必要なんでしょね。「和」を排除する宗教はカルトです。信仰は、あくまで他者の存在を認めた上に成り立つべきやと思います。

 さて、国宝。霊宝館という建物で公開されています。当然写真はNGです。

 訪れる人も案外少なく、じっくりと鑑賞できました。ホンモノの国宝やという先入観があるのかもしれませんが、やっぱりスゴイ。「源氏物語絵巻」、「鳥獣人物戯画」、「伴大納言絵詞」とともに四大絵巻物の1つと称される(ウィキペより)だけあって、緻密な描写、線がキレイ。迫力があります。

 さらに保存が見事。わが家にとってある子供のころの雑誌はもはやボロボロですが、この絵巻は平安時代から現在に至るまで伝わるも、あまり痛みも見られない。日本古来の木造建築は千数百年を経て残ってますが、近代建築の鉄筋コンクリートは100年保たない。先人の叡智を感じます。

 境内をのんびりと見物したあとは、生駒線の駅に向かってひたすら下るだけ。近鉄信貴山下駅から王寺駅でJRに乗り換えて天王寺へ。短期間の集中登山でさすがに疲れていたのか、寝入ってしまいあやうく乗り越しそうになりました。

命の工場

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 今週仕事で大阪府立大学に行った際に、野菜工場を見学させてもらいました。
 府立大「植物工場研究センター」。経産省、農水省両方の事業採択で完全人工光型植物工場研究を行ってるのです。

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 栄養分を溶かした水と蛍光灯の光だけで野菜を育てる研究施設なのですが、そこそこ大量に生産して商業ベースに乗せてます。
 うらやましい限りの広い広いキャンパスの一角に鉄筋コンクリの大きな建屋が2棟並んで建ってます。A棟が経産省、B棟が農水省の縄張りだそうです。建ってる土地は大阪府のものです(^^)

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 屋内の施設はまるでハイテク工場そのものですが、作ってる製品は野菜です。フリルレタス、ルッコラ、バジル、水菜、春菊など11種類の葉菜類を作っています。おすすめはアイスプラントだそうです。聞いたことある名前です。研究員の先生「最近売り出しの超トレンド、一押しです」と説明してくれました。肉厚の葉についている白いツブツブが氷に似ているのが名前の由来です。実はこの水泡のような細胞に塩分を蓄えるらしい。つまり生で食べても味がついている。料理するとさらに美味しい(らしい)。まだ食べたことない。
 

←たくさんの棚にフリルレタスが植え付けられてます。

  土はなく、根元を養分含んだ水が流れてます。
 

 

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 聞けばここと同じ感じの、土のない野菜工場は全国に何カ所もあって、がんがん生産を行ってるそうな。工場野菜は安定供給、安全性、高速生産などがウリだそうですが、ちょっとコスト高いのが課題らしい。蛍光灯付けっぱなしやとやっぱし電気代かかりますよね。

 しかし、土けの全くない野菜って、なんだかなぁって感じがします。命あるものを工場で作ることに違和感があるのはやっぱし偏見でしょうか。

 

 

 蛍光灯の光を浴びながら、1日に1段ずつ下りていきます。 →

 一番下に辿り着く頃には大きく育って出荷できます。無農薬野菜です。

 

命を守る

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kyukyu.jpg 出張で頻繁に新幹線を利用します。
 JR西日本の「EX予約」がやっとこさ最近、九州新幹線「さくら・みずほ」に対応し、使い勝手がよくなりました。
 というか、開業同時に対応してほしかったところなのですが。

 それはさておき、昨日広島でシンポジウムがあり、日帰りしました。土曜日の出張はめずらしい。
 EXは事前に座席まですべて自由に決められるのですが、今回は何故かうっかりしてて前日に慌ててアクセスしたところ、びっくり(゚д゚)!乗りたい「さくら」がほぼ満席状態。
 こんなことはあまり経験がない。新幹線は平日より土日の方が乗車率が高いのかと思いつつ、なんとか空いてる座席を確保しました。
 新大阪駅ホームは平日とは違った雰囲気です。行楽客と思しき集団が多く、ビジネスマンの姿が少ない。
乗りこむと、車内ほぼ全部が学生さんと思しき集団に占拠されてます。で、楽しそうな話し声が充満してます。壮絶。けたたましい。平日の静かなビジネス新幹線とは全く違った雰囲気です。これは、たまらん(;^ω^)

 iPodの音量上げて我慢してると、前方からスーツ着たツアコンらしき人が学生さんたちに声かけていきます。
 「は~い。お名前教えてください。○×さんね、はいありました。ありがとございまーす。」
察するに、どこかの企画ツアーでもってどこかに出かける団体さんで、いくつかのグループの集合体が大団体になっているといった感じです。行楽シーズン、旅行社もJRも書き入れどき、ということか。

 ところで、シンポは救急救命に関するもので、専門家と消防、危機管理の最前線で活躍されている方々がパネリストに並び、非常に内容の濃いものでした。

 かつて救急隊員は医療行為を行うことはできず「搬送屋さん」と位置づけられていたのですが、救命率の向上を目指して救急救命処置を行えるようにと1991年に法整備されて誕生したのが「救急救命士」です。

 目の前で苦しんでいる人間がいるのに法律の制約で医療措置ができない救急隊員の実情を何とかしようと各方面が頑張った結果です。もし救急車の中で簡単な初期対応ができていれば助かったはずの命があった。医者ではないから医療行為ができない。じゃあ医者が救急車乗って走れよ、ムリって言うのならなんとかしろよって話です。
 「FNNスーパータイム」において、黒岩祐治キャスター(現神奈川県知事)が実施した大キャンペーンもひとつのきっかけとなったそうです。キャスター、なかなかやるやん。

 公共性の高い資格です。一刻を争う緊迫した状況で、冷静に素早く適切な措置を施すためには、十分な訓練と経験が求められます。誰でもなれるわけではなく当然国家試験があります。救急車の出動は年々増加傾向にあり、人材の育成が急務で、大学等養成機関の一層の整備が急がれます。

 一方で、出動要請で救急車が現場に行ってみると明らかに緊急性が認められない場合も多いとかで、いろいろと考えさせられる講演でした。

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 神戸で開催中の「マウリッツハイス美術館展」行ってきました。
 レンブラントなど、オランダ・フランドル絵画のコレクションですが、観客の目当てはなんといってもヨハネス・フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」またの名「青いターバンの少女」。

 フェルメールといえば、1年前のヨーロッパ出張の際、アムステルダム国立美術館で「牛乳を注ぐ女」に会って以来の対面です。今回の来日、東京の開催で何度かチャンスがあったのですが果たせず、本日成就しました。

 予想はしていましたが、すんごい人出。チケット売り場から長蛇の行列です。会場の神戸市立博物館はあまり広くないので、係の方が大汗で場内整理しています。

 ルミナリエといい、どうも神戸というと行列に並ぶという印象があります。博物館の裏側では異人館のカフェに大勢並んでたし、南京町でも特定のお店に大勢並んでました。神戸の人は並ぶのが好きなんやろか?

  

  

 

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  それはさておき、

 少女の絵は特別扱いで、1室使ってます。入り口に『Girl With a Pearl Earring』の文字があったので、なるほどここを曲がると絵が掛かっているのか、と思いきや。入ると薄暗い部屋中に人の頭が。皆さん、仕切りロープに沿ってくねくね、ゆっくりと進んでいます。部屋の前方、絵が掛かっていると思しき壁まで直線で7・8m、しかし行列の長さはざっと50mくらいか・・・(;´∀`)

 

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 並ぶことおよそ20分。真正面にきてじっくり観ることができました。う~ん、感動。

 フェルメール活躍の17世紀半ばのオランダでは、特定の人を似せて描くのではなく、人物の表情や性格のタイプを表現するために頭部を描く「トローニー」という習作が流行したそうです。この少女も誰かの肖像画というわけではないのです。誰でもない少女ですが、瞳で射すくめられ、引き込まれるような何ともすごい魅力を感じます。「オランダのモナ・リザ」の二つ名はダテではありません。

  会場出口のお土産屋さんで思わず手が出てしまいました。青いターバンのミッフィーですわ。

 ミッフィーの故郷ユトレヒトも昨年訪れた街のひとつでした。これは買わねばなりますまい(^^)

新聞社も商売

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 つい先日のこと、職場で読売新聞を読んでて、 「ん?」
 
 週刊新潮の広告がおかしい。

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 紙面の一番下に載った、よくある広告なんですが、一番左端の記事  "もう一人の愛人が告白「  」ヘソの下は紳士じゃない!"

 「これぞ週刊誌」といういつもながらの下品な見出しは置くとして、この「  」空白は何よって話です。別にわたしが細工したわけではありません。もとからこんなです。

 そん時は、興味引くための新しい演出か、ぐらいに思ったのですが、おうちに帰って朝日新聞の同じ広告見て、すっかり理解しました。

 朝日ではカッコの中しっかりと「原辰徳」と明記されています。しかも読売の広告には無い原監督の写真が!
 つまり、読売は自分ちの原監督の悪口はゆるせない、しかし新潮社からの広告料収入無くすのは惜しいし、あとあとのこともあるので、広告断ることはしたくない。それじゃというので、いちおう載せるけど原監督の名前と顔だけは隠す、という行為に及んだわけです。もちろん新潮社も、妙な広告が話題になれば売り上げにもつながると納得の上で、代金のいくらかは割り引かせたんじゃないでしょか。

 ライバルの朝日は、そんな遠慮なんか必要ない。ただでさえ今春、ジャイアンツの契約金超過騒動で読売グループとはバトル状態。すんなりそのまま掲載してます。

 週刊文春で「1億円不倫恐喝事件」が話題になったばかりの原監督、またぞろスキャンダルが週刊誌ネタになったわけですが、そんなことに興味は(あまり)ありません。

 気に入らないのは、読売の愚行ですよ。

 大新聞が週刊誌の広告で都合の悪い部分を伏せるというのは、過去たびたびあったらしいのですが、広告の内容が気に入らなければ掲載を断ればいい。伏せ字で載せるなんて、何ともみっともない。いろいろ大人の事情があるのかも知れませんが、顧客である読者には 「広告料収入がそれほど惜しいのか、何とさもしいことよ」 という印象が残ります。

WELCOME

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PROFILE

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katsuhiko

男 

血はO型

奈良県出身大阪府在住のサラリーマン

生まれてから約半世紀たちました。

お休みの日は、野山を歩くことがあります。

雨の日と夜中はクラシック音楽聴いてます。

カラオケはアニソンから軍歌まで1000曲以上歌えます

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